1 / 1
妖精珠の約束
しおりを挟む
序章:はじまり
この物語は、龍珠村という静かな村の神社から聞こえてきた強い風の大きな音。
そして、神社がキラキラと光ったことから始まる。
7月。梅雨が終わり初夏のある日の夜、何処からともなく強い風が村全体に吹き付ける。
夜中。ピタッ、と風が止み、突然、神社が光出した。
金色に輝く細長い大きな雲のようなふわふわしたものが天に向かって登っていったかと思うと村は何事もないまま、静寂を取り戻していった。
妖精珠の約束
第1章:夏休み。祖母の家へ
10歳の夏休み、主人公・茉莉まりと弟、祐樹ゆうきは、父の晃祐こうすけと母の小百合さゆりと一緒に、南の村の山里に住む祖母の家へ行き、夏休みを1週間過ごす。そこで、不思議な体験をすることになる。
私は、茉莉まり、10歳小学4年生。お父さん、お母さん、小学3年生の弟、祐樹ゆうきと4人家族。
明日は、久しぶりにお婆ちゃんの家へ行くので、私も祐樹もワクワクして目が冴えていたけども、いつのまにか、ぐっすりと眠っていたようだ。母の声で目が覚めた。
隣の祐樹の部屋からも声が聞こえてきた。
「茉莉。祐樹。起きてぇ。ごはんよぉ。」と、お母さんの呼ぶ声が聞こえる。
「ふぁーい。お父さん、お母さん。今行くぅ。」と、ちょっと寝ぼけ声で私が答える。
着替えをして、ダイニングへ降りていく。
いつもの朝食。家族で食卓を囲んで、サラダに鮭おにぎりとお味噌汁。
「いただきま~す」「ずずずーっ、しゃきしゃき、ぱくっ、ぱりっ、もぐもぐ」
「おいしいぃー」
「ごちそうさまでしたぁ~」
歯磨きして出かける準備、お婆ちゃん家へ行く時間。
「茉莉。祐樹。支度できてるんでしょー。行くわよー。」と、お母さんが呼んでる。
駅までの道中リュックやスーツケースを持ちながら、去年のお婆ちゃん家での出来事などのおしゃべりをしていると駅に着いた。
電車に乗って、新幹線に乗り換え、新幹線から富士山を眺めながらおしゃべりしている。それから、ローカル線に乗り換え、電車に揺られながら、田園風景を車窓から眺める。さらにバスに乗っていざ山里のお婆ちゃん家へ。 バス停に着きお婆ちゃんの家まで歩いて行くとお婆ちゃんの家が見えてきた。
第2章:お祭りの前日 不思議な夢
やっと目的地、お婆ちゃんの家に着いた。家の方を見ると、お爺ちゃんとお婆ちゃんが、縁側でおしゃべりしているのが見えた。
私と祐樹が、駆け寄って「お婆ちゃーん、お爺ちゃーん、こんにちは~。また来たよー。」
「茉莉ちゃん、祐樹くん、みんなー、よく来たねぇ。さあ、上がって、上がって。」
「お茶の用意するからねぇ。スイカも切ろうかね。」とお婆ちゃんが言う。
「わーい。スイカ~、スイカ~。」私と祐樹が小躍りしている。スイカをみんなで食べながらおしゃべりして、私も祐樹も夏休みの宿題をしていたら、もう、夕食の時間になった。
私と弟は、お母さんとお婆ちゃんの夕食のお手伝いをする。お爺ちゃんとお父さんは、まだおしゃべりしている。
「爺さんや、お風呂、沸いたから、お風呂に入ってきてくれないかいねぇ。」
「あぁ。婆さんや、ちょうどいい時間だなぁ。入りますかねぇ。」と、お爺ちゃんが言う。
「晃祐こうすけさん、お爺さんがお風呂上がったら、祐樹くんと一緒に入ってもらえるかねぇ。」とお婆ちゃんが言う。
「はい、お言葉に甘えて...。」とお父さんが、「祐樹、お婆さまも、ああ、仰っているから、お爺さまが、お風呂から上がったら行こうね。祐樹も支度して。」と言う。
「はーい、僕も行く用意するねぇ。」と祐樹が言いながら、部屋へ行って、寝巻きとタオルを用意する。
「はいはい、祐樹、行ってらっしゃいね。」と、お母さんが言う。
「小百合さゆりも茉莉と一緒に、晃祐さんの後にお風呂に行ってらっしゃい。夕飯の支度は大体できたからねぇ。」と、お婆ちゃんが言う。
お爺ちゃんは、とても機嫌が良くて、お風呂場で鼻歌を歌っている。
お爺ちゃんが、お風呂から上がって、浴衣を着て台所へやってきた。
「いいお湯だったねぇ~。晃祐くん、祐樹くん、お風呂どうぞ。」と、お爺ちゃんが言う。
「はい、ありがとうございます。お風呂いただきます。ほら、祐樹、行くよ。」とお父さんが言うと、「はーい」と、祐樹が答えて、お父さんとお風呂に行く。
お爺ちゃんが食卓に着くと新聞を読み始め、しばらくすると、お父さんと祐樹が、お風呂から上がって、「いいお湯でした。」とお父さんが言いながら、寝巻きに着替えた状態で、テーブルに着くと、祐樹も真似して、「いいお湯でしたぁ~」と言う。
お婆ちゃんがお酒の肴の料理を2品ぐらいテーブルに置くと同時に、お母さんも、お爺ちゃんとお父さんに瓶のビールとグラスを持ってきてテーブルに置く。
「小百合、茉莉ちゃん、お風呂行っておいでぇー。」
「はい、お母さん、お風呂いただきます。茉莉、支度して。」
「はい!お母さん。」と、私も言いながら、部屋から寝巻きとタオルを持って、お風呂場へ向かう。
お婆ちゃんが、夕食の料理を作り終わった頃、私たちは、お風呂から上がってきた。
「お母さん、お先にお風呂いただきました。いいお湯でした。」お母さんが言うと同時に、私も言う。
「お婆ちゃん、お先にお風呂いただきました。いいお湯でしたぁ。」
「それじゃあ、私もお風呂行ってこようかね。」お婆ちゃんも、お風呂へ入りに行く。
私たちもお皿やお箸、コップ、おしぼりなどをテーブルに用意した。
しばらくして、お婆ちゃんが、浴衣に着替えて、「お待たせしたねぇ。」と言って、テーブルに着く。
お婆ちゃんのお料理は、いつもたくさんの品数がある。
サラダに煮物、焼き魚、お漬物に、みそ汁とご飯も器に持って、みんなで夕食。
「いただきまーす!」大合唱。
「たんとお食べぇ。」とお婆ちゃんが言う。
「ぱくっ。もぐ、もぐ、もぐ、しゃきしゃき、ずずずーっ...。おいし~いぃぃ。」
「お婆ちゃんの料理、本当にいつもおいしいねぇ。」と私が言うと、
「うん、そうだね。」とみんなが言う。
「ごちそうさまー。」みんなでごちそうさまを、また大合唱。
居間でテレビを見たり、おしゃべりしたりしている。
田舎の夜は、真っ暗で静か。夜空もとっても綺麗で、縁側に出て星空を眺める。
夜寝る時間になって、お父さんが蚊帳を釣ってくれて、布団に入って寝る。
私は、木々のざわめきや風の音に耳を傾けながら眠りについた。
夢の中で、金色に輝く人影ようなものがいることに気づき、恐る恐る近づくと、少年が立っていたが、気づかれてしまい、パッと消えてしまった。
私は、朝日で目が覚め、「あぁ、はっ!夢かぁ。」と言い、なんだか不思議な気持ちになった。
第3章:祭りの当日 少年との出会い
次の日になり、村が賑やかだ。そういえば、この時期、毎年村の神社のお祭りがあったことを思い出した。
朝ごはんを食べながらおしゃべりする。
「お婆ちゃーん、今年も龍神祭に参加するんだったねー。」と私が言うと、お婆ちゃんが、私に聞いてきた。
「茉莉ちゃんも、一緒に行くかい?」
「うん!」と私は言う。
すると、側にいた祐樹も「僕も行くー!」と言う。
「じゃあ、みんなでお祭りに行こうねー。お爺さんとお父さんは、お神輿を担ぐみたいだから。」と、お婆ちゃんが言う。
「お爺ちゃんもお父さんも、お神輿担ぐの好きだからねー。」と私が言うと、お婆ちゃんが、「そうだねぇ。」と言う。
おしゃべりに夢中になっていると、神社の方で太鼓の音が響いてきて、さらに賑やかになった。
「ごちそうさまー。」
朝ごはんを終えると、お爺ちゃんとお父さんは、「神社の方へ行ってくるねー。」と、言って神社へ出かけて行った。
私たちは、朝ごはんの片付けを終えて、夏休みの宿題をする。
それが終わったら、みんなでお祭りの手伝いに神社へ行く。
お爺ちゃんとお父さんは、汗をかきながらお神輿を磨いたり、神社の飾り付けをしたり、出店のお手伝いをしている。
「お爺ちゃん!、お父さん!手伝いにきたよ~。」と私が言うと、2人が振り返ってにっこり笑う。
「みんな来たねえ。」とお爺ちゃんが言う。
「婆さん、小百合、甘酒の手伝いをしてくれんかのお。」とお爺ちゃんが言うと、
「はいはい。」とお婆ちゃんとお母さんが手伝い始めた。
ボランティアのみんなもテキパキと働いてお祭りの準備をしている。
「トントコ、トントコトン」と、太鼓の音も鳴り始めている。
村の若者や子供たちが太鼓演舞の披露のために舞台でリハーサルをしている。
「トントコトン、トトン、トコトン、トントントン」
(かっこいいなー!)とお祭りの準備をしながら見惚れてしまった。私も祐樹も一緒に、自分たちができる手伝いをした。
お昼になり、昼食の時間。神社の境内で、ボランティアさんたちや巫女さん、宮司さん、神主さんは、お祭りの準備の手を止め、みんなとおしゃべりしながらお昼ご飯を食べた。
お昼ご飯の後またお祭りの準備をする。
私たちは、お婆ちゃんとお母さんのそばで手伝っていると、近所の子供たちも一緒に、嬉しそうにお祭りの準備を手伝っている。その神社は、「龍神さま」を祀る古い神社で、毎年八月初めに開かれる龍神祭なので、村人みんなで祭りをするんだそうです。祭りの準備もあと少し、もうすぐ準備が終わる。陽が傾いてきて夕陽がとても綺麗。もうすぐ龍神祭が始まる。
暗くなってきて、太鼓の音が少しずつ大きくなってきた。
龍神祭の開始の合図がなる。祭りが始まった。
祭りの夜、茉莉は、神社で不思議な光に導かれ、境内裏手の小さな湖のほとりで金色に輝く美しい少年と出会う。
茉莉は、「はっ、」と驚き、昨日の夢を思い出した。
彼が近づいてきて、「やっと会えたね!私の名は、水湊みなと。」と茉莉に言う。
どうやら、彼は龍神の力を宿す妖精のようで、人の世界に姿を現すことは滅多にないという。
なのに、彼はなぜか現れたのだ。そして彼と目が合った瞬間に、光が消え彼の姿も見えなくなった。
そのまま祭りは続き、お爺ちゃんとお父さん、村の大人たちがお神輿を担いで村を回り、午後10:00ごろにお神輿は、神社へ帰ってきた。そして、みんなで、神社にお神輿を奉納した。
第4章:祭りが終わり少年と過ごす夜
お祭りが終わり、村人たちは家路へ急ぐ。私たちもお婆ちゃん家へ帰って、それから、蚊帳を釣って、寝る支度をして眠りについた。だが、茉莉だけは、目が冴えて眠れなかった。
それは、湖で見た金色に光る少年、水湊が気になったからだ。
水湊も、茉莉のことが気になり、その夜、茉莉に会いに、茉莉のいる家へと向かった。茉莉はというと、眠れず縁側に座って、星空を見上げていた。
茉莉は、金色に輝く人影が近づいてくるのにきづき、湖で見た少年、水湊だと感じ、一瞬驚いたが、にっこり微笑んで、水湊に来て座るように手招きした。
縁側で、星空を見上げて、他愛のない話した。次第に茉莉は、眠気を感じ、ウトウトとし始めた。
いつのまにか眠っていたのか、布団に包まり朝を迎えていた。
祭りのあとから、ふたりは、茉莉が村にいる夏休みの間、みんなが寝静まった頃、縁側で会うようになり、月灯の下で、いろいろな話をするようになった。神社に行くこともあって、そこで一緒に遊びながら、心を通わせていく。
しかし夏休みの終わりとともに、茉莉は町へ帰らなければならない。
ふたりは自然と打ち解け、そして心を惹かれていった。
終章:別れの約束
だが、夏は終わりを告げようとしていた――
別れの夜、水湊は、ひと雫の涙を流すと、キラキラと光る青緑色の“妖精珠”を茉莉へキラキラ光る珠を差し出して言う。
「……これ、あげる」
水湊が差し出したのは、淡く光る小さな珠。手のひらに乗るほどの小ささで、まるで月明かりを閉じ込めたような美しさだった。
「これは、“妖精珠”って言ってね。僕の力が込められてる。大事に持ってて。……きっと、これがあれば、いつかまた会えるから...。」と、水湊が優しく微笑み、茉莉の掌に光る珠を乗せる。
そして、ふたりは見つめ合う。
「ほんとに……? また会える? 約束だよ!」と、茉莉が、別れる寂しさで涙を滲ませ、「大事にするね!」と言った。
「またいつか...。」と言って、ふたりは指切りをして、そっと手を重ねた。
そして、茉莉は、家族とお婆ちゃん家を後にして、街へと帰っていった。
―― その珠を胸に抱いて。
――それから10年。
20歳になった茉莉は、大学の夏休みに、再び祖母の家を訪れる。懐かしい神社、変わらぬ自然、そして大切に持ち続けてきた妖精珠。
その珠が、満月の夜、ふたたび光を放ち始めた。
この物語は、龍珠村という静かな村の神社から聞こえてきた強い風の大きな音。
そして、神社がキラキラと光ったことから始まる。
7月。梅雨が終わり初夏のある日の夜、何処からともなく強い風が村全体に吹き付ける。
夜中。ピタッ、と風が止み、突然、神社が光出した。
金色に輝く細長い大きな雲のようなふわふわしたものが天に向かって登っていったかと思うと村は何事もないまま、静寂を取り戻していった。
妖精珠の約束
第1章:夏休み。祖母の家へ
10歳の夏休み、主人公・茉莉まりと弟、祐樹ゆうきは、父の晃祐こうすけと母の小百合さゆりと一緒に、南の村の山里に住む祖母の家へ行き、夏休みを1週間過ごす。そこで、不思議な体験をすることになる。
私は、茉莉まり、10歳小学4年生。お父さん、お母さん、小学3年生の弟、祐樹ゆうきと4人家族。
明日は、久しぶりにお婆ちゃんの家へ行くので、私も祐樹もワクワクして目が冴えていたけども、いつのまにか、ぐっすりと眠っていたようだ。母の声で目が覚めた。
隣の祐樹の部屋からも声が聞こえてきた。
「茉莉。祐樹。起きてぇ。ごはんよぉ。」と、お母さんの呼ぶ声が聞こえる。
「ふぁーい。お父さん、お母さん。今行くぅ。」と、ちょっと寝ぼけ声で私が答える。
着替えをして、ダイニングへ降りていく。
いつもの朝食。家族で食卓を囲んで、サラダに鮭おにぎりとお味噌汁。
「いただきま~す」「ずずずーっ、しゃきしゃき、ぱくっ、ぱりっ、もぐもぐ」
「おいしいぃー」
「ごちそうさまでしたぁ~」
歯磨きして出かける準備、お婆ちゃん家へ行く時間。
「茉莉。祐樹。支度できてるんでしょー。行くわよー。」と、お母さんが呼んでる。
駅までの道中リュックやスーツケースを持ちながら、去年のお婆ちゃん家での出来事などのおしゃべりをしていると駅に着いた。
電車に乗って、新幹線に乗り換え、新幹線から富士山を眺めながらおしゃべりしている。それから、ローカル線に乗り換え、電車に揺られながら、田園風景を車窓から眺める。さらにバスに乗っていざ山里のお婆ちゃん家へ。 バス停に着きお婆ちゃんの家まで歩いて行くとお婆ちゃんの家が見えてきた。
第2章:お祭りの前日 不思議な夢
やっと目的地、お婆ちゃんの家に着いた。家の方を見ると、お爺ちゃんとお婆ちゃんが、縁側でおしゃべりしているのが見えた。
私と祐樹が、駆け寄って「お婆ちゃーん、お爺ちゃーん、こんにちは~。また来たよー。」
「茉莉ちゃん、祐樹くん、みんなー、よく来たねぇ。さあ、上がって、上がって。」
「お茶の用意するからねぇ。スイカも切ろうかね。」とお婆ちゃんが言う。
「わーい。スイカ~、スイカ~。」私と祐樹が小躍りしている。スイカをみんなで食べながらおしゃべりして、私も祐樹も夏休みの宿題をしていたら、もう、夕食の時間になった。
私と弟は、お母さんとお婆ちゃんの夕食のお手伝いをする。お爺ちゃんとお父さんは、まだおしゃべりしている。
「爺さんや、お風呂、沸いたから、お風呂に入ってきてくれないかいねぇ。」
「あぁ。婆さんや、ちょうどいい時間だなぁ。入りますかねぇ。」と、お爺ちゃんが言う。
「晃祐こうすけさん、お爺さんがお風呂上がったら、祐樹くんと一緒に入ってもらえるかねぇ。」とお婆ちゃんが言う。
「はい、お言葉に甘えて...。」とお父さんが、「祐樹、お婆さまも、ああ、仰っているから、お爺さまが、お風呂から上がったら行こうね。祐樹も支度して。」と言う。
「はーい、僕も行く用意するねぇ。」と祐樹が言いながら、部屋へ行って、寝巻きとタオルを用意する。
「はいはい、祐樹、行ってらっしゃいね。」と、お母さんが言う。
「小百合さゆりも茉莉と一緒に、晃祐さんの後にお風呂に行ってらっしゃい。夕飯の支度は大体できたからねぇ。」と、お婆ちゃんが言う。
お爺ちゃんは、とても機嫌が良くて、お風呂場で鼻歌を歌っている。
お爺ちゃんが、お風呂から上がって、浴衣を着て台所へやってきた。
「いいお湯だったねぇ~。晃祐くん、祐樹くん、お風呂どうぞ。」と、お爺ちゃんが言う。
「はい、ありがとうございます。お風呂いただきます。ほら、祐樹、行くよ。」とお父さんが言うと、「はーい」と、祐樹が答えて、お父さんとお風呂に行く。
お爺ちゃんが食卓に着くと新聞を読み始め、しばらくすると、お父さんと祐樹が、お風呂から上がって、「いいお湯でした。」とお父さんが言いながら、寝巻きに着替えた状態で、テーブルに着くと、祐樹も真似して、「いいお湯でしたぁ~」と言う。
お婆ちゃんがお酒の肴の料理を2品ぐらいテーブルに置くと同時に、お母さんも、お爺ちゃんとお父さんに瓶のビールとグラスを持ってきてテーブルに置く。
「小百合、茉莉ちゃん、お風呂行っておいでぇー。」
「はい、お母さん、お風呂いただきます。茉莉、支度して。」
「はい!お母さん。」と、私も言いながら、部屋から寝巻きとタオルを持って、お風呂場へ向かう。
お婆ちゃんが、夕食の料理を作り終わった頃、私たちは、お風呂から上がってきた。
「お母さん、お先にお風呂いただきました。いいお湯でした。」お母さんが言うと同時に、私も言う。
「お婆ちゃん、お先にお風呂いただきました。いいお湯でしたぁ。」
「それじゃあ、私もお風呂行ってこようかね。」お婆ちゃんも、お風呂へ入りに行く。
私たちもお皿やお箸、コップ、おしぼりなどをテーブルに用意した。
しばらくして、お婆ちゃんが、浴衣に着替えて、「お待たせしたねぇ。」と言って、テーブルに着く。
お婆ちゃんのお料理は、いつもたくさんの品数がある。
サラダに煮物、焼き魚、お漬物に、みそ汁とご飯も器に持って、みんなで夕食。
「いただきまーす!」大合唱。
「たんとお食べぇ。」とお婆ちゃんが言う。
「ぱくっ。もぐ、もぐ、もぐ、しゃきしゃき、ずずずーっ...。おいし~いぃぃ。」
「お婆ちゃんの料理、本当にいつもおいしいねぇ。」と私が言うと、
「うん、そうだね。」とみんなが言う。
「ごちそうさまー。」みんなでごちそうさまを、また大合唱。
居間でテレビを見たり、おしゃべりしたりしている。
田舎の夜は、真っ暗で静か。夜空もとっても綺麗で、縁側に出て星空を眺める。
夜寝る時間になって、お父さんが蚊帳を釣ってくれて、布団に入って寝る。
私は、木々のざわめきや風の音に耳を傾けながら眠りについた。
夢の中で、金色に輝く人影ようなものがいることに気づき、恐る恐る近づくと、少年が立っていたが、気づかれてしまい、パッと消えてしまった。
私は、朝日で目が覚め、「あぁ、はっ!夢かぁ。」と言い、なんだか不思議な気持ちになった。
第3章:祭りの当日 少年との出会い
次の日になり、村が賑やかだ。そういえば、この時期、毎年村の神社のお祭りがあったことを思い出した。
朝ごはんを食べながらおしゃべりする。
「お婆ちゃーん、今年も龍神祭に参加するんだったねー。」と私が言うと、お婆ちゃんが、私に聞いてきた。
「茉莉ちゃんも、一緒に行くかい?」
「うん!」と私は言う。
すると、側にいた祐樹も「僕も行くー!」と言う。
「じゃあ、みんなでお祭りに行こうねー。お爺さんとお父さんは、お神輿を担ぐみたいだから。」と、お婆ちゃんが言う。
「お爺ちゃんもお父さんも、お神輿担ぐの好きだからねー。」と私が言うと、お婆ちゃんが、「そうだねぇ。」と言う。
おしゃべりに夢中になっていると、神社の方で太鼓の音が響いてきて、さらに賑やかになった。
「ごちそうさまー。」
朝ごはんを終えると、お爺ちゃんとお父さんは、「神社の方へ行ってくるねー。」と、言って神社へ出かけて行った。
私たちは、朝ごはんの片付けを終えて、夏休みの宿題をする。
それが終わったら、みんなでお祭りの手伝いに神社へ行く。
お爺ちゃんとお父さんは、汗をかきながらお神輿を磨いたり、神社の飾り付けをしたり、出店のお手伝いをしている。
「お爺ちゃん!、お父さん!手伝いにきたよ~。」と私が言うと、2人が振り返ってにっこり笑う。
「みんな来たねえ。」とお爺ちゃんが言う。
「婆さん、小百合、甘酒の手伝いをしてくれんかのお。」とお爺ちゃんが言うと、
「はいはい。」とお婆ちゃんとお母さんが手伝い始めた。
ボランティアのみんなもテキパキと働いてお祭りの準備をしている。
「トントコ、トントコトン」と、太鼓の音も鳴り始めている。
村の若者や子供たちが太鼓演舞の披露のために舞台でリハーサルをしている。
「トントコトン、トトン、トコトン、トントントン」
(かっこいいなー!)とお祭りの準備をしながら見惚れてしまった。私も祐樹も一緒に、自分たちができる手伝いをした。
お昼になり、昼食の時間。神社の境内で、ボランティアさんたちや巫女さん、宮司さん、神主さんは、お祭りの準備の手を止め、みんなとおしゃべりしながらお昼ご飯を食べた。
お昼ご飯の後またお祭りの準備をする。
私たちは、お婆ちゃんとお母さんのそばで手伝っていると、近所の子供たちも一緒に、嬉しそうにお祭りの準備を手伝っている。その神社は、「龍神さま」を祀る古い神社で、毎年八月初めに開かれる龍神祭なので、村人みんなで祭りをするんだそうです。祭りの準備もあと少し、もうすぐ準備が終わる。陽が傾いてきて夕陽がとても綺麗。もうすぐ龍神祭が始まる。
暗くなってきて、太鼓の音が少しずつ大きくなってきた。
龍神祭の開始の合図がなる。祭りが始まった。
祭りの夜、茉莉は、神社で不思議な光に導かれ、境内裏手の小さな湖のほとりで金色に輝く美しい少年と出会う。
茉莉は、「はっ、」と驚き、昨日の夢を思い出した。
彼が近づいてきて、「やっと会えたね!私の名は、水湊みなと。」と茉莉に言う。
どうやら、彼は龍神の力を宿す妖精のようで、人の世界に姿を現すことは滅多にないという。
なのに、彼はなぜか現れたのだ。そして彼と目が合った瞬間に、光が消え彼の姿も見えなくなった。
そのまま祭りは続き、お爺ちゃんとお父さん、村の大人たちがお神輿を担いで村を回り、午後10:00ごろにお神輿は、神社へ帰ってきた。そして、みんなで、神社にお神輿を奉納した。
第4章:祭りが終わり少年と過ごす夜
お祭りが終わり、村人たちは家路へ急ぐ。私たちもお婆ちゃん家へ帰って、それから、蚊帳を釣って、寝る支度をして眠りについた。だが、茉莉だけは、目が冴えて眠れなかった。
それは、湖で見た金色に光る少年、水湊が気になったからだ。
水湊も、茉莉のことが気になり、その夜、茉莉に会いに、茉莉のいる家へと向かった。茉莉はというと、眠れず縁側に座って、星空を見上げていた。
茉莉は、金色に輝く人影が近づいてくるのにきづき、湖で見た少年、水湊だと感じ、一瞬驚いたが、にっこり微笑んで、水湊に来て座るように手招きした。
縁側で、星空を見上げて、他愛のない話した。次第に茉莉は、眠気を感じ、ウトウトとし始めた。
いつのまにか眠っていたのか、布団に包まり朝を迎えていた。
祭りのあとから、ふたりは、茉莉が村にいる夏休みの間、みんなが寝静まった頃、縁側で会うようになり、月灯の下で、いろいろな話をするようになった。神社に行くこともあって、そこで一緒に遊びながら、心を通わせていく。
しかし夏休みの終わりとともに、茉莉は町へ帰らなければならない。
ふたりは自然と打ち解け、そして心を惹かれていった。
終章:別れの約束
だが、夏は終わりを告げようとしていた――
別れの夜、水湊は、ひと雫の涙を流すと、キラキラと光る青緑色の“妖精珠”を茉莉へキラキラ光る珠を差し出して言う。
「……これ、あげる」
水湊が差し出したのは、淡く光る小さな珠。手のひらに乗るほどの小ささで、まるで月明かりを閉じ込めたような美しさだった。
「これは、“妖精珠”って言ってね。僕の力が込められてる。大事に持ってて。……きっと、これがあれば、いつかまた会えるから...。」と、水湊が優しく微笑み、茉莉の掌に光る珠を乗せる。
そして、ふたりは見つめ合う。
「ほんとに……? また会える? 約束だよ!」と、茉莉が、別れる寂しさで涙を滲ませ、「大事にするね!」と言った。
「またいつか...。」と言って、ふたりは指切りをして、そっと手を重ねた。
そして、茉莉は、家族とお婆ちゃん家を後にして、街へと帰っていった。
―― その珠を胸に抱いて。
――それから10年。
20歳になった茉莉は、大学の夏休みに、再び祖母の家を訪れる。懐かしい神社、変わらぬ自然、そして大切に持ち続けてきた妖精珠。
その珠が、満月の夜、ふたたび光を放ち始めた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
乙女ゲームは始まらない
まる
ファンタジー
きっとターゲットが王族、高位貴族なら物語ははじまらないのではないのかなと。
基本的にヒロインの子が心の中の独り言を垂れ流してるかんじで言葉使いは乱れていますのでご注意ください。
世界観もなにもふんわりふわふわですのである程度はそういうものとして軽く流しながら読んでいただければ良いなと。
ちょっとだめだなと感じたらそっと閉じてくださいませm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる