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38ー1 共に生きて行く…
しおりを挟む小さいがしかし確実に聞こえた女の声……。それはおそらく初代王妃の声。
「よ、ようやく、呪いが終わったのか?」
「そのようですね……初代王妃の呪い……愛されたかっただけ……呪いをかけたかった訳じゃない……そのせいで自身も愛する人の元へずっと行けなかった」
そう考えると初代王妃も可哀想な人なのかもしれない、とディークは遠い目をした。
「まあ、呪いは迷惑でしたけどね」
そう言って笑うディークに、しかし、セルヴィははにかむように微笑んだ。
「呪いは辛く苦しかったが、しかし、そのおかげで私はディークに会えた。私はそれだけで幸せ者だ」
ディークの首に腕を回し、微笑んだ。その微笑みに、ディークは一度落ち着かせたはずの下半身が再びズクンと固さを持ったことが分かった。
「んんあん」
セルヴィはまたしても自身のなかで大きくなったディークのモノになかを刺激され嬌声が上がる。
「セルヴィ……俺もあんたと出逢えて幸せだ。愛してる」
「ディーク」
そして再び唇を食べるかのように貪り付き、再び大きくなったモノでセルヴィのなかを突き上げたのだった。
一度吐き出したディークの欲がセルヴィのなかに広がり、そのせいで抽送を繰り返すたびにグチョグチョと大きく水音が響き泡立つ。
ぬるんと自身のモノを引き抜いたディークはセルヴィをひっくり返し、四つん這いにさせると、セルヴィのモノを掴みしごきながら再び突き刺す。
「んあっ!!」
バチュンバチュンッと水音と肌のぶつかる音が重なり卑猥な音が響き渡る。セルヴィのモノをしごく手も動きを速め、そして、もう片方の手はセルヴィの胸の突起を弄る。
「あっ、あっ、そ、そんな全部弄られたらすぐにいっちゃう!!」
「いくらでもイケばいい」
ハッハッと荒い息を耳に浴びせながら、低い声でそう囁かれ、セルヴィはすぐさま再び欲を吐き出してしまった。しかし、それでもディークは止まることなく、激しい抽送を繰り返す。
「あっ、あん! ま、待って!! 今、出たばかりっ」
バチンバチンと繰り返し、名を呼びながら勢いよく再びディークも果てたかと思うと、荒い息のまま耳元で「まだだ」と囁かれ、セルヴィはぞわりと身体が震える。
ズルんと抜かれた後孔からはゴポリとディークの吐き出したものが大量に流れ出し、セルヴィは一気に顔が火照る。しかし、もう我慢はしないとばかりに、ディークは再びセルヴィを仰向けにすると、片脚を持ち上げ大きく広げさせ、再び突く。
何度も何度も体位を変え、そのたびにセルヴィを突き上げる。セルヴィは前も後ろもあらゆるところを舐められ、ビチャビチャになり、お互いの欲が身体やベッドにグチョグチョに広がった。
何度果てただろうか。時間も忘れ、お互いを貪り、もうなにも分からなくなる頃、セルヴィは頭が真っ白となり意識が飛んだ。
翌朝、窓から差し込む光が眩しく身動ぎをし、セルヴィは目を覚ます。海のザザァという音が耳に心地好い。
(えっと……ここは……)
ぼんやり考え、ハッとする。
(ディ、ディーク!!)
慌ててキョロッと振り向くと、すぐ後ろにディークの穏やかな寝顔があった。ぎゅうっと抱き締めたまま眠るディークの姿にホッとし、そして昨日のことを思い出し一気に顔が火照る。
昨日は結局意識を失うまで、食事も摂らずひたすら抱かれ続け、そのまま眠ってしまったようだ。身体のあちこちが痛い。動こうとしてもディークにしがみつかれたまま、というだけでなく、身体全てが小刻みに震えている。力が入らない。
そして少し身じろいだ瞬間、ぬるんとなにかが後孔から抜けた。
「あん」
今やもう、少しの刺激ですら高い声が上がってしまうことに恥ずかしくなる。どうやらディークはセルヴィの後孔に自身のモノを挿入したまま眠ってしまったようだ。それだけ求められたのだということに、恥ずかしいやら嬉しいやらと、そわそわした気分となるセルヴィだった。
「おはよう」
そんなとき背後からディークの声がし、尻になにやら固いモノが……。
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次話、ラストです!
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