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37-1 無償の愛
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ギシッと音を立て、ディークの横に脚をついたセルヴィの気配を感じ、再び腰の上に跨られる。そしてなにやらグチョグチョと音が響いたかと思うと、再びディークのモノを握られる。
「んんっ」
セルヴィの唾液と、ディークの先走りがとろりと垂れたそれはそそり立ったまま、セルヴィの手によってなにかに押し当てられる。そしてグググッとなにかに割り入って行く感覚にディークはブルッと震える。
「んああっ」
グググッと挿入されていく先はセルヴィの後孔。
「あぁ、ディーク」
腰に跨ったセルヴィは自身でググッと腰を落としていく。久しぶりの締め付け、久しぶりの挿入に、お互い息は荒くなり声が上がる。
「ああっ、な、なにを……で、殿下……や、やめてくれっ」
「ディーク……ディーク……私を……私を感じて……」
ズブズブと腰を落としていくセルヴィの腰を掴み、必死に止めようとするディークだが、久しぶりの刺激が強すぎ力が入らない。そもそも、呪いが進行し出してからは、まともに動くことも叶わなくなり、おそらく騎士時代のようにはセルヴィを退けることなど出来ない。
ディークはセルヴィのなかに出してしまわないよう必死に耐える。セルヴィはそんなディークを煽るように、後孔に力を込めた。
ぎゅうっと締め付け、そして上下に動き刺激する。
「はっ、あっ、や、やめっ」
「はん、ディーク……私のなかに……出して……」
ズチュズチュと音を立てながら、ゆっくりと上下に動く。
「い、嫌だ……で、殿下は生きて……俺はもういいから……」
「そんなこと許さない!!」
そう叫ぶと、グチュンと音を立て勢い良く腰を落とした。
「あぁぁあっ!!」
セルヴィはぎゅうっとディークのモノを締め付けながら、覆い被さるようにディークの胸に自身の胸を重ねた。そして、ディークの顔を両手で包み、唇を重ねる。ディークは逃げようと顔を逸らすが、それを抑えつけ口をこじ開ける。舌を口内に挿入し、ディークがしていたように、今度はセルヴィがディークの口内をまさぐる。
「んふっ」
ジュパジュパッと水音を響かせながら、ディークの熱い舌を甘噛みし、思い切り吸い付き、舌で歯肉をなぞり、上顎を舐める。執拗にディークの舌を追い、唾液が溢れる。それを飲み込もうとすると、ディークはそれを奪い取るかのように吸い付き飲み込んだ。
ジュパッと音を立て唇を離すと、荒い息のお互いの口から透明の糸が伝い、それはディークの顎を伝う。それを舐め取ろうと舌を伸ばすと、ディークはセルヴィの両肩を掴み、ガバッと身体を離した。
「ハァハァ……いい加減にしてください……俺は……」
肩を掴むディークの手を掴んだセルヴィは、ディークを引っ張り起こし、そのまま自身の胸にディークの手を押し当てた。
「触って。私を触って……ディーク……私のなかにディークが欲しい……呪いを戻して欲しい訳じゃない……二人で……二人で呪いを共有しよう」
「二人で?」
「あぁ……私の呪いがディークに移ったということは、再び愛し合えば、きっとディークの呪いが私に移るのだろう。私に移った呪いはまた二人で愛し合えばディークに移る……そうやってお互いが呪いを引き受けあったらいいじゃないか」
ディークは考えた。セルヴィの言うことは可能なのかもしれない。しかし、セルヴィは国王だ。国王が呪いを受け、しかも男とこんなことを繰り返しているなど、そんなことがあっていいはずがない。
「でも……殿下はもう国王だ」
「ふっ、殿下なんだか国王なんだか、どっちなんだ?」
「うっ」
指摘されたことに顔を赤らめるディークが、なにやら可愛く思え、セルヴィはディークの頬に口付ける。
「それにもう私は国王ではない」
「はっ?」
「フェリオに王位を譲ってきた。お前と別れてから、父とフェリオに願い出た。フェリオが成人し、王位を継げるようになるまで、私が王位を繋ぐ、そして、それと同時にフェリオの教育も行い、王位を継いでも良いと判断出来たとき、フェリオに王位を譲り、今後も支えていくことを条件に、私は自由が欲しい、と」
「…………」
「お前のことも話した」
「えっ!?」
「私の呪いがなくなったのはディークのおかげで、私はディークを愛しているから妃は娶らない。フェリオに王位を譲れば、私はディークと共に生きたい、と」
「はっ!? えっ!?」
ディークは訳が分からないといった顔。そんな姿にクスッと笑うセルヴィは入れたままになっているディークのモノをぎゅっと締め上げた。
「んあっ、ちょっ」
「だから私はもう王ではない。お前と共に生きたい。ディーク……愛しているんだ。私から逃げないでくれ」
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