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11-1 好きだからぁぁ!!
「お、俺はジウシードが……す、す、すぅ……!!」
喉元まで出かかっているのは分かるのに、最後の一言がどうしても出ない!! な、なんでだ!!
ジウシードの切なそうな顔が……うぐぅ。
俺はジウシードのことが好きなんだろうか。ジウシードが俺のことを好きでいてくれているのだということは嫌というほど分かった。分かったのだが、俺はジウシードのことが好きなのかが分からない。
ただ単に絆されただけなんじゃないのだろうか。そんなふうに思ってしまう。しかし、ジウシードに真っ直ぐ見詰められ、切なそうな目を向けられると、どうしても……愛おしくなってしまうのも事実で……。
「お、俺は……その……ジウシードと同じだけの気持ちを返せるのか分からない……それでも良いのか?」
好きか嫌いかで問われれば、好きだと即答出来る。それは確実だ。しかし、それが恋としての好きなのか、家族やペットに対する好きと同義なのかが今はまだ分からない。これが相手が女の子ならばこんなにも悩まないのだろうか。
今まで女の子相手にはこれほど悩んだことなどなかった。なんとなく『好きだな』という気持ちで付き合っていたのかもしれない。それはきっと相手も同じで……だからこそ長続きしなかったのかもしれない。
そもそもモテない俺は、いつも自分から告白し、受け入れてもらい付き合っていた。年を取るにつれ自信もなくなっていき、さらには忙しさを理由にし、付き合うという行為自体がなくなっていった。
そこにきて、いきなり超絶美形のしかも男に、これだけ熱烈にアピールされるとか……俺の許容範囲を超えている。
「アキラは俺に触れられるのは嫌か?」
「え? い、いや、触れられるのは嫌じゃない……」
「なら、キスされるのは?」
「い、嫌じゃ……ない……」
な、なんか恥ずかしいんだが!
「では、抱かれても良いと思ってくれるのか?」
「え、あ、あの……その……」
ジウシードの気持ちに応えるということはそういうことだよな……。俺の気持ち云々というより、受け入れられるか受け入れられないかが問題となってくる訳だよな。
ジウシードに触れられるのも、キスされるのも嫌じゃない……むしろ気持ち良かった……この先を期待してしまっている自分がいることにも気付いている……。ジウシードが入れたいと思うのなら、俺が受け入れてみても良いのかもしれない、とすら思ってしまう。
面と向かって肯定するのも恥ずかしく、俯きながらおずおずとコクンと頷いてみせると、チラリと見えたジウシードの口元が緩んだ気がした。
「で、でも!! お、お前と同じだけの気持ちを返せるか分からないのに……そ、その……行為だけとか……そんな、なあ?」
気持ちが伴わない性行為ほどむなしいものはない気がする。しかし、ジウシードはフッと笑った。
「フッ、アキラは真面目だな」
そう笑ったジウシードは唇を重ねて来た。チュッと音を立て唇を合わせたかと思うと、ペロリと唇を舐める。
「キスをするのも、触れられるのも嫌ではないのだろう?」
「あ、あぁ」
「しかも俺に抱かれても良いとさえ思ってくれているんだろう?」
「…………」
「それは俺のことを好きだから、という理由以外にあるか?」
「!!」
「いくら触れる行為が気持ち好かろうと、好きでもない男に抱かれることを受け入れる馬鹿がいるか?」
「ば、馬鹿って……」
鼻先を合わせたまま真っ直ぐに見詰めてくるジウシードの綺麗な金色の瞳に自分が映る。
「俺を好きだと言え」
そう呟いたジウシードの瞳は先程までの優し気な瞳から一転、雄の眼になっていた。獲物を狙う獣。鋭い目付きで睨まれるように視線を向けられたかと思うと、大きく口を開け、俺の口に噛み付いた。
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