オマケなのに溺愛されてます

浅葱

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恨まれる筋合い

翌日、大まかな荷物の整理を終えた後、別れを惜しんで群がってくる男たちの相手を適度にこなしがら、奏多はジークベルトの帰りを待っていた。

ジークベルトが何をしているかというと、一緒に連れて行く部下の選定をしているのである。
いったいどんな基準で選ぶつもりか知らないが、朝からずっと、ずうっっと、外から男たちの異様な声がひっきりなしに聞こえてきていた。そりゃもう気になって仕方がない。こっそりメルディに見てきてもらってみたところ、「脳筋にも程がある…」と青い顔をして戻ってきた。魔法使いにはちと刺激の強い光景だったようである…



「まあ確かに、カナタのスキルがあれば魔法使いより、むしろ体力自慢の屈強な騎士を連れていく方が便利かもしれないよね」
「便利って…(口悪いなぁ)」
「魔法使いなんて所詮魔力が切れたらただの役立たずだからね。僕の細腕じゃ倒れたカナタを抱き上げることも、走って逃げ出すことさえ出来やしないよ」
「……そう思うなら、少しは身体を鍛えたらどうだ?」
「身体を鍛える暇があったら、少しでも魔力量を上げる為の修行を積む。それが魔法使いというものさ」
「「((魔法使いって…))」

思わずカイロスと顔を見合わせてしまった奏多であった。要するに、メルディには身体を鍛える気がこれっぽっちも無いらしい。


「……それはそれとして、随分と遅いですね。馬鹿正直にここでジークベルト団長を待っている必要もないのでは?」
「うーん、そうだねぇ…」

でも勝手に場所を変えると、烈火の如く怒りそうでやなんだよなぁと奏多は昨夜のことを引き合いに出して考えてみる。最近とみに過保護に拍車がかかっている気がする。実際危険な目にあっていることも多いので、ジークベルトが過敏になるのも仕方がないことなのかもしれないけれど…

(でも私って、そこまでして守られないといけない立場なのかな…)

なんてことを、考えないではない。今更だけれど、ジークベルトが必死になってまで守るだけの価値が、いったい自分のどこにあるというのだろう?

(そもそも、聖女……彼女のことも気になるし)

本当に自分の意志で、魔物を呼び出していたのだろうか?そこまでして、同郷の自分を襲いたかったのだろうか?

(やっぱり直接会って話したいな…このまま逃げてしまっても、あんまり良い結果にはならない気がする)

牢に繋がれているなんて聞いてしまうと、どうしても心が痛んでしまう。奏多には正直なところ、彼女にそれほど恨まれているという自覚も実感も持てずにいた。どうしてそこまでと、そう思ってしまうのだ。
感想 10

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