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荷造りは大変だ
しおりを挟む私は器用でも、テキパキ出来るわけでもないので、少しずつ荷物をまとめることにした。
整理整頓も兼ねて要らない物と、要る物に分けていく作業は簡単そうに見えて、実は簡単ではない。
私はいらない物にまで、思いを馳せてしまうタイプなので荷造り兼片付けが、一向に進まない。
最悪の場合は、本当に要る?要らない?と悩む始末。
「どう?少しぐらいは、まとまった?」
「うひゃあああ!」
「あははは!本当にみーちゃんって、反応が面白いよね」
「あのぅ、バカにしてます……?」
「滅相もない!可愛いなって思ったの。いつも面白い反応を見せてくれるけど、可愛いなーって」
全部許してしまうじゃないかバカヤロウ。
くぅ~~!推し様って、憎めないから嫌いになれない……
休憩やご飯を挟みながら荷造り兼片付け作業をして、ようやく段ボール3個分は出来た。
「はぁ。慣れないことをするのは、大変だな……」
「何、おじいちゃんみたいなセリフ言ってんの!みーちゃんは可愛い女の子なんだから、可愛いが台無しだよ?」
「いやいやいや。部屋着かパジャマか分からん服を着たまま、ダラダラ作業をしている私が可愛いわけなかろうがッ!しかも、髪の毛テキトーに結んで、すっぴん丸出しのブサイクな私を、美化し過ぎなんだよ推しくんは」
「だって、好きだから。好き過ぎるから、どんなみーちゃんも可愛くて愛おしいんだよ?」
これは、鼻血案件だ。くっそぉおおお!そ、そんな声優のセリフにありがちな言葉を言われても、全然……とき、めか……ないわよ……
「わーっ!みーちゃん!?大丈夫!?」
私、小泉 美華はたった今……昇天いたしました。
長らくの応援、本当にありがとうございました。……チーン
では終わりませんので、ご安心を!
休みの日に1日かけてやれば、何とか引っ越しの日までには荷造りが終わるかも!
「お疲れ様」
「ありがとー!」
私は、基本的には相くんと呼んでるけど“推しくん”とも呼んでいる。
推しくんの方が可愛さ倍増な気がするし、愛を込めて呼んでるし、なんてったって“推し”てるからぁああ!
「推しくん!」
「なに?嬉しそうだけど、良いことあった?」
「ふふふ。推しくんと一緒に居られるから、嬉しくて」
幸せな毎日。推しくんとの生活で、仕事にプライベートに全力で頑張れる。
こんな幸せ、二度とないから噛み締めつつ慎重に謙虚に、日々を生きていけたらいいな。
「僕だって……愛しの人と一緒に居られて、幸せだよ?」
やっぱり、推しくんを攻略せねば!私の心臓が持たないですっっ!
それか、私が耐久力を鍛えればいいのか。
いやいや、出来る気がしない。どうすればいいの~!?
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