推しが尊過ぎてっ!

はるの美羽都

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    相くんの居候生活、6日目。
いよいよ、明日で相くんの居候生活も終わりを告げる。
そうしたら、相くんはお隣へ引っ越しちゃう。
元は“推し部屋”だった部屋も、1週間近くも一緒に暮らしていると、部屋に馴染んで“相くんの部屋”としか見えなくなっていった。
そして本日も、目覚めると相くんがキッチンで朝食を作っている音がする。
これが、いつの間にか日課になっていた。
「おはよー」
「あ、おはよう」
「もう、そろそろご飯出来るよ」
「はぁーい」

「「いただきます」」
「相変わらずの、安定感」
「何それ」
「相くんのご飯が、どれも美味しいから安心するの!」
「そうかな?普通だと思うけど……」
「これで普通って……世の女性を敵に回したわね」
「えっ!?そ、そんな……!?」
「相くんは料理上手なんだから「ありがとう」って、受け取ればいいの!」
「あ、ありがとう……」
「そう!それで、よろしい」
「今日の玉子スープは?」
「最高にございます」
「お口に合って良かった」
ご飯を食べながら、あれこれ話すのって何かいいなぁ。
しかも“推し様(彼氏)”と、ってところがポイント!
朝から心がポカポカして、今日も嫌な仕事頑張れそうだなぁ。
「いってきまーす!」
「うん、今日もお気を付けて」
今日もエプロン姿の相くんが拝めて、私は幸せです……
推し様彼氏と呼びたいぐらいに、相くんは一段と光り輝いていた。
相くんに似合う女性なんて、いくらでも居るのに相くんはずっと前から、私を選んでくれていたんだ。
人生、本当に一体いつどこで何が起きるか、分かんないよね……!
しかも“推し事”しても許されるなんて、もう神様じゃん!
相くんは“推し事”にも理解があるし、声優さんだからアニメの話も出来るし……私にとっては最っっ高の彼氏様!
    だけど、もう明日で1週間だ。嫌だな……相くんが居なくなって、隣に引っ越すなんて。
引っ越しても隣だけど、寂しく感じるよ……
こうなったら、無理やりにでも頼み込んで一緒に暮らしてもらおう。
隣に引っ越して欲しくない。一緒にこうして、ご飯食べたり喋ったりしたい。
家に相くんが居るから、嬉しくて安心して家に帰るのが待ち遠しくなる。
仕事が終わると、少しでも早く家に帰りたくて、気付いたら早歩きしている自分が居る。
相くんが仕事で帰りが遅くなった時も、絶対に帰って来るって分かってるから、安心して眠っていられる。
まさか自分が、また恋愛をするなんて。
もう、恋愛は懲り懲りだから二度としたくないとさえ思っていた。
私には二次元さえあれば、それでいい。
二次元が私の生きる全てだ!なんて思ってた。
相くんが居てくれたから、私は現実リアルでも頑張れたんだ。
    ヨシ、相くんに交渉しよう!もう少し、一緒に住んでくれませんか?って。
「ただいま~」
「おかえり!」
「どうしたの?何か、あった……?」
「えっと……いきなりで申し訳ないんだけど」
「うん」
「まだ、私と一緒に……ここで暮らしてもらえませんか!?」


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