許婚様は私がお好きらしい。

はるの美羽都

文字の大きさ
33 / 46

やはり、冬はお餅が美味しい季節です

しおりを挟む


「ん~!相変わらず、美味ですわぁ……♪」
「おかわり、まだありますよ」
「食べたいです!」
「じゃあ、よそいましょうか?」
「えぇ!」
「太るわよ、餅なんて」
「良いんです!私が悪いのではありませんから」
「は?」
「この世に、美味しい食べ物が存在しているから駄目なのです!美味しい食べ物を目にしてしまえば人間は誰しも皆、手に取り食べてしまいます」
「だから、それは我慢すれば良いだけの話でしょ?」
「いいえ!我慢は体に毒です!我慢すればするほど食べたい食べたい!と強く思ってしまい、それがストレスになり最終的には、我慢しきれず余計に食べてしまいますから」
「まぁ……確かに、それは一理あるわね」
「だから、私は太ろうが痩せようが食べたい物を適度に食べるのです!」
「でも、それは“食べ過ぎ”になるんじゃなくて?」
「はぅっ!」
仲良くしてくださっているクラスメイトの花巻  心春こはるさんの作る、お汁粉の……絶妙な甘さ加減で4杯は食べてしまいました。
「お餅も10個は、余裕で食べてるはずよ」
「いや!でも、お餅は小さいものでしたし……」
「塵も積もれば山となる、よ?」
「あ゛あ゛あ゛~~!!」
「でも毎日、食べていたら流石に太りますけれど、今日ぐらいなら大丈夫だと思いますよ?」
「ですわよね!なら、最後にもう1杯!」
「はーい、今よそいますね」
「いいの?」
「えっ?」
「アンタの旦那さんに怒られない?」
「旦那さん……?」
「篠目よ」
「やだ、もう!まだ旦那様ではありませんわ」
でしょ?なるのは確定じゃない」
「ま、まぁ……そうですけれど」
「何も言われないの?」
「えぇ!ちゃんと連絡してありますし、女子だけですから」
「愛されてんのか、束縛されてんのか……」
「?」
「アンタはどっちに転んでも、幸せそうだね」
「何だか、よく分かりませんが……えぇ!幸せですわ」
「なら、良かったわね」
「麗華さんは、その……」
「ん?何よ」
巧幡たくまくんのことが、好きなんですよね?」
「なっ……!?」
そんなことないわよ!頭おかしいんじゃないの!?と怒っていましたが、私は知っているのです。
群青ぐんじょう  巧幡たくまくんは許婚様と私と麗華さんと同じく、幼稚園の頃からの幼馴染みの一人ですわ。
とても明るくて優しい、クラスの人気者的存在なのです!
許婚様とは親友といえるぐらい、親しい間柄です。
私と許婚様は小学校と中学校が別々だったのですが、麗華さんと巧幡くんは幼稚園からの腐れ縁。
そして再び4人全員が揃ったのは今通っている、この高校なのです。
私が麗華さんが巧幡くんを好きだと気付いたのは、麗華さんが巧幡くんに対する態度とクラスメイトの男子に対する態度が明らかに違うのです!
それなのに、麗華さんは意地でも認めようとしませんの。
何故!!!




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です

くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」 身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。 期間は卒業まで。 彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない

百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。 幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。 ※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー

小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。 でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。 もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……? 表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。 全年齢作品です。 ベリーズカフェ公開日 2022/09/21 アルファポリス公開日 2025/06/19 作品の無断転載はご遠慮ください。

処理中です...