オマケなのに溺愛されてます

浅葱

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オタクの飲み込みの良さは異常

「…………つまり、聖女はその乙女ゲームとやらをやってるつもりだということか?」
「心情的にはそうかなって、思ってるんだけど…」


説明しながら、奏多は梨々香の言動を思い出す。彼女の見た目からは所謂オタク的な要素はひとつもない。とはいえ、最近のオタクはオシャレだしライトな層も増えている。外見だけでオタク趣味があるかどうかなんて正直なところわからない。

(……でも、本人にその手の趣味がなくっても、知識として知っているくらいのレベルではある気がするんだよね)

でなければ、こんな状況は到底理解出来ないと思う。ある日突然異世界転移して、自分は聖女だなんて言われて、それをすんなり受け入れるなんて無理がある。


「ゲームだと思っているから考えが軽い、行動に責任が伴わない、と言いたいのか?」
「そういう部分もあるのかなって」

あくまで私の想像なんだけど、と付け足してから、奏多は続ける。

「それに、そもそも聖女自体にはなんの力もないってそう言っていたよね?」
「ああ、聖女とは血を繋ぐ為の母胎でしかない。必要なのはあらゆる攻撃を無効化する、その器でしかない」
「魔力がないから魔法も使えない、ならどうやって私を殺せるの?」
「それは…」

それもそうだな、と、そこで初めて思い至ったとばかりにジークベルトが低く唸った。

「聖女にはそんな能力は無いはずだ。何故そのことに思い至らなかったのだろう」
「聖女なんて呼び方をするから、惑わされちゃうんじゃないかな?私からすれば彼女は可愛いただの女子高生だし、そんな子がライバルだからって簡単に人を殺そうとするとは思えないよ」
「ライバル…」
「べ、便宜上ね」
「それは、俺を取り合うって意味でのライバルということか?」
「…………………」

こんな時ばっかり飲み込みが早い…!と奏多はくっ、と目を背ける。ちょっと揶揄うような視線を向けられ、奏多は居た堪れなさに悶絶する。女子高生と社畜OLがライバルだなんて、自分で言ってても不釣り合い過ぎて違和感がすごい。おこがましい。恥ずかしくて死にそうだ…!
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