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23-2 初恋
しおりを挟む「私はジウシードの母親の姉の子供であったため、よく幼い頃から会っていたのですが、厳しい母親が怖かったのか、よく私の元へと逃げて来ていました。それがまた可愛くてですね。それなのに母親の厳しさは増すばかりで成長するにつれ、私にすら寄り付かなくなってしまい……そして成長期を迎え、全く可愛くなくなってしまいました……」
ちっ、とあからさまな舌打ちをするラウルに苦笑しつつ、下半身も下着を残し剥ぎ取られ、尻をさわっと撫でられ、「ひっ」と思わず声が漏れ、鳥肌が立つ。
「そういった経緯のせいかジウシードは女性嫌いになりましてね。必要以上に女性とは話さない、目を合わせることすらしない。そんな人間になっていました。常に周りを威嚇し寄せ付けず、ひたすら領主になるために鍛えられてきた……」
少し悲しそうな声に思えて、背後に立つラウルに振り向くと、それに気付いたラウルが俺の肩に、用意されてあった服を掛け、臍の下辺りをさわっと撫でながら、耳元に口を近付けた。撫でられて下腹部がぞわぞわとし、下半身がむくりと反応しそうになって焦る。
「だからジウシードは貴方と出逢ったとき、国も領地も何も知らない貴方が新鮮だったのでしょうね。そして好きになった。ジウシードにとっての初恋ですよ。フフ」
「は、初恋……」
その言葉に胸がきゅうっと絞め付けられた。な、なんだこれ、むず痒い!!
ドキドキとなんだか恥ずかしいやら照れるやら、とそわそわしていると、『バァァァアアン!!』と音を立てながら扉が思い切り開かれ、心臓が口から出るかと思ったわ!!
「アキラ!!」
「え、ジウシード?」
怒り顔のジウシードが大股で近付いて来たかと思うと、グイッと腕を引かれ、ジウシードの腕のなかへとすっぽりと収まった。半裸だった俺の姿を見て、ジウシードの顔はさらに一層鬼のような形相に……。
「ラウル!! お前は出て行け!! 後は俺がやる!!」
「はいはい、分かりましたから、大声を出さないでください」
ラウルはやれやれといった顔で、降参のようなポーズで手をひらひらとさせると、「それでは」と俺の手の甲にキスをし扉へと向かった。そして振り向きざまに、
「嫉妬深過ぎる男は嫌われますよ?」
そう爆弾を落として去って行った。おぃぃ!! 余計なこと言わんでいいから!!
「黙れ!!」
怒りの黒いオーラが出ていそうなジウシードにぎゅうっと抱き締められ苦しい。
「ジ、ジウシード、苦しい」
「あぁ、すまん」
ジウシードは慌てて身体を離し、改めて半裸の俺を見るとギロリと睨まれる。い、いや、俺、悪くないし!!
「なにもされていないか?」
「え、う、うん」
なにやら時々さわさわと身体を撫でられていたような気はするが……ま、まあ、なにかされたというほどでもないだろう。しかし、それを見透かしたのか、じとっと睨まれたじろぐ。
「い、いや、本当になにもないから!!」
「そうか」
ジウシードはボソッとふてくされたような返事をすると、ベッドに腰かけ、その膝の上に俺を跨らさせた。そして軽く唇を合わせたかと思うと、半裸のままの俺の胸をさわっと撫でる。そしてそのまま誓約の証を撫でた。
「んふっ」
軽くちゅっちゅっと啄むようなキスが、なんだかむず痒く恥ずかしい。いつも濃厚なキスをされるのに、こんな軽いキスが余計に恥ずかしいとは!! な、なんでだろ。ふにっふにっと軽く触れ合う唇が柔らかく、下唇や上唇を啄まれ、そして舌でペロリと舐められる。
いつまでたっても挿入されない舌が俺の唇を柔らかく舐めていることに、ぞわぞわとしながらも、次第に物足らなさを感じてしまい、ジウシードの舌を追うようにパクパクと口が開いてしまう。
薄く開いている目が妖艶に笑い俺を見詰める。
「どうした?」
ニヤリと笑うジウシードに腹が立ち、ジウシードの頭を掴み思い切り引き寄せた。そして自分からジウシードの口内へと舌を挿入させた。
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