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番外編
国王選定の儀 リョウ×ジェイク編③
しおりを挟む「!? ど、どこ触ってやがる!!」
「ん? どこってケツの孔」
ジェイクはぎょっとした顔でリョウを見たが、リョウはそれを気にするでもなく、つぷりとジェイクの後孔に指を入れた。
「んあぁ!! なっ!! や、やめろ!!」
「はぁ? ヤるんじゃないのかよ? 男同士ならここしかないだろうが」
「な、なんで俺が入れられる前提なんだよ!!」
ジェイクはガバッと上半身を起こし、腹の辺りにあったリョウの頭をガシッと掴んだ。しかし、リョウは溜め息を吐きながらその手を払いのける。
「はぁ? なに言ってんだ。お前は俺の人生を犠牲にするんだろうが。なら、お前もなにかを差し出すのが筋ってもんだろうが。他人の人生とお前のケツの孔と、比べるまでもないよな?」
じとっと睨むリョウに思わず、うぐっと唸り押し黙ったジェイク。そしてそのまま挿入される指……。
「うおぉ……ふぐぅ……」
「だ、だから……その声さ……ブフッ……」
「う、うるせー!! やるならさっさとやれ!! くそぉっ!!」
ひとりだけ素っ裸な上に両脚を開かれ、股間を覗き込まれ、後孔に指を突っ込まれている姿に、ジェイクの羞恥心は最高潮に達し、真っ赤な顔に涙目のまま、シーツを握り締め必死に耐える。
「はいはい。でもしっかりとほぐさないとお前が辛いぞ?」
そう言いながらジェイクの後孔に指の本数を増やし挿入していくリョウは、楽しむようにぐりぐりと孔を押し広げていく。そしてある一点をぐにっと押した瞬間、ジェイクの身体がビクンと跳ねた。
「あぁぁ!! そ、そこ、やめっ!! い、いやだ!!」
「ん? ここか?」
急にビクンビクンと身体を弾ませ始めたジェイクに、リョウは楽しそうにその一点を攻め続ける。
「や、やめろって言ってんだろうがぁ!! あぁぁ!!」
強い刺激にジェイクは息も絶え絶えになりながら、ビクビクと身体を震わせぐったりとする。ジェイクの中心はガチガチのまま、先走りがとろりと腹に落ちそうな勢いで先端を濡らしている。涙がこめかみを伝い、汗なのか涙なのか分からなくなっていた。高揚した顔のまま呆けたジェイクはどこを見ているのか。
そんなジェイクの姿にリョウはごくりと生唾を飲み込み、ずるりと指を抜いた。
「んあっ……」
後孔から抜かれた指にすらなにやら卑猥な声を上げ、しかし、ジェイクはもうすでに羞恥心すら分からなくなるほど朦朧としていた。
リョウはドクドクと自身の中心が脈打つのを感じ、必死に呼吸を整えようと深く息を吐く。膝立ちになりながらジェイクを見下ろし、自身の中心をジャージのズボンから取り出す。ガチガチになったリョウの中心は、今までにないほどそそり立ち脈打つのが分かる。
リョウは自身が男に対してこれほど興奮するとは思ってもみなかったと苦笑する。そして朦朧としているジェイクの後孔に、自身の中心を当てがった。
ぐったりとしていたジェイクは自身の後孔へとピタリと押し当てられたものにビクリと身体を震わせ、身体を強張らせた。
リョウはそれに気付いたが、しかし、もう止めることはない。ぐぐぐっとジェイクの孔へと押し付け、そしてジェイクのなかへと侵入していく。
「あぁぁあっ!!」
「ぐっ」
自身のモノを支えながらぐぐっと先へと進んで行く。ジェイクの孔は侵入を拒絶するかのように、リョウのモノをキツく絞め付ける。
「くっ、力、抜け……」
苦悶の表情を浮かべながらリョウはジェイクに訴えるが、ジェイクも同様に苦悶の表情だ。今まで他人のモノなど受け入れたことのない孔は、初めての感覚に拒絶を示しても仕方がない。
「む、無理……」
涙目のままのジェイクに仕方ないなとばかりに、リョウはジェイクに覆い被さるように身体を重ね、そして唇を合わせた。
「ふぐっ」
ジェイクの耳をさわさわと撫でながら、舌で歯肉をなぞり、上顎を撫でる。舌を絡ませくちゅくちゅと水音を響かせる。唾液はジェイクの口内へと流れ込み、ごくりとジェイクが喉を震わせたのが分かると、フッと笑った。
耳に頬に顎に喉仏と、舌を這わせ、ぴちゃぴちゃと卑猥な音を立てる。そのたびに必死に声を我慢しようとするジェイクから漏れる吐息が余計にリョウの耳を刺激する。
リョウはジェイクの耳の穴へと舌を突っ込むと、ジェイクはぞわぞわと鳥肌を立たせ見悶えた。
「み、耳はやめろっ!!」
じゅぱじゅぱとわざと音を立てながら耳へと舌を突っ込み、ジェイクが悶えている隙に、リョウは自身のモノをズプンッ!! と、最奥まで突っ込んだ。
「あぁぁ!!」
「は、入ったぞ。じゃあ動くからな」
「ちょ、ちょっと待っ……」
ジェイクが待てというより先に、リョウは再び抜ける寸前までズルんと抜いたかと思うと、バチン!! と激しく打ち付けた。
「んあぁぁあ!!」
「ハッ、ハッ……」
首元に顔を埋めたリョウの荒い息遣いが、ジェイクの耳を擽る。リョウはジェイクの頭を抑え付けながらバチンバチンと激しく腰を打ち付け、ジェイクは今までにない感覚に訳が分からなくなり、リョウに縋りつくかのように腕を回し、しがみ付いていた。
「あっ、あっ」
腰を振るリョウの身体と自身の身体に挟まれゴリゴリと刺激され、ジェイクの中心は再び欲を吐き出しそうなほどにガチガチに。最初は苦しそうな顔をしていたジェイクも次第に蕩けた顔となっていく。
明らかに今までなら抱く側だったのだろうジェイクの雄の顔から一気に雌の顔となった姿に、リョウ自身も今までになく高揚する自分がいることに気付く。
「くっ、も、もう出る……いくぞ?」
リョウはジェイクの耳元でそう囁くが、ジェイクは酸欠なのか浅い呼吸を繰り返し、リョウの声など聞こえていないようだった。
リョウは苦笑しつつも、もうすでに自身も限界寸前だった。ずるんと抜けたかと思われたモノはバチンッ!! と、大きな音を立てながら最奥まで突き上げ、そして、ジェイクのなかへと欲を吐き出した。
リョウが達したと同時にジェイクもリョウとの間に自身の欲をドピュッと吐き出し、そして、お互いの欲は全て出し切るようにドピュッドピュッと吐き出され続けた。
「ハァハァ……」
お互い荒い息のまま脱力し、リョウはジェイクの上に覆い被さった。ジェイクの分厚い胸板は大きく上下し、ドクドクと心臓の音が伝わる。そしてジェイクの汗ばんだ肌と触れ合う自身の胸の中心。そこがなにやら熱くなる。それと同時にふたりの周りに紫色の光が放たれた。
「!?」
リョウは驚き、目を見開いたがジェイクはいまだ荒い息のまま眉間に皺を寄せ、瞼をきつく瞑っている。
紫色の眩い輝きはふたりを包み込み、周りを見えなくさせた。リョウはあまりの眩しさに思わず目を瞑る……。
「おぉ、お早いお戻りで!! おかえりなさいま……せ?」
多くの声が響き渡り、何事だとリョウは目を見開いた。ジェイクの胸に手をつき顔を上げ、見回したその周りには多くの見知らぬ人間たち……。
周りの人間たちは歓喜の声を上げたかと思うと、そのまま怪訝な顔となった。駆け寄ろうとしていたひとりの男がなにやら手にマントらしきものを広げたまま、ギシッと固まりその場に足が貼り付いたかのように止まった。
リョウは一瞬思考が停止したが、すぐさま自身の状況を把握し、ズルンとジェイクの後孔から自身のモノを引き抜くと、すぐさまジャージのなかへと納めた。
「んあん」
後孔から引き抜かれ、思わず声を上げたジェイクの姿は今までの男臭さは全くない。顔は火照り涙目で蕩けた顔。全裸のまま床に脱力していたジェイクは、突然覚醒したのか「ハッ」とした顔で目を見開き、ガバッと身体を起こした。
「!! ち、違う!!」
周りの人間たちの戸惑った顔にジェイクは見る見るうちに顔が真っ赤に染まる。そして自身の腹と後孔を濡らすお互いから吐き出された白濁した液体に気付き、頭は完全にパニックに…………そして逃げ出した。
「こ、これは違うんだぁぁああ!!」
訳の分からない言い訳を叫びながらジェイクは素っ裸のまま走り去って行った……。
シーン……。その場に残された者たちは茫然。当然リョウもそのひとりだった。
「い、いやいや、置いて行かれても……」
ボソッと呟いた言葉にマントを持ち立ち尽くしていた男がハッと我に返り、おずおずとリョウへと近付き、傍に膝を付いた。
「あー……、ジェイク様が申し訳ございません。私はジェイク様の側近をしております、ロイドと申します。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
ロイドは苦笑しながらも、リョウに手を差し伸べ立たせた。
「西嶺凌……名がリョウだ」
「リョウ様ですね、ジェイク様から詳しい話は聞いておられますか?」
「あぁ、まあ、なんとなくは……あ、やべっ……」
「? どうされましたか?」
「あー……、いや、なんでもない」
兄貴のことを忘れていた、と、リョウは苦笑した。売り言葉に買い言葉で怒りのままについヤッてしまったが、唯一の家族である兄に話をする前に事を起こしてしまった。いつもなら冷静に状況判断をするリョウが予期せぬ事態になってしまったことに苦笑する。
「まあ、なんとかなるか」
そう言って笑ったリョウ。この後唯一の家族である兄と、この異世界で再会を果たすことになろうとは、このときのリョウはまだ知る由もなかった。
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