12 / 41
第1章 最強最悪PKチームの異世界転生
【第12話】 残されたギルドメンバー
しおりを挟む
「え…ぐあぁ!?」
瀕死の身体を硬い壁に打ち付けて、悶絶する天狗。
続く攻撃を避ける力もなく覚悟を決めて目を閉じるが、予想していた衝撃は訪れなかった。
代わりに、自身が寝ていた地面に爆音を上げて雷が落ちる。
「いってぇ……
なぁ!?フォマ!!」
近くにいたキングは、まともに防御できずに直撃を受ける。
天狗との闘いでほとんど無傷だった彼が、初めてまともな傷を受けた。
状況が把握できず目を丸くする天狗だったが、キングの声をかけた方向を見てはっとする。
エルフの森から侵入しようとしていた、もう一人の侵入者。
魔法使い・ソーサレスのフォマが立っていた。
「トドメを刺す手伝いをしてさしあげたのですが、何をやっているんですか?」
「先に戦闘を仕掛けたのは俺だ、
生かすも殺すも俺の勝手だ」
フォマは攻撃の衝撃であちこちの服が焼けて破れ、引き締まったくびれや鎖骨が露わになっていた。
胸元に至っては、腕を当てていなければ全てが見えてしまいそうだ。
もちろん完全に服が無くなるではなく、これは残りHPが少ないときに見られる演出の一つだった。
天狗も服がズタズタに切り裂かれて鍛えられた胸筋が見える状態なのだが、この場でそのことに注目をする者は一人もいなかった。
敵が仲間と合流した最悪の状況にも関わらず、天狗は場の空気に違和感を覚えた。
(な、なんだ?一気に空気が悪くなったぞ。
仲間じゃないのか?)
日が落ち始め、気温は一気に下がっていく。
だがそれ以上に、キングとフォマの間の空気は凍え切っている。
まるでライオンとハイエナが獲物を奪い合っているような、一触即発、触れたらすぐに破裂する爆弾のような危うさがあった。
部外者であり獲物側の天狗は、ただひたすらにじっと息を殺すことしかできない。
「いいえ、それでは私の気が収まりません」
「お前の機嫌なんか知るかよ」
「大体、賭けはどうするんですか?
どうせ、私がソレを殺せば賭けは私の勝ちでしょう」
(ソレって僕のことだよな…賭け?
まさか、PKした数を競い合っていたのか!?)
「わぁった。賭けはテメェの勝ちでいい」
「はぁ…?随分勝手ですねぇ…」
(…強さの次元も倫理観も違う、この人たちは僕と違う次元で生きているんだ)
「勝手なもんか、こいつはエリクサーを渡すと言っている。
それは俺ら全員にとってのメリットだろうが」
「それ…どういう意味で言ってるんですか?」
エリクサーは、個人だけではなくチーム全体にとって利益のある回復薬だ。
それを知らないわけでもないだろうに、フォマは眉間に皺を寄せる。
逆鱗に触れられた龍のように魔力をたぎらせ、言葉の端々に怒気を含みキングに詰め寄る。
フォマがその気になれば、キングはほとんどゼロ距離で攻撃を受ける形になる。
だが天狗はもちろんキングすらも困惑しているようで、端正な顔についた凛々しい眉が下がる。
「俺が持つのが不満なら、サカナに持たせてもいい。
何マジギレしてんだ」
「エリクサーなどどうでもいいんですよ、そのレベルの話はしてません」
「あ?じゃあ何の話をしてんだ」
「無意識に言ったんですか?
なおさら、たちが悪い…」
「だから何の話をして…」
「その話っ!!
拙者も混ぜて欲しいでござるっ…!」
全員の注目が集まる。
前を塞ぐように立つ木々を押し倒して、顔の色が左右で異なる大柄の男が現れる。
夕焼けを背後に、フランケンシュタインのサカナは服についた土を叩き落とした。
チャットと戦闘で上がった煙を見て駆けつけたのだろうが、フランケンシュタインは吸血鬼のような俊敏さもなければ魔法使いのような飛行魔法も使えない。
息を切らして走り、いくつもの障害物をその身で超えてきたのが身体の汚れ具合からわかった。
「…サカナ」
「ぜぇ、はぁ、はぁ、疲れたでござる…」
「お前まで…何でここがわかった?」
「いや、遠くから山から煙と爆発が見えて…ぜぇ、ぜぇ、
やはりお主らでござったか…」
「何ですか?
あなたもコレの肩をも…何です?」
孤立しても意見を変える気はないフォマに、サカナは回復ポーションを投げて渡した。
「その前に、一つ確認したいことがあるでござる。
そこの天狗どの」
「は、はいっ」
「始まりの街を滅ぼしたのは、お主らか?」
キングが烈火のごとく怒るとしたら、サカナは静かに青い炎を燃やすように怒る。
黒々とした瞳を無機質に向けて尋ねる顔に表情はなく、偽りを許す寛容さは感じられない。
キングもフォマも、サカナの質問に茶々を入れる真似はしなかった。
天狗は何も言わずとも、彼がこのチームのリーダーであると知った。
その上で洞窟の中で転がったままの体勢を崩して正座をすると、背を正して答える。
「い、いいえ。
僕が気づいた時には、もうあぁなっていて…」
「…そうでござるか」
逸らされた瞳がどこか悲しみを含んでいるのを見ても、天狗にかける言葉は見つからなかった。
だが、慰めの言葉をかける思いやりがある人間はここにいない。
既に戦意がうやむやになったキングの横で回復ポーションを飲み干して全回復したフォマが、天狗に近寄ろうと一歩を踏み出す。
すぐにキングが行く手を塞ぐように前に立ち、サカナも声をかける。
「質問は終わりましたよね?
私はさっさとソレを殺したいのですが」
「お前こそ話聞いてたか?」
「まだ話は終わっていないでござる。
お主ら、メニュー画面から今の時刻を確認するでござる」
「…時間稼ぎなら」
「いいから、やるでござる」
言われた通りにフォマがメニュー画面を開くと、現在の時刻が表示される。
午後6時30分、日没の時刻から考えても狂いはないように思える。
フォマはわけがわからず声を上げようとして、ふとその上で同じように時を刻む日付を見て口を閉じた。
現在の日付をキングが言葉にする。
「西暦6660年3月5日…?」
「やはり、拙者だけのバグではないでござるな」
「これは…タイムスリップということですか?」
「その可能性が高いでござる。
どうやら拙者たちは…未来の百魔蹂躙に転移したようでござる」
「だが、技術的発展はそこまでしているように見えなかったぞ。
それでも、六千年以上経っているってことか?」
(それだけ時が経ったってことは…なぜだろうな。
もう現実世界には戻れないような気がする)
「これは仮説でござるが、具体的にはゲームシステムが統治を放棄してからと考えているでござる。
果たしてこの世界のNPCやモンスターが自我を持って生活し始めて6660年なのか、
それともここは完全な並行世界なのか、
それはまだわからないでござるが…何はともあれ、情報が必要でござる」
沈黙が流れる。
ゲームを長くプレイしていたキングは、ゲーム世界に転移したときではないにせよ多少驚いていた。
そしてどこかで、もう自分は元の世界に戻れないのではないかと感じ始めていた。
それは直観というよりも、自然法則のような変えられないルールのような気がした。
そしてサカナは、この未知の世界を知るため、さらなる情報が欲しいと感じる。
「そして問題は……天狗どの、お主も転移をしてきたのでござろう?」
「は、はい…僕は千年前に転移をしてきました」
「千年前?」
「はいっ」
「他に転移してきたプレイヤーに会ったことは?」
「…な、ないです。
僕は最後にウィークリーミッションをしていて、それで途中で転移が始まって」
「ウィークリーミッション…って、俺達が最後に達成したアレか?」
「キングが暴れ狂ったアレですか」
「おい思い出させんな…イライラしてくるだろうが…」
「ウィークリーミッションといっても種類があるでござるが、どれ難易度は何でござるか?」
「えっと、確か一番難易度の高い…
『貌のない猫からの挑戦状』です。」
「つまりでござるよ、フォマ。
拙者たちのギルドで、他にそのレベルに達しているメンバーはいないでござる。
彼らはこの世界に転移しないか、しても千年後に転移をする可能性が高いでござる」
「ちっ…そういうことか」
それを聞いたフォマが、みるみる青ざめていく。
キングはやっとフォマの考えに気づいて、舌打ちと共に洞窟の壁にもたれかかった。
フォマはエリクサーが必要になるような、ギルドメンバーの誰かが死ぬことを不吉だと嫌がったのだ。
とくに彼女が気にかけているのはここにはいない、ログオフ状態のギルドメンバーだ。
キングから見れば足手まといの弱いプレイヤーでも、彼女にとってはここにいる悪友以上の思い入れがある。
「ま…まだ、千年後と決まったわけでは…
そ、それに、転移しても手動でログオフにしている可能性もあるでしょう?」
「偶々彼らが最高難易度のウィークリーミッションを受けていれば、あり得るかもしれないでござるが…」
「……」
「もう彼らには会えないと思っていた方が、心の整理がつくのではござらんか?」
「…それでも私は、彼女たちを探します。誰が何と言おうとも」
「そうでござるか」
最後は、サカナが身を引いた。これ以上は、どこまで行っても平行線になると察知したからだ。
日が沈んで既に十分な時間が経っており、空には満天の星空が広がっている。
欠けた月光以外に辺りを照らすものはなく、現代では滅多に見られない六等星の光にキングが目を細める。
あと数日もすれば、新月でさらに明るく星が見えるだろう。
告別式の後のような雰囲気に耐えられなくなったキングが、一つの提案をする。
「おいお前ら、場所を移動しようぜ」
瀕死の身体を硬い壁に打ち付けて、悶絶する天狗。
続く攻撃を避ける力もなく覚悟を決めて目を閉じるが、予想していた衝撃は訪れなかった。
代わりに、自身が寝ていた地面に爆音を上げて雷が落ちる。
「いってぇ……
なぁ!?フォマ!!」
近くにいたキングは、まともに防御できずに直撃を受ける。
天狗との闘いでほとんど無傷だった彼が、初めてまともな傷を受けた。
状況が把握できず目を丸くする天狗だったが、キングの声をかけた方向を見てはっとする。
エルフの森から侵入しようとしていた、もう一人の侵入者。
魔法使い・ソーサレスのフォマが立っていた。
「トドメを刺す手伝いをしてさしあげたのですが、何をやっているんですか?」
「先に戦闘を仕掛けたのは俺だ、
生かすも殺すも俺の勝手だ」
フォマは攻撃の衝撃であちこちの服が焼けて破れ、引き締まったくびれや鎖骨が露わになっていた。
胸元に至っては、腕を当てていなければ全てが見えてしまいそうだ。
もちろん完全に服が無くなるではなく、これは残りHPが少ないときに見られる演出の一つだった。
天狗も服がズタズタに切り裂かれて鍛えられた胸筋が見える状態なのだが、この場でそのことに注目をする者は一人もいなかった。
敵が仲間と合流した最悪の状況にも関わらず、天狗は場の空気に違和感を覚えた。
(な、なんだ?一気に空気が悪くなったぞ。
仲間じゃないのか?)
日が落ち始め、気温は一気に下がっていく。
だがそれ以上に、キングとフォマの間の空気は凍え切っている。
まるでライオンとハイエナが獲物を奪い合っているような、一触即発、触れたらすぐに破裂する爆弾のような危うさがあった。
部外者であり獲物側の天狗は、ただひたすらにじっと息を殺すことしかできない。
「いいえ、それでは私の気が収まりません」
「お前の機嫌なんか知るかよ」
「大体、賭けはどうするんですか?
どうせ、私がソレを殺せば賭けは私の勝ちでしょう」
(ソレって僕のことだよな…賭け?
まさか、PKした数を競い合っていたのか!?)
「わぁった。賭けはテメェの勝ちでいい」
「はぁ…?随分勝手ですねぇ…」
(…強さの次元も倫理観も違う、この人たちは僕と違う次元で生きているんだ)
「勝手なもんか、こいつはエリクサーを渡すと言っている。
それは俺ら全員にとってのメリットだろうが」
「それ…どういう意味で言ってるんですか?」
エリクサーは、個人だけではなくチーム全体にとって利益のある回復薬だ。
それを知らないわけでもないだろうに、フォマは眉間に皺を寄せる。
逆鱗に触れられた龍のように魔力をたぎらせ、言葉の端々に怒気を含みキングに詰め寄る。
フォマがその気になれば、キングはほとんどゼロ距離で攻撃を受ける形になる。
だが天狗はもちろんキングすらも困惑しているようで、端正な顔についた凛々しい眉が下がる。
「俺が持つのが不満なら、サカナに持たせてもいい。
何マジギレしてんだ」
「エリクサーなどどうでもいいんですよ、そのレベルの話はしてません」
「あ?じゃあ何の話をしてんだ」
「無意識に言ったんですか?
なおさら、たちが悪い…」
「だから何の話をして…」
「その話っ!!
拙者も混ぜて欲しいでござるっ…!」
全員の注目が集まる。
前を塞ぐように立つ木々を押し倒して、顔の色が左右で異なる大柄の男が現れる。
夕焼けを背後に、フランケンシュタインのサカナは服についた土を叩き落とした。
チャットと戦闘で上がった煙を見て駆けつけたのだろうが、フランケンシュタインは吸血鬼のような俊敏さもなければ魔法使いのような飛行魔法も使えない。
息を切らして走り、いくつもの障害物をその身で超えてきたのが身体の汚れ具合からわかった。
「…サカナ」
「ぜぇ、はぁ、はぁ、疲れたでござる…」
「お前まで…何でここがわかった?」
「いや、遠くから山から煙と爆発が見えて…ぜぇ、ぜぇ、
やはりお主らでござったか…」
「何ですか?
あなたもコレの肩をも…何です?」
孤立しても意見を変える気はないフォマに、サカナは回復ポーションを投げて渡した。
「その前に、一つ確認したいことがあるでござる。
そこの天狗どの」
「は、はいっ」
「始まりの街を滅ぼしたのは、お主らか?」
キングが烈火のごとく怒るとしたら、サカナは静かに青い炎を燃やすように怒る。
黒々とした瞳を無機質に向けて尋ねる顔に表情はなく、偽りを許す寛容さは感じられない。
キングもフォマも、サカナの質問に茶々を入れる真似はしなかった。
天狗は何も言わずとも、彼がこのチームのリーダーであると知った。
その上で洞窟の中で転がったままの体勢を崩して正座をすると、背を正して答える。
「い、いいえ。
僕が気づいた時には、もうあぁなっていて…」
「…そうでござるか」
逸らされた瞳がどこか悲しみを含んでいるのを見ても、天狗にかける言葉は見つからなかった。
だが、慰めの言葉をかける思いやりがある人間はここにいない。
既に戦意がうやむやになったキングの横で回復ポーションを飲み干して全回復したフォマが、天狗に近寄ろうと一歩を踏み出す。
すぐにキングが行く手を塞ぐように前に立ち、サカナも声をかける。
「質問は終わりましたよね?
私はさっさとソレを殺したいのですが」
「お前こそ話聞いてたか?」
「まだ話は終わっていないでござる。
お主ら、メニュー画面から今の時刻を確認するでござる」
「…時間稼ぎなら」
「いいから、やるでござる」
言われた通りにフォマがメニュー画面を開くと、現在の時刻が表示される。
午後6時30分、日没の時刻から考えても狂いはないように思える。
フォマはわけがわからず声を上げようとして、ふとその上で同じように時を刻む日付を見て口を閉じた。
現在の日付をキングが言葉にする。
「西暦6660年3月5日…?」
「やはり、拙者だけのバグではないでござるな」
「これは…タイムスリップということですか?」
「その可能性が高いでござる。
どうやら拙者たちは…未来の百魔蹂躙に転移したようでござる」
「だが、技術的発展はそこまでしているように見えなかったぞ。
それでも、六千年以上経っているってことか?」
(それだけ時が経ったってことは…なぜだろうな。
もう現実世界には戻れないような気がする)
「これは仮説でござるが、具体的にはゲームシステムが統治を放棄してからと考えているでござる。
果たしてこの世界のNPCやモンスターが自我を持って生活し始めて6660年なのか、
それともここは完全な並行世界なのか、
それはまだわからないでござるが…何はともあれ、情報が必要でござる」
沈黙が流れる。
ゲームを長くプレイしていたキングは、ゲーム世界に転移したときではないにせよ多少驚いていた。
そしてどこかで、もう自分は元の世界に戻れないのではないかと感じ始めていた。
それは直観というよりも、自然法則のような変えられないルールのような気がした。
そしてサカナは、この未知の世界を知るため、さらなる情報が欲しいと感じる。
「そして問題は……天狗どの、お主も転移をしてきたのでござろう?」
「は、はい…僕は千年前に転移をしてきました」
「千年前?」
「はいっ」
「他に転移してきたプレイヤーに会ったことは?」
「…な、ないです。
僕は最後にウィークリーミッションをしていて、それで途中で転移が始まって」
「ウィークリーミッション…って、俺達が最後に達成したアレか?」
「キングが暴れ狂ったアレですか」
「おい思い出させんな…イライラしてくるだろうが…」
「ウィークリーミッションといっても種類があるでござるが、どれ難易度は何でござるか?」
「えっと、確か一番難易度の高い…
『貌のない猫からの挑戦状』です。」
「つまりでござるよ、フォマ。
拙者たちのギルドで、他にそのレベルに達しているメンバーはいないでござる。
彼らはこの世界に転移しないか、しても千年後に転移をする可能性が高いでござる」
「ちっ…そういうことか」
それを聞いたフォマが、みるみる青ざめていく。
キングはやっとフォマの考えに気づいて、舌打ちと共に洞窟の壁にもたれかかった。
フォマはエリクサーが必要になるような、ギルドメンバーの誰かが死ぬことを不吉だと嫌がったのだ。
とくに彼女が気にかけているのはここにはいない、ログオフ状態のギルドメンバーだ。
キングから見れば足手まといの弱いプレイヤーでも、彼女にとってはここにいる悪友以上の思い入れがある。
「ま…まだ、千年後と決まったわけでは…
そ、それに、転移しても手動でログオフにしている可能性もあるでしょう?」
「偶々彼らが最高難易度のウィークリーミッションを受けていれば、あり得るかもしれないでござるが…」
「……」
「もう彼らには会えないと思っていた方が、心の整理がつくのではござらんか?」
「…それでも私は、彼女たちを探します。誰が何と言おうとも」
「そうでござるか」
最後は、サカナが身を引いた。これ以上は、どこまで行っても平行線になると察知したからだ。
日が沈んで既に十分な時間が経っており、空には満天の星空が広がっている。
欠けた月光以外に辺りを照らすものはなく、現代では滅多に見られない六等星の光にキングが目を細める。
あと数日もすれば、新月でさらに明るく星が見えるだろう。
告別式の後のような雰囲気に耐えられなくなったキングが、一つの提案をする。
「おいお前ら、場所を移動しようぜ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
氷弾の魔術師
カタナヅキ
ファンタジー
――上級魔法なんか必要ない、下級魔法一つだけで魔導士を目指す少年の物語――
平民でありながら魔法が扱う才能がある事が判明した少年「コオリ」は魔法学園に入学する事が決まった。彼の国では魔法の適性がある人間は魔法学園に入学する決まりがあり、急遽コオリは魔法学園が存在する王都へ向かう事になった。しかし、王都に辿り着く前に彼は自分と同世代の魔術師と比べて圧倒的に魔力量が少ない事が発覚した。
しかし、魔力が少ないからこそ利点がある事を知ったコオリは決意した。他の者は一日でも早く上級魔法の習得に励む中、コオリは自分が扱える下級魔法だけを極め、一流の魔術師の証である「魔導士」の称号を得る事を誓う。そして他の魔術師は少年が強くなる事で気づかされていく。魔力が少ないというのは欠点とは限らず、むしろ優れた才能になり得る事を――
※旧作「下級魔導士と呼ばれた少年」のリメイクとなりますが、設定と物語の内容が大きく変わります。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる