許婚様は私がお好きらしい。

はるの美羽都

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許婚様の優しさ

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    許婚様が、お土産を手にしながら登校していることなど露知らず、わたくしはメルヘンランドでのディナー&パレードの貸し切りの為に、着ていく服を朝からずっと考え悩んでいた。
どのような服が良いのか、なかなか決まらない。
私も私で、メルヘンランドのディナー&パレードを目いっぱい楽しみますわ!
服を引っ張り出してきては、鏡の前で合わせてみたり着てみたりと悩みましたが、15時のおやつの時間辺りに、ようやく着ていく服が決まりましたわ!
メイクは軽くして、髪の毛もヘアアレンジして用意は万全です!
「ディナーは夜だぞ?そんな昼間っからしていたら、行く頃には(メイクや服が)崩れるぞ」
「もう、お父様ったら!ほっといてください!」
「えっ……」
全く……お父様ったら!楽しみだからこそ、時間に余裕を持たせる方が慌てずに済みますのに。
崩れたら崩れたらで、ちょっと直せば良いだけですわ!
「では、いってきます」
「気を付けてな」
「楽しんでらっしゃい」
「はい!」
お父様、お母様にご挨拶して出ようとしたその時───

「桜……じゃない。綺羅さんはご在宅でしょうか?」
「あっ、怜さん!」
「桜。お前、どこに行くんだ?そんな、おめかしして」
「今日ですのよ!メルヘンランドのディナー&パレードの貸し切り」
「あっ、えっ……そう、だったか」
「あら、ご存知なかったんですか?」
「あぁ……知らなかった」
「それは、すみませんでした!連絡すれば……良かったですわね」
「いや、いいんだ。それほど楽しみにしていたって証拠だ」
「すみません……そうなんです。楽しみ過ぎて朝からずっと、どれを着て行こうか悩んでおりましたの!」
「うん。似合っている、素敵だ」
「あっ、は……ありがとうござい、ます」
何故でしょう……以前よりも、許婚様にときめいている自分がいますわ。
何だか少々、お恥ずかしい気もいたします。
「どうした?桜」
「いえ、あの……お構いなく……」
「あっ、そういえば……リクエストの土産だ」
「まぁ!本当にリクエストしたものを……」
「当たり前だ。桜が欲しいと言っていたものだからな」
「り、怜さん……!」
「さ、桜!?どうした、どこか具合でも悪いのか!?」
「いえ……そういうのではないんです」
「じゃあ、なんだ!?」
「あの……」
「どうした?」
「お恥ずかしいことをここで申し上げても、よろしいですか?」
「恥ずかしい……こと?」
「ええ」
「それは、ちょっと困るな」
「では……私のお部屋まで、来てくださいますか?」
「あぁ、勿論だ」



「それで、話とはなんだ」
「あの……その……」
何故かしら、今になって許婚様を前にすると、ドキドキドキドキ……って胸が高鳴りますわ。
気のせいか、顔が熱くなってきているような……
「桜、熱でもあるのか?」
そう言いながら、許婚様は自分のおでこを私のおでこに付けてきました。
なんて大胆な!
「ひゃっ!」
「あ……すまない」
「あの……り、怜さんって、その……」
「ん?」
「誰にでも、そういうことをなさるのですか……?」
「そういうこと?」
「おでこ、誰にでもそうやってされるのですか……?」
「まさか!桜だけだッ!他の人間になど、死んでもやるかッ!」
「あ、そう……ですか!」
許婚様からそう言われて、私はつい……ウフウフしてしまいましたわ。
許婚様が感情的になりながら、私にだけそうするのだと言ってくださり……とても嬉しく思いました。
とても幸せな気持ちになり、許婚様に伝えたいことをすっかり忘れ、両親と許婚様に見送られながら私はメルヘンランドへと向かいました。




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