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魅惑の指輪
「間違えないで欲しいのは、これらのアイテムは0を1にするものではないということだ」
店主は初めに、そう言っていた。その時はふうん、そうなんだ、くらいにしか思っていなかった。
正直に言えば、その言葉の意味を、梨々香はまったく、理解していなかったのだ。
「ねえ、もう任務は終わったんでしょう?ジルベールにちゃんと確認とったんだから、嘘ついたってわかるのよ」
久しぶりに会ったジークベルトはやっぱりイケメンだった。むしろ以前会った時より髪が伸びて野生味が増している。ラフなシャツ一枚を着ているだけなのにスタイルが良いせいかすごく似合って見える。あの胸筋に抱きしめられたら、いったいどんな気持ちがするだろう?
そんなことを考えながら、ジークベルトへと手を伸ばす。魅惑の指輪をつけた状態で触れると、対象者は自分を意識するようになるのだそうだ。
この場合の意識とは、異性として、もっと言えば性欲の対象として、という意味である。
この指輪の威力はヴァリエールで既に実証済みだった。香水だけでは微妙な反応だったヴァリエールも、この指輪を嵌めて身体に触れば一撃だった。
その後はあんまりチョロくて笑ってしまったくらいである。以来野暮ったい仮面も外させて傍に置いている。ジルベールとは趣の違う美形だが、ストイックな雰囲気が禁欲的で逆に唆られるので大変気に入っていた。
(この男は、どんな風に梨々香に傅いてくれるのかな?)
恋愛なんて、惚れた方の負けである。梨々香は男たちが自分に惚れて、好かれようと必死になっている姿を見るのが何より好きだった。こういうのは付き合ってしまうと薄れていってしまうものだから、付き合う寸前の思わせぶりな時期がいちばん楽しい。
でも、この世界で梨々香はいくらでも恋人が作れるし、なんだったら夫も何人もいていいんだそうだ。
そうなると、いざ恋人関係になっても他の男の存在がチラつくのかみんな必死になって梨々香に好かれようと頑張ってくれる。それは、梨々香にとって願ったり叶ったりな状況だった。
そして、梨々香は人の男を取るのも大好きだった。だから余計に、ジークベルトに執着したのかもしれなかった。
「ねえったら、久しぶりに会えたんだから、何とか言ってよぉ」
そう言って、再度ジークベルトの腕に絡みついた、その時だった。
「気安く触るな」
「えっ」
バシッと乱雑に腕を解かれてしまった。は?と思いジークベルトの顔を見上げる。
すると、そこにはまるで汚物を見るような目で自分を見下ろす、ジークベルトが立っていた。
店主は初めに、そう言っていた。その時はふうん、そうなんだ、くらいにしか思っていなかった。
正直に言えば、その言葉の意味を、梨々香はまったく、理解していなかったのだ。
「ねえ、もう任務は終わったんでしょう?ジルベールにちゃんと確認とったんだから、嘘ついたってわかるのよ」
久しぶりに会ったジークベルトはやっぱりイケメンだった。むしろ以前会った時より髪が伸びて野生味が増している。ラフなシャツ一枚を着ているだけなのにスタイルが良いせいかすごく似合って見える。あの胸筋に抱きしめられたら、いったいどんな気持ちがするだろう?
そんなことを考えながら、ジークベルトへと手を伸ばす。魅惑の指輪をつけた状態で触れると、対象者は自分を意識するようになるのだそうだ。
この場合の意識とは、異性として、もっと言えば性欲の対象として、という意味である。
この指輪の威力はヴァリエールで既に実証済みだった。香水だけでは微妙な反応だったヴァリエールも、この指輪を嵌めて身体に触れば一撃だった。
その後はあんまりチョロくて笑ってしまったくらいである。以来野暮ったい仮面も外させて傍に置いている。ジルベールとは趣の違う美形だが、ストイックな雰囲気が禁欲的で逆に唆られるので大変気に入っていた。
(この男は、どんな風に梨々香に傅いてくれるのかな?)
恋愛なんて、惚れた方の負けである。梨々香は男たちが自分に惚れて、好かれようと必死になっている姿を見るのが何より好きだった。こういうのは付き合ってしまうと薄れていってしまうものだから、付き合う寸前の思わせぶりな時期がいちばん楽しい。
でも、この世界で梨々香はいくらでも恋人が作れるし、なんだったら夫も何人もいていいんだそうだ。
そうなると、いざ恋人関係になっても他の男の存在がチラつくのかみんな必死になって梨々香に好かれようと頑張ってくれる。それは、梨々香にとって願ったり叶ったりな状況だった。
そして、梨々香は人の男を取るのも大好きだった。だから余計に、ジークベルトに執着したのかもしれなかった。
「ねえったら、久しぶりに会えたんだから、何とか言ってよぉ」
そう言って、再度ジークベルトの腕に絡みついた、その時だった。
「気安く触るな」
「えっ」
バシッと乱雑に腕を解かれてしまった。は?と思いジークベルトの顔を見上げる。
すると、そこにはまるで汚物を見るような目で自分を見下ろす、ジークベルトが立っていた。
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