許婚様は私がお好きらしい。

はるの美羽都

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報告会と作戦実行

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 バレンタインデーまで、残り1週間。
許婚様にご報告してから、どのような作戦で双方に両想いだと知ってもらおうか、という会議がLINE上で行われました。
「俺から、それとなく伝えようか……?」
「私も麗華さんに伝えておきますわ!」
「どういう言い方が一番、良いんだろうか……」
「うーん、どうしましょう……」
私は許婚様に、こう提案しました。
「私が巧幡くんに伝えて、怜さんが麗華さんに伝えたら、どうでしょう?」
「は……!?」
私が麗華さん、許婚様が巧幡くんだと冗談だと思われる可能性が高い……それなら私が巧幡くん、許婚様が麗華さんなら流石に冗談だとは思わないだろう……という考えですわ!
すると、許婚様は「そうか、そういう方法もアリだな」と言ってくださいました。

    そして、翌日の放課後―――
私は巧幡くんを、許婚様は麗華さんを呼び出して人気のないところで作戦を実行いたしました。
「話って、何?どうしたの」
「あっ、あの……」
どうしましょう!とてもドキドキして、緊張しますわ……!
何だか、告白でもするかのような。
「何かあった?」
「えっ」
「いや、怜じゃなくて綺羅ちゃんだから、きっと何かあったのかなーって」
くっ、鋭いですわね……
「あの、巧幡くんって好きな人とか……いらっしゃいますの?」
「俺?なんで、そんなこと聞くの」
「その、私の友達が巧幡くんのことが気になっているようなので……彼女さんとか好きな人とか、いらっしゃらないのかなーと思って」
「ふーん、そうなんだ」
「えぇ……せめて、好きな人が居るかどうか……教えていただけませんか?」
「彼女居ないこと前提なんだ」
「ハッ!申し訳ありませんわ!」
私としたことが、なんて失礼な!
「ははは、いいよ。彼女居ないし」
「そ、そうですか……」
何だか巧幡くんが怖く見えるのは、気のせいでしょうか……
「そうだねぇ……好きな人か」
「いらっしゃいませんの……?」
「怜のヤツめ、言いふらしたのか」
「い、いえ!し、知りませんわ!き、聞いてなど……!」
「ははは、動揺し過ぎー」
「はぅっ!」
「ま。言いふらす相手が綺羅ちゃんなら、別に問題ないんだけどね」
「そ、そうなのですか?」
「うん。綺羅ちゃんには、バレてもいいかな」
「それなら、安心いたしました」
一瞬、生きた心地がしませんでしたけれどね!?
「怜から聞いてると思うけど、そうだよ。俺が好きなのは、麗華だよ」
「……!」
まぁ、なんて素敵なお顔(表情)なのでしょうか。
このように素敵な微笑みの中で、名前を呼ばれる麗華さん。さぞ、幸せでしょうね……
「そうなのですか!?これは、とても良いことを聞きましたわ!」
「そう?」
「えぇ!だって、麗華さんも巧幡くんのことが好きなんですもの!」
「は……?」
「事実です」
「えっ、マジ?」
「えぇ。本気と書いて、マジと読む。あの、マジですわ」
そういうと、巧幡くんは
「はぁ……マジ、焦った~」
と、しゃがみ込み「うわ……マジ、かっこ悪ぃな……俺」と顔を赤らめて、顔を手で覆いながら言いました。
「あら、可愛らしいですこと」
「何それ。綺羅ちゃん、俺で遊んでる?」
「いいえ、滅相もございません!」
「本当にー?」
「えぇ!勿論です」
「ならいいけどさ……麗華も俺のこと好きって、どゆこと?」
「あの……麗華さんは、照れ隠しでツンデレなんだそうです」
「照れ隠し……?」
「えぇ」
麗華さんから聞いた話を、巧幡くんに話すと
「マジかよ……」
とだけ言って、余韻に浸っておられました。
「そういうことなので、バレンタインデー当日は是非とも、麗華さんのチョコレートを受け取ってくださいな!」



 ************



「珍しいわね、篠目から話があるなんて」
「あぁ、いきなりで申し訳ないな」
「手短にしてくださると有難いわね」
「あぁ、では手短に伝えよう」
「えぇ」
「巧幡は藤山、お前が好きだ。以上」
「えっ、ちょっ!?な、待ちなさいよ!!!」
「何だ?」
「何だ、じゃないわよ!どういうことよ!?」
「どういうこと?と聞かれてもだな……手短にしろと言ったのは、お前だろう」
「それはそうだけど、そのことに関してたった一言で終わらせるのは、どうなのよ!?」
「どっちなんだ!手短なのか、手長?なのか!」
「手長で頼むわよ!」
「了解した。では……」
今、この状況で俺は俺の任務を遂行すいこうするのみだ。
藤山に巧幡の話と、桜から聞いた話をした。
すると、藤山は
「う、そ、でしょ……?た、巧幡があたしのこと……」
「嘘ではない、本当のことだ。桜も今頃、巧幡に俺がしたような話をしているはずだ」
「は……!?」
「両想いで良かったな!では、バレンタインデー当日は手作りチョコレートを持参するように!」
では!と言って、俺はこの場を離れた。
一刻も早く、この場を離れて落ち着きたかったのだ。
いくら生徒会長でも、苦手とすることもある。
心の内は緊張し過ぎて、穏やかではないのだ。
別に好きな人に告白するわけでもないのに、変に手に汗握って心臓が、ドキドキバクバクする……
こういうものは、非常に苦手だ。
でもとりあえず、伝えるべきことは伝えたので無事に任務完了だ!
これで、良い方向に進めばよいのだが……




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