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49-2 最後の試練
ハッとし、ジウシードは自身の服を掴み、開いたかと思うと自身の胸を見た。そこには以前と変わらぬままの誓約の証。そのことにホッとする。
「なにしてんだ、と思ったら、誓約の証か。俺もそのままだな。でもリョウはいない……どういうことなんだ」
ジェイクも自身の胸にある誓約の証を確認し、安堵の溜め息を吐くが、しかし、リョウの姿がないことに落ち着かない気分となる。
「誓約の証があるということは、伴侶がいたのは間違いないんだよな。夢とかではないよな……」
ウェジエが不安そうな顔で呟いた。
「夢な訳がないだろう! アキラは確かにここにいた! 俺と一生を共にしてくれると誓ったんだ!」
ジウシードは叫んだ。それはまるで自分に言い聞かせるような、そんな叫びだった。しかし、ウェジエもジェイクもそんなジウシードの気持ちは痛いほどに理解をしていた。自分たちも同様だからだ。
一生を共にする覚悟を決め愛し合ったのだ。それが夢であるはずも、嘘であるはずもない。
「とにかく皆を探そう」
「あぁ」
ジウシード、ウェジエ、ジェイクは頷き合い、城のなかを探し回った。自分たちの部屋、演習場、大広間や晩餐を行った部屋、厨房も探した。一体何時間探し続けたのか、それでもアキラたちの姿は一向に見当たらない。
「くそっ。どういうことなんだ……アキラ……」
ジウシードに焦りの色が浮かぶ。全く姿が見えないことに不安になる。どこに飛ばされたのか……危険な目に遭っていないのか……ひとりで不安になってはいないか……、そんなことばかりが頭を占める。
ギリッと唇を噛み締め、どうすべきかを必死に考える。そんなときバンッと扉が開いた。部屋へと現れたのはラウルだった。自身の部屋で改めて考え込んでいたジウシードは、ノックもなしに飛び込んで来るラウルに怪訝な目をした。普段ならばそんなことをするはずもない。
ラウルたち側近と使用人たちも、突然帰還したジウシードたちに驚いていた。
試練が完了したとき、どのように帰還するかは、試練の内容が分からないためタイミングや方法などは未知だった。
しかし未知ではあるが、洞窟へ向かったジウシードたちは当然城の外から戻って来ると、ラウルたちは思っていた。それなのに、城へと帰還したという知らせもない状態で、すでに城内に三領主が帰還し、さらにはなにやら緊迫した雰囲気で城内を徘徊していた三領主たち。そのことに使用人たちは驚きを隠せなかった。
そして伴侶たちが行方不明だ、ということを聞き、ラウルたちはなおさら驚愕の顔となった。そして、伴侶たちを見付け次第、三領主へと連絡する、という連携となり、城内に勤める者全てに伴侶捜索の伝令が出されたのだった。
「どうした?」
確認もなしに飛び込んで来たラウルを咎めるでもなく、ジウシードは冷静に聞いた。ラウルがこんな状態で飛び込んで来るということは、おそらく伴侶のことだろう、とジウシードは判断した。
普段とは違い、髪が乱れ荒い呼吸を繰り返し、全くラウルらしくない。そんな姿に緊急性を感じ緊張が走る。
「フェシス様が見付かりました!」
「!!」
ラウルの言葉にジウシードは目を見開き、ガタッと椅子から立ち上がり叫ぶ。
「どこだ!?」
「今、顔合わせをした大広間におられます!!」
ジウシードはすでに走り出し、背後から叫ぶラウルの言葉を聞いた。そして、その言葉を聞いたと同時に駆ける速度は上がり、使用人たちが驚く姿を気にするでもなく大広間へと急いだ。
バンッ! と勢い良く扉を開きなかへと入ると、そこにはすでにウェジエとジェイクの姿が見える。部屋へと飛び込んで来たジウシードにふたりはビクリと身体を震わせ振り向いた。そして一番奥にはフェシスの姿が……
「なにしてんだ、と思ったら、誓約の証か。俺もそのままだな。でもリョウはいない……どういうことなんだ」
ジェイクも自身の胸にある誓約の証を確認し、安堵の溜め息を吐くが、しかし、リョウの姿がないことに落ち着かない気分となる。
「誓約の証があるということは、伴侶がいたのは間違いないんだよな。夢とかではないよな……」
ウェジエが不安そうな顔で呟いた。
「夢な訳がないだろう! アキラは確かにここにいた! 俺と一生を共にしてくれると誓ったんだ!」
ジウシードは叫んだ。それはまるで自分に言い聞かせるような、そんな叫びだった。しかし、ウェジエもジェイクもそんなジウシードの気持ちは痛いほどに理解をしていた。自分たちも同様だからだ。
一生を共にする覚悟を決め愛し合ったのだ。それが夢であるはずも、嘘であるはずもない。
「とにかく皆を探そう」
「あぁ」
ジウシード、ウェジエ、ジェイクは頷き合い、城のなかを探し回った。自分たちの部屋、演習場、大広間や晩餐を行った部屋、厨房も探した。一体何時間探し続けたのか、それでもアキラたちの姿は一向に見当たらない。
「くそっ。どういうことなんだ……アキラ……」
ジウシードに焦りの色が浮かぶ。全く姿が見えないことに不安になる。どこに飛ばされたのか……危険な目に遭っていないのか……ひとりで不安になってはいないか……、そんなことばかりが頭を占める。
ギリッと唇を噛み締め、どうすべきかを必死に考える。そんなときバンッと扉が開いた。部屋へと現れたのはラウルだった。自身の部屋で改めて考え込んでいたジウシードは、ノックもなしに飛び込んで来るラウルに怪訝な目をした。普段ならばそんなことをするはずもない。
ラウルたち側近と使用人たちも、突然帰還したジウシードたちに驚いていた。
試練が完了したとき、どのように帰還するかは、試練の内容が分からないためタイミングや方法などは未知だった。
しかし未知ではあるが、洞窟へ向かったジウシードたちは当然城の外から戻って来ると、ラウルたちは思っていた。それなのに、城へと帰還したという知らせもない状態で、すでに城内に三領主が帰還し、さらにはなにやら緊迫した雰囲気で城内を徘徊していた三領主たち。そのことに使用人たちは驚きを隠せなかった。
そして伴侶たちが行方不明だ、ということを聞き、ラウルたちはなおさら驚愕の顔となった。そして、伴侶たちを見付け次第、三領主へと連絡する、という連携となり、城内に勤める者全てに伴侶捜索の伝令が出されたのだった。
「どうした?」
確認もなしに飛び込んで来たラウルを咎めるでもなく、ジウシードは冷静に聞いた。ラウルがこんな状態で飛び込んで来るということは、おそらく伴侶のことだろう、とジウシードは判断した。
普段とは違い、髪が乱れ荒い呼吸を繰り返し、全くラウルらしくない。そんな姿に緊急性を感じ緊張が走る。
「フェシス様が見付かりました!」
「!!」
ラウルの言葉にジウシードは目を見開き、ガタッと椅子から立ち上がり叫ぶ。
「どこだ!?」
「今、顔合わせをした大広間におられます!!」
ジウシードはすでに走り出し、背後から叫ぶラウルの言葉を聞いた。そして、その言葉を聞いたと同時に駆ける速度は上がり、使用人たちが驚く姿を気にするでもなく大広間へと急いだ。
バンッ! と勢い良く扉を開きなかへと入ると、そこにはすでにウェジエとジェイクの姿が見える。部屋へと飛び込んで来たジウシードにふたりはビクリと身体を震わせ振り向いた。そして一番奥にはフェシスの姿が……
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