王道学園と、平凡と見せかけた非凡

壱稀

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後日談(年末の話)

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◆こちらは、pixivにて。
60話後の後日談で書いたお話です。
60話書き終えたのが年末近くて、その後に書いたのでその辺の話になってます。

後日談だけど、少しだけif。
あとがきでも紹介しましたが、「不良と非凡」の主人公が出てきてるので少しだけifです。








◆哀留が年末に自宅に帰省した。
そんなヒトコマ。








「おっかえりなさーーい!!!」



え、何この歓迎よう。

うっわ、ひくわぁぁあ…………



と、玄関のドアを開けたままの格好で、満面の笑みの歓迎を表した目の前の人物……
哀奈を見て、ガン引きした哀留です、こんにちは。






「……………………」


「…………………………」


「………?」



え、何か無言で俺の周り探りだしたんだけど??!
え、何何何、誰か居んの?!こっわ!!!!!



哀奈が周りを見てるので、俺も警戒して同じように辺りを探る。
はっ、まさか………



「哀奈!お前、ストーカーされてんのか??!」


中身そんなんでも、外見は可愛いもんな!!!



と、両肩がっしり掴んで心配すると、




「ケンカ売ってんの?」

 

と、蔑んだ視線をもらいました。ごめんなさい。



「てか、ストーカーって何?そんなの返り討ちよ!!
てか、何で1人で帰ってきてんの?それこそ私にケンカ売ってんの?」



んんんんんん???


両肩に置いた手をペイっと叩き落とされて、怒られた。


え、何で俺怒られてんの?



「お前が周り警戒してるから、ストーカーかと………てか、返り討ちすんなよ。
んで、俺の家なんだから帰ってくんの俺だけに決まってんじゃん」



お前こそ何なの?!


と、至極当たり前の事を言ったのに、
え、





「あり得ない…………」




「……………」




今度は心底呆れましたって顔されてんだけど??!!!

本当に何なの?!
俺、普通に帰ってきちゃだめだったの???!!
仮装?!仮装すべきだったの??!
何なの?!さっきから全然玄関にも入れてないし、俺もう泣きそうなんだけど??!!



「えー………もしかして、蜜埜連れてこいってーー……?」


ははぁん。
なるほど。なるほど。
帰ってくるなら、一緒に彼氏を連れてくるぐらいの気遣いを見せろってぇ?
でもあいつ、仕事まだ残ってるって明日帰省するって言ってたし。てか、まずは自分の家に帰るだろうよ。



「は?そんなの電話してるし、知ってるわよ」



ですよねーーー!!!!!!



じゃあ、何なのさ。いい加減に家に入れろよ。
ここから学園まで遠いんだよ。
察しろよ!!
疲れてんだよ!!
休ませろくださいいぃぃぃぃい!!!!!!!



玄関で最初から不機嫌の意味わかんない妹相手に、「あ、これ土下座?とりあえず土下座すればおっけー?」と、年末に何やってんだお前ぇ……と、言われそうな思考回路になった。






ら、




























「何で彼氏連れてきてないの?」











思考回路ぶっ飛んでるのは、我が妹でした。





「やだなぁー哀奈。俺、お兄ちゃんだよ?男だよ?なのに、彼氏っておかしくない?あ、そろそろ家の中に入って良い?玄関にさえ入れてないっておかしくない??ねぇ?」



あっはっはっはっはっ



と、片足をずいっと強引に玄関に入れたら。



ガッ



蹴り出されました。



あ、この子も足技とくい…………あ、



この時。哀奈の顔を、見なければ良かった…






「……はぁ?哀留がお兄ちゃんなのは良くわかってるわよ。小さい頃よく一緒にお風呂入ってたでしょ?だからこそ言ってんのよ。何の為にあの学園に行ってると思ってるの?平凡ながらもなんか抜けてる非凡のポジションで、総受けになって私に萌えを与える為でしょ?風紀委員長っていうとっっってもおいしいポジションなんだから、なんでそれをもっと上手く使わないわけ??!それに、やっとあのアンチ王道を追い出して学園が落ち着いたっていうのに、今こそその総受けうはうはになる時でしょ?!そして帰省っていう、学園から解き放たれた今!お気に入りか彼氏の1人や2人連れてこないでどうするのよ???!!!!!!




あんたこそそこんところ分かってるの??!!」







「わかりたくありません」







真顔でノンブレスで語りだした君の言葉、心底わかりたくありません。





てか、まだそんな総受けとか言ってんの?
何の為に学園に?べんきょーのためだろよ!!
風紀委員長なんて、食あたりおこすポジションだよ、まじで。
そして、学園が落ち着いた今こそ……って、今までがお祭り騒ぎジェットコースターだったんだから、今こそ落ち着かせろよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!




もうやだぁぁ…………



さめざめと、おもわず泣き出した俺に、この妹は更に追い討ちをかける。



「それに、今、何人かに迫られてるんでしょ?
水沢君と岸沼君と、皆川さんだっけ?あと何人か……あ、篠塚さんと松江さん?とも仲良いんでしょ?あと柊君もわんこみたいに懐いててくれてるんでしょ?
鬼ごっこと最近の理事長・アンチ王道を罰した件でも、他の生徒からも密かに人気出てきたって?それに、風紀の人達からは懐かれてんだって?」


そんなにモテて何やってんのよ?!信じらんないっっ!!!


と、理不尽な怒りをぶつけてくる。ヲイ、まじで止めろ。
……………………て、






「……何でお前そんなに詳しいの?」





おかしくね?



一番可能性があるのは、哀奈の密偵者である蜜埜(こいつは時折哀奈に萌え?を写真撮って送ってるって聞いた)がバラした。


いや、でも、おかしい。


篠塚さんとか松江が風紀と繋がってるのを、蜜埜が知ってるはずがない。
あいつは本当に風紀を避けてたし(皆川先輩と仲悪かったから。)、俺が風紀委員長って知ったの最近だし。
何より、鬼ごっこの事とかあいつ入院してたし…………











まさか、















「お前………まさか、











零一かぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………???!!!!!!」







あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあーーーー!!!!!!!!!!!!ぜっっったいそうだよ!!!!
密偵その2は、絶対零だよ!!!
そういえば、学生証の件で零と哀奈が接触したと思ったの俺だよ!!そのあとの、零へのなんか変な助言(王道学園の当たり前設定)を教えたのも哀奈だと確信したんだよ!!!!!




「そうなると、あれも哀奈の差し金か??!
なんか妙に零が頬触ってきておでこコッツン☆(60話)ってしてきた時、蜜埜がめっちゃ写メってたんだよ!!!!」


雰囲気的に突っ込み入れなかったけども!!



「あ、零一君に哀留へのベタつきと、蜜埜に写真言ったの私」



ですよねーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!




学園には哀奈の密偵が2人になった事への絶望。
しかも、その2人が学園1・2の権力者(理事長と生徒会長)に、「あれ?もうこれ哀奈の独壇場じゃね?つんだ?つんだこれ?」と、気づきたくないことに気づいた。



ズシャァァァと、その場に崩れ落ちる。
地面汚い?そんなの気にしない!!!!!
俺の、精神が、もう、汚されてる……!!!!!!




忘れろ俺!!!そんな事実夢に違いない!!!





零一君とのコッツン後の、岸沼君の嫉妬可愛いわよね~!柊君ももう少し自覚してくれるとおいしいことになるわよね~。
皆川さんにも贔屓されてて、生徒会に引き抜きされそうになってて?蜜埜的にも間接s…哀留が居てくれると助かるって言ってたわよ?てか、何何何何々??!水沢君にキスされたの?!!!
そこんとこkuwasiku!!!!!!!!!!




崩れ落ち、両手両足を地に付けている俺に。
きゃぁきゃぁ、と、心底楽しそうにそんな俺を攻め立てる哀奈。





えぇぇぇぇーーーー………………もう本当にやめてぇぇぇぇぇぇぇぇ…………
どこまでしってんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーー……………俺のプライバシーどこぉぉぉぉぉーーーーー…!!!!!!????????





あれ?これ壮絶なイジメ現場かな?
と、その時。





「……………何やってんの?」





哀留の後ろ………つまりは、たった今桐生家に来た人物。



「あらー!桜(おう)ちゃん!久しぶりね!いらっしゃい!」


「哀奈、久しぶり」




哀留と哀奈の幼なじみ、藍原 桜歌(アイハラ オウカ)がきょとんとした表情で、そこに居た。



そして、



「哀留何やってんの?土下座?」


哀奈の前にうずくまっている塊に声をかけると、その塊は自身の最大の瞬発力で、幼なじみにすがり付いた。



「おおおおおおぉぉぉうかぉぉぁぉぁぁぁ!!!!!!!久しぶりぃぃぃぃ助けてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」




「うっわ、きったな」



この現場を打破出来る救世主!!!!!と。
えぐえぐと、涙と鼻水を撒き散らした俺にすがり付かれ、汚いと良いながらもバッグからティッシュを取り出しその汚い顔を拭いてくれる。
桜歌は、なんとも心優しい青年である。
(え、ちょっと、痛い痛い。鼻もげる眼球潰れる!!!!!)




そして、綺麗になった(と言っても、平凡顔)の俺の背中を、木魚の如くぽんぽんぽんぽんと叩き落ち着かせる。
(え、ちょっと痛い痛い!!もっとソフトにして!!!子供を寝かしつけるようなぽんぽんにして!!!)




「で、何してんの?哀留、ここに居るってことは学園からの帰省でしょ?久々に帰ってきて、土下座?楽しいの?双子での遊び?哀奈に遊んでもらえて良かったね」



おいこら。

お前心底不思議そうに首かしげてるけどな、あの現場見てなんでそうなる。
あんな遊びあってたまるか、楽しいわけねーだろうが。




だが、そんな桜歌の斜め上の感想なんぞよりも、俺は自身の味方が増えた方が嬉しかった。

例え、鼻と眼球もぎ取られそうなほど顔を拭かれても。
埃叩き出そうとしてるのかな?と思うほど強く背中を叩かれていても。




俺は、きっと、桜歌が味方になってくれると信じていたんだ……




「聞いてくれよ!!!哀奈g「ちょっと聞いてよ桜ちゃんんんんん!!!!!!!!!!哀留がついに平凡総受けになったのよーーー!!!!!!!!!!」………あ?」



何言ってんだ我が妹よ。
桜歌は総受けなんぞ知らな、




「え、まじで??!!!!ついに??!!あの王道の??!」




え。







俺はこの時知らなかった。




この俺と同じ平凡顔の幼なじみが、俺が先に1人で中高一貫の学園に行っている間に(哀留は、中学から学園に行ってる。
哀奈と桜歌は同じ中学)………哀奈から王道学園のなんたるかを叩き込まれていた事を……………



そしてそれに慣れて、桜歌自身も王道不良高校に通っていて、萌えの提供を定期的に哀奈にしているという事実を…………
(だけど、腐男子??というのでは無いと、後に哀奈と桜歌に説明される)






俺は、知らなかった。






「さぁ、桜ちゃん入って入って!桜ちゃんの学校の話も詳しく知りたいし、哀留の話も教えるわね!!」


「そうだね。哀留の憐れ………おーっと、楽しい学園生活は聞きたいな」


「おいちょっとまてこら、今憐れっていったろ。
おーっと、じゃねーよ。隠されてねーよ」



「因みに、写真も沢山あるのよー」


「わー…………………
写真全部抱きつかれてるし、抱きつかれんのがデフォなの?
哀留、いつの間にそっちの扉開け始めたの?あぁ、そっかうんうん。男子校なんてそんなんが普通だよな、分かる分かる」


「分かる分かるじゃねーよ。哀奈に感化されて慣れてんじゃねーよ。
てか、抱きつき?!抱きつき写真とか、なんで持ってるんですか哀奈さんんんんんんんんん????!!!!」


「持つべきものは、権力者と優秀な秘書よね」




「…………ヲイ、ヲイ


優秀な秘書って、篠塚さんじゃねーよな?

何やってんだよ零と女神様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ???!!!!!!!!!」






また叫んで崩れ落ちた。
今度は玄関に入れて貰えたので、玄関でうちひしがれる。




……あれ?まだ玄関?





そして、血も涙もない2人はそんな俺を置いて、さっさとリビングに入っていった。
















うん、家でも安息の地が無い俺ってどうすればー………? 



あ!月ちゃん家に行こう……………!!!!!(涙)









皆様、よいお年を!





end

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