98 / 141
騎士団はむさ苦しい?
「それにしてもこんな早朝に連絡が来るなんて、あまりよくない報せなのかもしれませんね」
部屋に戻りながら、カイロスはそんな不穏当なことをぽつりと漏らす。
当初予定していた魔物の討伐は完全に終了したものの、あまりに早期に解決し過ぎた為報告には慎重を期した。奏多の事情を知られたくなかったからである。
ジークベルトはそこのところはローハンが上手く立ち回るだろうと言ってはいたが、奏多が思うに丸投げだったのでは…という疑念を抱いていた。その為、今回の連絡はそのことに対する苦情なのかもしれないと奏多は疑っていた。
「…カイロスは王都に帰還したら、騎士団の仕事に戻るんだよね?」
「そうですね……予定していた獣人族との会談は日程的には既に終わっているはずですから、通常勤務に戻ると思います」
「通常勤務って…」
「王都周辺の治安維持と、今は……聖女の護衛業務、ですかね…」
「あぁ……」
なるほどー…と奏多は浮かない顔をしたカイロスを見てしまった、と思う。例に漏れずカイロスも、反聖女派なのである。
「聖女の護衛は専属の人がいるんだと思ってたよ」
「勿論、専属の護衛騎士はついています。その他に近衛騎士団が聖女の行く先々に同行していますね。自分達の役目は、その更に外側というか……聖女が心地良く過ごせる為の人払い、みたいなものですかね…」
「ひ、ひとばらい」
交通整理みたいなものですよ、とカイロスは溜息を吐く。この口ぶりは、既に何度も付き合わされた後なのかもしれない、と奏多は思った。
「でも、騎士団の中にだって聖女を歓迎している層はいるんでしょう?」
「まあ、いないことは無いですね。でもそれは殆ど近衛の奴らばっかりですよ」
要は貴族連中ですね、とカイロスは続ける。聖女の存在を有りがたがるのは総じて地位のある奴らですよとカイロスは言う。
「どうして?だって聖女に見初められたらそれこそ玉の輿みたいなものじゃないの?」
「歴代の聖女たちは、揃いも揃って面食いばかりという話でしたから、自分たちなんてお呼びじゃ無いですよ。顔が良いのはやはり、貴族に多いんです」
「へ、へえ?」
「騎士団なんて、汗臭くてむさ苦しい野郎ばかりの集団ですから。そりゃあもう聖女サマには嫌われていたと聞いています」
「そ、そうなんだ…」
騎士って、なんかイケメン多そうなイメージだったけど、こっちじゃそういう感じじゃないのかな…?と奏多は内心で不思議に思う。というか、カイロスはめちゃくちゃ綺麗な顔立ちをしているわけだが、こんなのあのJ K聖女ちゃんが見たら一目で気に入りそうなものである。
(そもそも、今は聖女に否定的でも実際にその姿を見たら……考えも、少しは変わっちゃうんじゃないのかなぁ…)
聖女のスキルには魅了があるのだろうし、いくら対策していても完璧に防げるとは限らない。奏多のような、貫通スキルやそれに類似するものが無いとは言い切れないだろう。
それに、あの子はめちゃくちゃ可愛いのだ。スキルがなくったってついうっかり、好きになっちゃうことだってあるだろう。
部屋に戻りながら、カイロスはそんな不穏当なことをぽつりと漏らす。
当初予定していた魔物の討伐は完全に終了したものの、あまりに早期に解決し過ぎた為報告には慎重を期した。奏多の事情を知られたくなかったからである。
ジークベルトはそこのところはローハンが上手く立ち回るだろうと言ってはいたが、奏多が思うに丸投げだったのでは…という疑念を抱いていた。その為、今回の連絡はそのことに対する苦情なのかもしれないと奏多は疑っていた。
「…カイロスは王都に帰還したら、騎士団の仕事に戻るんだよね?」
「そうですね……予定していた獣人族との会談は日程的には既に終わっているはずですから、通常勤務に戻ると思います」
「通常勤務って…」
「王都周辺の治安維持と、今は……聖女の護衛業務、ですかね…」
「あぁ……」
なるほどー…と奏多は浮かない顔をしたカイロスを見てしまった、と思う。例に漏れずカイロスも、反聖女派なのである。
「聖女の護衛は専属の人がいるんだと思ってたよ」
「勿論、専属の護衛騎士はついています。その他に近衛騎士団が聖女の行く先々に同行していますね。自分達の役目は、その更に外側というか……聖女が心地良く過ごせる為の人払い、みたいなものですかね…」
「ひ、ひとばらい」
交通整理みたいなものですよ、とカイロスは溜息を吐く。この口ぶりは、既に何度も付き合わされた後なのかもしれない、と奏多は思った。
「でも、騎士団の中にだって聖女を歓迎している層はいるんでしょう?」
「まあ、いないことは無いですね。でもそれは殆ど近衛の奴らばっかりですよ」
要は貴族連中ですね、とカイロスは続ける。聖女の存在を有りがたがるのは総じて地位のある奴らですよとカイロスは言う。
「どうして?だって聖女に見初められたらそれこそ玉の輿みたいなものじゃないの?」
「歴代の聖女たちは、揃いも揃って面食いばかりという話でしたから、自分たちなんてお呼びじゃ無いですよ。顔が良いのはやはり、貴族に多いんです」
「へ、へえ?」
「騎士団なんて、汗臭くてむさ苦しい野郎ばかりの集団ですから。そりゃあもう聖女サマには嫌われていたと聞いています」
「そ、そうなんだ…」
騎士って、なんかイケメン多そうなイメージだったけど、こっちじゃそういう感じじゃないのかな…?と奏多は内心で不思議に思う。というか、カイロスはめちゃくちゃ綺麗な顔立ちをしているわけだが、こんなのあのJ K聖女ちゃんが見たら一目で気に入りそうなものである。
(そもそも、今は聖女に否定的でも実際にその姿を見たら……考えも、少しは変わっちゃうんじゃないのかなぁ…)
聖女のスキルには魅了があるのだろうし、いくら対策していても完璧に防げるとは限らない。奏多のような、貫通スキルやそれに類似するものが無いとは言い切れないだろう。
それに、あの子はめちゃくちゃ可愛いのだ。スキルがなくったってついうっかり、好きになっちゃうことだってあるだろう。
あなたにおすすめの小説
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺あおい@1/23先視の王女の謀発売
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について
みん
恋愛
【モブ】シリーズ①(本編)
異世界を救うために聖女として、3人の女性が召喚された。しかし、召喚された先に4人の女性が顕れた。そう、私はその召喚に巻き込まれたのだ。巻き込まれなので、特に何かを持っていると言う事は無く…と思っていたが、この世界ではレアな魔法使いらしい。でも、日本に還りたいから秘密にしておく。ただただ、目立ちたくないのでひっそりと過ごす事を心掛けていた。
それなのに、周りはおまけのくせにと悪意を向けてくる。それでも、聖女3人のお姉さん達が私を可愛がって守ってくれるお陰でやり過ごす事ができました。
そして、3年後、聖女の仕事が終わり、皆で日本に還れる事に。いざ、魔法陣展開で日本へ!となったところで…!?
R4.6.5
なろうでの投稿を始めました。
聖女じゃなかったので、カフェで働きます
風音悠鈴
恋愛
光魔法が使えず「聖女失格」と追放された大学生・藍里。
聖女じゃないと城を追い出されたけど、実は闇属性+女神の加護持ちのチートだった⁉︎
望みはカフェでのスローライフだけ。
乙女ゲーム世界の歪みから大切な日常を守ります!
全30話予定
召喚先は、誰も居ない森でした
みん
恋愛
事故に巻き込まれて行方不明になった母を探す茉白。そんな茉白を側で支えてくれていた留学生のフィンもまた、居なくなってしまい、寂しいながらも毎日を過ごしていた。そんなある日、バイト帰りに名前を呼ばれたかと思った次の瞬間、眩しい程の光に包まれて──
次に目を開けた時、茉白は森の中に居た。そして、そこには誰も居らず──
その先で、茉白が見たモノは──
最初はシリアス展開が続きます。
❋他視点のお話もあります
❋独自設定有り
❋気を付けてはいますが、誤字脱字があると思います。気付いた時に訂正していきます。
皆で異世界転移したら、私だけがハブかれてイケメンに囲まれた
愛丸 リナ
恋愛
少女は綺麗過ぎた。
整った顔、透き通るような金髪ロングと薄茶と灰色のオッドアイ……彼女はハーフだった。
最初は「可愛い」「綺麗」って言われてたよ?
でも、それは大きくなるにつれ、言われなくなってきて……いじめの対象になっちゃった。
クラス一斉に異世界へ転移した時、彼女だけは「醜女(しこめ)だから」と国外追放を言い渡されて……
たった一人で途方に暮れていた時、“彼ら”は現れた
それが後々あんな事になるなんて、その時の彼女は何も知らない
______________________________
ATTENTION
自己満小説満載
一話ずつ、出来上がり次第投稿
急亀更新急チーター更新だったり、不定期更新だったりする
文章が変な時があります
恋愛に発展するのはいつになるのかは、まだ未定
以上の事が大丈夫な方のみ、ゆっくりしていってください
【本編完結】異世界再建に召喚されたはずなのになぜか溺愛ルートに入りそうです⁉︎【コミカライズ化決定】
sutera
恋愛
仕事に疲れたボロボロアラサーOLの悠里。
遠くへ行きたい…ふと、現実逃避を口にしてみたら
自分の世界を建て直す人間を探していたという女神に
スカウトされて異世界召喚に応じる。
その結果、なぜか10歳の少女姿にされた上に
第二王子や護衛騎士、魔導士団長など周囲の人達に
かまい倒されながら癒し子任務をする話。
時々ほんのり色っぽい要素が入るのを目指してます。
初投稿、ゆるふわファンタジー設定で気のむくまま更新。
2023年8月、本編完結しました!以降はゆるゆると番外編を更新していきますのでよろしくお願いします。
二度目の召喚なんて、聞いてません!
みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。
その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。
それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」
❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。
❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。
❋他視点の話があります。