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1-2 落ちて来たイケメン
天井になにやらぼんやりと光が見える、と思ったそれは、次第に形をハッキリとさせていき、なんだあれ? 寝惚けてるのか? と、目を擦り再び見たときには、紫色に光る魔法陣となっていた。
「は?」
漫画やアニメでよく見る魔法陣。それが俺の部屋の天井に貼り付いている。
なんだこりゃ、と見上げたまま上半身を起こし近付いてみようとした瞬間、その魔法陣からなにかがにゅっと突き出して来た。
「!?」
その瞬間なにやらぞわりとするが、それよりもその突き出してきたものに釘付けとなった。
黒いものがにゅうっと突き出して来たかと思うと、それはするんと一気に落ちてきた。
まるでウン……いや、その想像はどうなのよ。
そんなアホなことを考えている間にそれはドサッと俺の腹の上に落ちて来た。
「ぐえぇぇっ!!」
腹の上に落ちて来たものは想像以上にデカイ物体だった。し、死ぬ……。
いきなり巨大なものが腹の上に落ち、さっき食べた夕食やらビールやらがリバースするかと思ったわ!!
一瞬意識が飛びかけ、吐きそうになるのを必死に耐え、目の前に現れた物体を見る。
咄嗟に予期せぬ出来事が起こると、人間思考が停止するんだな。恐怖すらなく、ただ「無」だった。
固まったまま自分の上に乗る「それ」を見ていると、それはもぞもぞと動き出した。
ひぃぃぃいい!! う、動いた!? な、なんなんだ!?
こんな巨大なものが動き出すとか恐怖しかないわ! 一気に思考が動き出し、一瞬にして恐怖で身体が強張る。
動き出したそれはもぞもぞと俺の身体を探るようになにかを這わせる。さわさわとなにかに撫でられるかのような感覚にぞわりと鳥肌が立つ。
ギシッと身体が強張り、息を潜め、ドキドキと心臓が早鐘を打つ。
視線だけを自身の腹へと目を向けると、なにやら黒い塊かと思っていたそれは、布?
黒いビラビラとした布がこんもりとなり俺の上に。なんだこれ?
そしてその塊がむくりと盛り上がったかと思うと、黒い小山の上には赤い色の……ん?
少しうねりのある赤いそれは、なにやら人の髪の毛のような? え?
その赤い物体はキョロキョロと周りを確認するかのように左右に動くと、その反動のまま振り向いた。
物体が振り向くとか、おかしい発言だが、いや、振り向いたんだよ。
なんせそこにはこの世の、というか、俺は今までお目にかかったことのないほどの、超絶美形の顔が乗っかっていた。精悍な顔付きのキリリとした赤髪の男。金色のキラキラと輝く瞳に整い過ぎなくらいの造形。
「え?」
な、なに? どういうこと? 天井の魔法陣からイケメン降って来た? は? 意味分からん。
呆然としていると、その超絶美形の男は俺の存在に気付き、ハッとした顔をした。そして乗っかっていた身体から降りると、俺の方に身体を向き直り再び腰元に股がった。
おい、なんでまた乗る!?
「ちょっ」
なんでまた乗るんだよ! と、文句を言おうとしたら、その男は目を細めふわりと微笑んだ。そして……
「お前が運命の相手か」
そう呟き、いきなり寝そべる俺に覆い被さり、頬に手を伸ばされ撫でられたかと思うと、その超絶美形の顔を近付け唇を奪ったのだ。
「んん!!」
はい! 今、ここ!! てなことがあり、俺がイケメンの横っ腹を殴り飛ばした訳だ。
で、ここからは冒頭に戻る!
俺はベッドの隅にジリジリと後退る。しかし、このイケメンはジリジリと近寄って来る。
「よ、寄るな!!」
「? なぜ?」
「な、なぜ!? なぜって意味分からんわ! なんで傍に寄ろうとする!? そもそもお前誰だよ!? どこから来た!?」
どこから現れたのかは一目瞭然、俺の部屋の天井からですもんね。だからそれは聞かない。
だがしかし、どこの誰かは説明しろ!! 赤髪とか金色の瞳とか意味分からんし!! 外人みたいな顔だが、服装がなんか意味分からんし!
オタクのコスプレイヤーさんか!? アニメオタクの外人さんが日本に来たのか!?
それなら納得……は、出来んな。いきなり俺の部屋の天井から降って来る意味が分からん。
「俺はジウシード・ラルストン。ラルストン領領主だ」
「…………はい? ラルストン領?」
「そう、ラルストン領」
「なにそれ」
意味が分からず唖然としていると、ジウシードと名乗ったイケメンは首を傾げた。
「なにそれ、と言われてもラルストン領領主だとしか……」
そう言いかけ、ふとジウシードはキョロッっと周りを見回した。
「ここは……どこだ?」
今頃かーい!! 俺の唇奪う前に気付け!!
「は?」
漫画やアニメでよく見る魔法陣。それが俺の部屋の天井に貼り付いている。
なんだこりゃ、と見上げたまま上半身を起こし近付いてみようとした瞬間、その魔法陣からなにかがにゅっと突き出して来た。
「!?」
その瞬間なにやらぞわりとするが、それよりもその突き出してきたものに釘付けとなった。
黒いものがにゅうっと突き出して来たかと思うと、それはするんと一気に落ちてきた。
まるでウン……いや、その想像はどうなのよ。
そんなアホなことを考えている間にそれはドサッと俺の腹の上に落ちて来た。
「ぐえぇぇっ!!」
腹の上に落ちて来たものは想像以上にデカイ物体だった。し、死ぬ……。
いきなり巨大なものが腹の上に落ち、さっき食べた夕食やらビールやらがリバースするかと思ったわ!!
一瞬意識が飛びかけ、吐きそうになるのを必死に耐え、目の前に現れた物体を見る。
咄嗟に予期せぬ出来事が起こると、人間思考が停止するんだな。恐怖すらなく、ただ「無」だった。
固まったまま自分の上に乗る「それ」を見ていると、それはもぞもぞと動き出した。
ひぃぃぃいい!! う、動いた!? な、なんなんだ!?
こんな巨大なものが動き出すとか恐怖しかないわ! 一気に思考が動き出し、一瞬にして恐怖で身体が強張る。
動き出したそれはもぞもぞと俺の身体を探るようになにかを這わせる。さわさわとなにかに撫でられるかのような感覚にぞわりと鳥肌が立つ。
ギシッと身体が強張り、息を潜め、ドキドキと心臓が早鐘を打つ。
視線だけを自身の腹へと目を向けると、なにやら黒い塊かと思っていたそれは、布?
黒いビラビラとした布がこんもりとなり俺の上に。なんだこれ?
そしてその塊がむくりと盛り上がったかと思うと、黒い小山の上には赤い色の……ん?
少しうねりのある赤いそれは、なにやら人の髪の毛のような? え?
その赤い物体はキョロキョロと周りを確認するかのように左右に動くと、その反動のまま振り向いた。
物体が振り向くとか、おかしい発言だが、いや、振り向いたんだよ。
なんせそこにはこの世の、というか、俺は今までお目にかかったことのないほどの、超絶美形の顔が乗っかっていた。精悍な顔付きのキリリとした赤髪の男。金色のキラキラと輝く瞳に整い過ぎなくらいの造形。
「え?」
な、なに? どういうこと? 天井の魔法陣からイケメン降って来た? は? 意味分からん。
呆然としていると、その超絶美形の男は俺の存在に気付き、ハッとした顔をした。そして乗っかっていた身体から降りると、俺の方に身体を向き直り再び腰元に股がった。
おい、なんでまた乗る!?
「ちょっ」
なんでまた乗るんだよ! と、文句を言おうとしたら、その男は目を細めふわりと微笑んだ。そして……
「お前が運命の相手か」
そう呟き、いきなり寝そべる俺に覆い被さり、頬に手を伸ばされ撫でられたかと思うと、その超絶美形の顔を近付け唇を奪ったのだ。
「んん!!」
はい! 今、ここ!! てなことがあり、俺がイケメンの横っ腹を殴り飛ばした訳だ。
で、ここからは冒頭に戻る!
俺はベッドの隅にジリジリと後退る。しかし、このイケメンはジリジリと近寄って来る。
「よ、寄るな!!」
「? なぜ?」
「な、なぜ!? なぜって意味分からんわ! なんで傍に寄ろうとする!? そもそもお前誰だよ!? どこから来た!?」
どこから現れたのかは一目瞭然、俺の部屋の天井からですもんね。だからそれは聞かない。
だがしかし、どこの誰かは説明しろ!! 赤髪とか金色の瞳とか意味分からんし!! 外人みたいな顔だが、服装がなんか意味分からんし!
オタクのコスプレイヤーさんか!? アニメオタクの外人さんが日本に来たのか!?
それなら納得……は、出来んな。いきなり俺の部屋の天井から降って来る意味が分からん。
「俺はジウシード・ラルストン。ラルストン領領主だ」
「…………はい? ラルストン領?」
「そう、ラルストン領」
「なにそれ」
意味が分からず唖然としていると、ジウシードと名乗ったイケメンは首を傾げた。
「なにそれ、と言われてもラルストン領領主だとしか……」
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