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恵流川が呼び出したのは、黒塗りのセダンだった。
怖い人が乗るようなアレだ。
二人で後部座席に並んで座っているが、左右も足元も広々である。
本当にあるんだな、こういう車。
「目立ちまくってるけどいいのかコレ?」
「いいのよ、お嬢様設定なんだから」
恵流川はたいして興味もなさそうに、答える。
便利だなあ、病弱お嬢様設定。
俺もそういうのにしとけばよかった。
「最新軍事仕様のすごい車らしいわよ。
まともな手段じゃ盗めないけど、間違っても車上荒らしが狙ったりしないようにするには、見た目で威嚇するのが良いんですって」
毒を持った昆虫みたいな発想だな。
「恵流川さんはこの仕事、長いのか?」
「ねえ、その恵流川さんっていうのやめてくれない?
名前で呼んでよね」
俺の質問は無視かな?
「なんでだ?」
「この名字、なんかアホ毛が生えてそうで嫌いなのよね。
でも学校じゃ設定があるでしょ。
名前で呼んで、なんて言い出しにくくてね」
どんな感想だよ!
俺が知るかぎり、アホ毛キャラでそんな名前のキャラはいない。
完全に彼女のイメージなだけだこれ。
「もうデレたのかと思ってびっくりした」
「デ……そんなわけないでしょ!」
この程度で赤くなるとは……。
正直、とっても可愛いが、こんなことで秘密組織でやっていけてるんだろうか。
かくいう俺も、魔王を経験する前なら、彼女と車に乗っただけで、どきまぎして汗びっしょりだっただろうけど。
「せっかくのデレイベントをこんなところで消化されるともったいないなあ」
「あんたにデレるなんてありえないんだから、問題ないでしょ!」
「今どきなかなかないくらいの、わかりやすいツンデレだな」
「ツンデレじゃない! ツンツンよ!」
自分のことを「ツンツン」なんて表現するヤツ、初めて見たぞ。
そんなくだらないやりとりをしているうち、車は山奥の洋館にたどり着いた。
外壁には蔦が貼り付き、屋根には風見鶏がゆっくりと揺れている。
なんとも「それっぽい」建物だ。
人の気配がないように見えて、道路には新しい轍が複数。
自動で開いた大きな門も、しっかり手入れされているようで、音もなく開いた。
古めかしい佇まいとは裏腹に、かなりの頻度で使われている施設のようだ。
車がガレージに入ると、そのままゆっくり下降を始めた。
車ごと動くエレベーターである。
実に秘密基地っぽい。
エレベーターが止まった先もまた、映画で見るようなわかりやすい洋館的内装だった。
長くまっすぐな廊下に敷かれた色あせ始めた赤絨毯が、歴史を感じさせる。
珍しいものと言えば、空港にあるような金属探知機のゲートが設置されているくらいだろうか。
瞳に魔力を込めると、長い廊下には赤外線や床の感圧など各種センサーが張り巡らされているのが見えた。
侵入者の探知と同時に、来客の検査も行っているようだ。
ミカは壁に現れたボックスにスマートウォッチを始めとした装備一式を入れた。
「あなたもいっしょに預ければ?」
装備や金属の類を預けるルールなのだろう。
俺は胸ポケットに入っていたボールペンをボックスに入れた。
「へぇ……。さっきのヤツは、ボールペンがガジェットだったのね。
どういう仕組なのかしら」
「さあね。
説明は受けたが、俺にもわからん」
「あの変態女の説明じゃ誰もわからないわよね」
本当はただのボールペンなので、わからないのは当然なんだがな。
廊下を進んだ先のドアをくぐると、そこはちょっとした広間になっていた。
貴族が朝食を取るような長いテーブルには、20人分の椅子が置かれている。
上座に座り、紅茶を嗜んでいるのは、柔和な笑みを浮かべた小太りサラリーマン風の男だ。
年は40半ばといったところだろうか。
家庭では娘に嫌われてしょんぼり、会社でもよくて課長どまりといった雰囲気を出している。
しかし、その所作や表情の作り方から、俺には切れ者であるとわかる。
普通の人間なら「冴えないけどいい人そう」とあっさりだまされるところだろう。
主任の隣にはメイドが一人、テーブルを挟んで俺とミカだ立っているという構図だ。
「主任! 今回の件、どういうことですか!」
そしてここにも、すっかり騙されている女が一人。
ミカは上司を前にして、完全にリラックスしてらっしゃる。
おいおい、そんな態度じゃ、そのうちばっさりやられるぞ。
それとも、礼儀なんかにはゆるい組織だったり、ミカが特別にかわいがられたりしているのだろうか?
俺がミカの立場と能力だったら、間違いなく震えて縮こまるレベルの人物だぞ。
それをわかっているであろう人物が、主任の隣に控えるメイドだ。
無表情を貫いているものの、視線が細かく、主任とミカの間を行ったり来たりしている。
内心ハラハラなのだろう。
根は良い人そうだ。
「どういうこと、とは?
今回はお手柄だったと聞いていますよ」
既に第三者から報告があがっているのか。
なかなかな組織力だ。
「とぼけないでください!
彼のことですよ!」
ミカはびしっと、隣にいる俺を指さした。
「彼?
誰もいませんよ?」
「へ?」
ミカは間の抜けた声をあげた。
まあ、そうだろうな。
「今日は、あなた以外の入館を許可した覚えもありません」
「え? だって、許可は取ってあるって。
え……?
ここにいますよ?」
ミカは俺と主任を交互に見る。
「嘘や冗談……ではないようですね」
主任の目が一瞬キラリと光り、
――ぱぱぱんっ!
瞬時に懐から抜いた拳銃を、俺に向かって撃った。
ご丁寧に3発も引き金を引いている。
俺が見えていたわけではないだろう。
ミカの視線と声量などから距離を読み取ったのだ。
3発の弾丸は、俺の眉間に2発、心臓に1発まっすぐ飛んで来た。
この男、やはりかなりできる。
しかし、俺は飛来する弾丸を全て指の間に挟んで止めた。
「怪しい者じゃありませんよ。あなた方に比べればね」
俺は自分に複数かけていた隠密系の魔術を全て解いた。
その瞬間、目を見開いたメイドが、瞬時に飛び出した。
メイドは壁を蹴り、一瞬で俺へと肉薄する。
両手には一振りずつのナイフ。
一本を投擲し、俺の動きを牽制しつつ、もう一本を俺に突き立てようと振り下ろしてきた。
怖い人が乗るようなアレだ。
二人で後部座席に並んで座っているが、左右も足元も広々である。
本当にあるんだな、こういう車。
「目立ちまくってるけどいいのかコレ?」
「いいのよ、お嬢様設定なんだから」
恵流川はたいして興味もなさそうに、答える。
便利だなあ、病弱お嬢様設定。
俺もそういうのにしとけばよかった。
「最新軍事仕様のすごい車らしいわよ。
まともな手段じゃ盗めないけど、間違っても車上荒らしが狙ったりしないようにするには、見た目で威嚇するのが良いんですって」
毒を持った昆虫みたいな発想だな。
「恵流川さんはこの仕事、長いのか?」
「ねえ、その恵流川さんっていうのやめてくれない?
名前で呼んでよね」
俺の質問は無視かな?
「なんでだ?」
「この名字、なんかアホ毛が生えてそうで嫌いなのよね。
でも学校じゃ設定があるでしょ。
名前で呼んで、なんて言い出しにくくてね」
どんな感想だよ!
俺が知るかぎり、アホ毛キャラでそんな名前のキャラはいない。
完全に彼女のイメージなだけだこれ。
「もうデレたのかと思ってびっくりした」
「デ……そんなわけないでしょ!」
この程度で赤くなるとは……。
正直、とっても可愛いが、こんなことで秘密組織でやっていけてるんだろうか。
かくいう俺も、魔王を経験する前なら、彼女と車に乗っただけで、どきまぎして汗びっしょりだっただろうけど。
「せっかくのデレイベントをこんなところで消化されるともったいないなあ」
「あんたにデレるなんてありえないんだから、問題ないでしょ!」
「今どきなかなかないくらいの、わかりやすいツンデレだな」
「ツンデレじゃない! ツンツンよ!」
自分のことを「ツンツン」なんて表現するヤツ、初めて見たぞ。
そんなくだらないやりとりをしているうち、車は山奥の洋館にたどり着いた。
外壁には蔦が貼り付き、屋根には風見鶏がゆっくりと揺れている。
なんとも「それっぽい」建物だ。
人の気配がないように見えて、道路には新しい轍が複数。
自動で開いた大きな門も、しっかり手入れされているようで、音もなく開いた。
古めかしい佇まいとは裏腹に、かなりの頻度で使われている施設のようだ。
車がガレージに入ると、そのままゆっくり下降を始めた。
車ごと動くエレベーターである。
実に秘密基地っぽい。
エレベーターが止まった先もまた、映画で見るようなわかりやすい洋館的内装だった。
長くまっすぐな廊下に敷かれた色あせ始めた赤絨毯が、歴史を感じさせる。
珍しいものと言えば、空港にあるような金属探知機のゲートが設置されているくらいだろうか。
瞳に魔力を込めると、長い廊下には赤外線や床の感圧など各種センサーが張り巡らされているのが見えた。
侵入者の探知と同時に、来客の検査も行っているようだ。
ミカは壁に現れたボックスにスマートウォッチを始めとした装備一式を入れた。
「あなたもいっしょに預ければ?」
装備や金属の類を預けるルールなのだろう。
俺は胸ポケットに入っていたボールペンをボックスに入れた。
「へぇ……。さっきのヤツは、ボールペンがガジェットだったのね。
どういう仕組なのかしら」
「さあね。
説明は受けたが、俺にもわからん」
「あの変態女の説明じゃ誰もわからないわよね」
本当はただのボールペンなので、わからないのは当然なんだがな。
廊下を進んだ先のドアをくぐると、そこはちょっとした広間になっていた。
貴族が朝食を取るような長いテーブルには、20人分の椅子が置かれている。
上座に座り、紅茶を嗜んでいるのは、柔和な笑みを浮かべた小太りサラリーマン風の男だ。
年は40半ばといったところだろうか。
家庭では娘に嫌われてしょんぼり、会社でもよくて課長どまりといった雰囲気を出している。
しかし、その所作や表情の作り方から、俺には切れ者であるとわかる。
普通の人間なら「冴えないけどいい人そう」とあっさりだまされるところだろう。
主任の隣にはメイドが一人、テーブルを挟んで俺とミカだ立っているという構図だ。
「主任! 今回の件、どういうことですか!」
そしてここにも、すっかり騙されている女が一人。
ミカは上司を前にして、完全にリラックスしてらっしゃる。
おいおい、そんな態度じゃ、そのうちばっさりやられるぞ。
それとも、礼儀なんかにはゆるい組織だったり、ミカが特別にかわいがられたりしているのだろうか?
俺がミカの立場と能力だったら、間違いなく震えて縮こまるレベルの人物だぞ。
それをわかっているであろう人物が、主任の隣に控えるメイドだ。
無表情を貫いているものの、視線が細かく、主任とミカの間を行ったり来たりしている。
内心ハラハラなのだろう。
根は良い人そうだ。
「どういうこと、とは?
今回はお手柄だったと聞いていますよ」
既に第三者から報告があがっているのか。
なかなかな組織力だ。
「とぼけないでください!
彼のことですよ!」
ミカはびしっと、隣にいる俺を指さした。
「彼?
誰もいませんよ?」
「へ?」
ミカは間の抜けた声をあげた。
まあ、そうだろうな。
「今日は、あなた以外の入館を許可した覚えもありません」
「え? だって、許可は取ってあるって。
え……?
ここにいますよ?」
ミカは俺と主任を交互に見る。
「嘘や冗談……ではないようですね」
主任の目が一瞬キラリと光り、
――ぱぱぱんっ!
瞬時に懐から抜いた拳銃を、俺に向かって撃った。
ご丁寧に3発も引き金を引いている。
俺が見えていたわけではないだろう。
ミカの視線と声量などから距離を読み取ったのだ。
3発の弾丸は、俺の眉間に2発、心臓に1発まっすぐ飛んで来た。
この男、やはりかなりできる。
しかし、俺は飛来する弾丸を全て指の間に挟んで止めた。
「怪しい者じゃありませんよ。あなた方に比べればね」
俺は自分に複数かけていた隠密系の魔術を全て解いた。
その瞬間、目を見開いたメイドが、瞬時に飛び出した。
メイドは壁を蹴り、一瞬で俺へと肉薄する。
両手には一振りずつのナイフ。
一本を投擲し、俺の動きを牽制しつつ、もう一本を俺に突き立てようと振り下ろしてきた。
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