許婚様は私がお好きらしい。

はるの美羽都

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許婚様のヤキモチ?

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    やっとお昼休みになり、わたくしはお友達と共に昼食を取ろうと学食にやって参りました。
どのメニューにしようか悩んでおりますと……
「桜?」
「あら、りょうさん」
「どうした?弁当じゃないのか」
「ええ。今日は、お友達と学食の日なんです」
「そうだったのか」
「ええ。怜さんは……」
「ぼ、ぼっちではないぞ!」
「ふふふ、存じておりますよ」
「全く、うちの許嫁は……」
「はい?」
「人で遊ぶでない」
「はぁ~い」
ファンクラブの方たち及び、学食にいらっしゃる生徒の皆さんはきっと、私たちの仲睦まじい姿をご覧になってさぞ、幸せな気持ちになっていらっしゃるのでしょうね。
私もこういう一時が一番、好きなのです。
怜さんのポーカーフェイスが崩れるのを見るのが好きなんですの!
井栗いぐり 都史くにちか?」
「ええ。もし同じ幼稚園に通っていたのなら、怜さんもご存知かと思って……」
「さぁ……記憶にないな。小学校とかは?小学校は別の学校に行ってたから、知らないが」
「そうですね……アルバムでも探してみようと思います」
「あ……じゃあ───」

まさか放課後に、許婚様のお家に行くことになるなんて……!
突然「俺の家に来い。とりあえず、幼稚園と小学校のアルバムを見てソイツを捜そう」だなんて言うもんですから、やんわりとお断りしたら
「絶対に、来い」
とだけ言って、さっさと行ってしまわれました。
とんだ早食いでしたわ。特訓でもして、身に付けたのでしょうか。
しばらくの間、お友達が気をきかせたのかどこかへ行ってしまわれていたので、ぽつんとぼっちだったのが少し寂しかったですわ。
帰りにそのことを言うと「すまない……」と謝ってくださいました。本当に律儀な男です。

そして、久しぶりに許婚様のお家へ。
「あらまぁ!ますます綺麗になられて!」
「お久しぶりです、お義母様」
「あらやだ!お義母様だなんて……綺羅ちゃん、もうお嫁に来る?」
「えっ!」
「母さん、冗談もほどほどに」
「はーい」
許婚様のご家族とのやり取りも、見ているだけでとても楽しい気持ちにさせてくださるし、お義母様も私を可愛がってくださるので好きですわ。
そして、許婚様のお部屋へ。
「まぁ……素敵ですわね!」
「そうか……?」
シンプル且つオシャレで、素敵なお部屋───
ここに住みたい!!!と、つい思ってしまうほどのお部屋です。
「えっと……あぁ、あったあった」
許婚様の幼稚園と小学校の頃のアルバム……いざ、ご対面!ですわ。
「可愛らしい……!」
幼稚園の頃の許婚様、当然ですが幼いところが、とっても可愛らしいですわ!
確か、許婚様は幼い頃からおモテになられていたので毎日、誰かと順番で遊んでいたような。
幼い頃から今でもモテ期だなんて……神様は、とんだ不公平をなさるのですね。
「うーん、居ないみたいだな……」
「そうですか……」
「ん?あれ、これか?」
「あっ……!」
そこには、井栗くんの名前が記載されていました。
「やっぱり、幼稚園だったんですね!」
「しかし、幼稚園の頃だぞ?今でも覚えているなんて……なかなかのヤツだな」
「私、何かしたのでしょうか?全く記憶にないのですが……」
「さぁ……?聞いてみたらどうだ」
「はい、そうします!あっ、小学校の怜さんを見てもよろしいですか?」
「あぁ、構わないぞ。何も面白くはないと思うが」

それから、幼い頃の許婚様のお話をあれこれ聞かせていただき、たくさんの収穫があったのでほくほくです。
そろそろおいとましようとした時に許婚様から
「お前は俺の許嫁なんだから、井栗なんかにうつつを抜かすなよ」
「あら……それは、ヤキモチですか?」
「なッ……!」
わぁ……!顔が真っ赤になった許婚様を見たのは、久しぶりかも知れません。
「ふふふ、ご安心を。私には許婚様だけですわ」
「な、ならば……よろしい」
素敵な表情が見られたので、これも素敵な収穫ですわ☆
それにしても、許婚様がヤキモチだなんて……
ポーカーフェイスの下には、ちゃんと感情がおありだったのですね。
ちゃんと人間だったので、安心しました!(とても失礼)




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