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思い上がりなのでは
しおりを挟む許婚様と少し、更に距離が近くなってきたと思っている今日この頃。
秘密の“ペアルック”のことですが、目敏いファンクラブ方に見つかってしまいましたわ……!
私の超小型補聴器に入った声に
「篠目様と綺羅様、同じキーホルダーを鞄につけていらっしゃいますわっ!」
と興奮気味に言っていらっしゃったので、これは私が許婚様にお渡ししたことがバレてしまいましたわ……!と思っていたら、ファンタジーランドにも同じキーホルダーが売られているそうなので、バレることはありませんでした。
とりあえず、そこに関しては安心しましたわ。
しかし……とても嬉しいと、許婚様は言ってくださいましたけれど……本当なのかしら?
微笑んでいたように見えましたけれど、きっと私のわがままを叶える為にしてくれたこと。
本当は、どう……思っていらっしゃるのでしょう。
気を遣ってくれているだけなのかもとか、許嫁だからそうしてくださっているのかも……と一人、あれこれ勝手に不安になっております。
あの時(メルヘンランドに行く時)は、とても幸せで温かい気持ちだったのに。
何でしようか。今は、ひんやりとした気持ちのような……何とも表し難いですわ。
「どうした、桜」
「ひゃいっ!」
「何だか、浮かない表情をしているぞ」
「えっ……あ、いえ何でもありません」
「そうか……?」
「はい。許婚様が居ながら、申し訳ありません」
「いや、俺は別に……何か悩み事か?話なら、いつでも聞くから」
「えぇ……」
許婚様のことで悩んでいるのに、許婚様に言うなんて……よほど神経が図太い人間か、鈍感な人間にしか出来ないことですわ。
直接聞いた方が早い上に、スッキリすることは分かりきっております。
しかし、そんな質問を堂々と出来るほど許嫁を伊達にやっておりませんわ。
「あの……」
「ん?どうした、桜」
「あのっ!お昼、お弁当……ですか」
「あぁ、今日は弁当だが」
「ならば、お昼に……その、どこかの空き教室で……お話したいのですが」
「あぁ、構わない。なんなら、生徒会室にでもしよう。適当に言って借りてくる」
「ありがとうございます!」
「あぁ、気にするな。じゃあ、また後でな」
「はい……!」
私のお願いに嫌な顔を一つもせずに、パッと決めてくださいましたわ!
これは嫌われていない、ということなのかしら。
でも、悩み事というか……お話があったから、そうしてくださっただけですし。
それだけで決めるのは、まだ早い……
ハッ!もしや私ったら、知らぬ間に自惚れていたのかしら……?
だとしたら、かなり恥ずかしいことですわ。
はぁ……!私なんて、そんな美人でも可愛いわけでも、ずば抜けて頭が良いわけでもない。
それなのに、この学校の生徒さんたちは今日も今日とて、私に素敵な言葉を落としていく───
小声という、素敵な声で。
とても嬉しいし、有難いことだけれどそれに甘えていてはいけないわ。
もっと自分に厳しく、更に謙虚でいなくては。
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