56 / 222
2章:1週間、ルードと一緒です!
15
しおりを挟む……とはいえ、夕食を食べるにはまだ早い時間だし……。どうしよう。とりあえずルードがどこに居るのかと思って家の中を探す。お風呂場? 寝室? それとも外に出ちゃったかな?
家の中をうろうろしていると、ルードがお風呂場から顔を出した。
「ヒビキ、どうしたんだい?」
「ルード、ここに居たんですね」
「ああ、風呂場を掃除していた」
……ルードって割と、いやかなり家庭的だよな……?
「ルードは家事を誰から教わったんですか?」
「じいやだ」
じいやさんから教わっていたのか。……貴族でも家事ってするものなのか? あ、でもそれを言ったらリーフェも貴族だけど家事をする仕事だしな……。うーん、良くわからない。あれ、そもそもおれ、リーフェやリア、ニコロの仕事がどんなのだか知らないような気がしてきた。後で詳しく聞いてみよう。
「じいやさんって色んなことをルードに教えていたんですね」
「そうだな。私はほぼじいやに育てられたようなものだから」
「え?」
ルードを見上げると、懐かしむように目元を細めてそれから緩やかに首を左右に振った。あまり言いたくないことなんだろうか……。気になりはするけど、無理には聞かないほうがいいよな。きっと。
「夕食の時間にはまだ早いから……、先にお風呂に入ろうか?」
「そうですね。じゃあ、準備してきます」
寝室まで向かい着替えを準備しようとして、ふとナイトテーブルに視線がいった。もしかして、この引き出しの中には昨日使った道具が入っていたり……? ちょっと気になって中を見てみようかなと手を掛ける。と、同時にルードも寝室に入って来た。
「……ヒビキ?」
「あ、いえっ。なんでもありません」
手を引っ込めてルードへ声を掛ける。だけど、ルードは笑みを深めるとおれに近付いてナイトテーブルへ指を這わせて「気になるかい?」と首を傾げて問う。
気になっていたのは確かだからこくりとうなずく。ルードはどこか楽しそうにナイトテーブルの引き出しをおれに見せてくれた……。
「……あの、ルード……」
「なんだい?」
「なんでこんなにいっぱいあるんですか?」
中を覗いてまずそう思った。なにに使うのかよくわからない道具もあるし、昨日使った道具もある。もしかして、これ全部シリウスさんの店で買ったのか……?
「もちろん、ヒビキを可愛がるために」
「そ、ソウデスカ……」
ルードってこういう趣味があるのかな? って思うくらい色んな道具があって、おれはちょっとだけ顔を引きつらせた。おれでも知ってる道具もある。ピンクローターなんてこの世界にもあるのか……。
実物を見るのは初めてだけど、クラスメイトからこういう道具の話は聞いたことあるし。聞くだけで参加はしなかったそういう系の話。……まさか自分の身に使われることになるとは思いもしなかった……。
「これ、全部?」
「ああ。早速使ってみるかい?」
「えっ」
ピンクローターを一個取り出しておれに見せるルード。いや待って、なんでこれ三個もあるの。
「……一体いつから集めていたんですか?」
「ふふ」
教える気はないようだ。いやまぁ、ここ十八禁BLゲームの中なんだから、こういう道具があってもおかしくはないだろうけど! ただ、ちょっとこれ本当におれに使う気なの?
困惑した様子でルードを見る。彼はにこにこと笑っていたけど、じりじりとおれに近付いてくる。思わず後ずさるけど、すぐにベッドに倒れこんでしまった。
覆いかぶさるようにルードもベッドに上がり、口角を上げて顔を近づける。ちゅっとリップ音をわざとらしく立てて、唇に吸い付くようにキスをする。唇からじんわりと温かさが伝わって、おれはそろりと腕を上げてルードの首に抱き着く。
それに気付いたルードは、そっとおれの頭を持ち上げて深くキスを交わす。堪能するように口内を舌で舐められて、ぞくぞくしたものが背中を走る。舌を絡めて甘噛みされたり吸われたりとどんどん息が上がって苦しい。
「……ふっ、ぁ……」
呼吸がうまく出来なくて、やっぱり途中で止めてしまう。唇が離れると、今度はおれの服を脱がせていく。キスで上昇した体温が空気に触れることで少し下がったような、そんな感覚。そっとおれの頭を枕に乗せて、頬に手を添えて額にキスをされた。
「キスだけでもこんなになって……」
嬉しそうにおれの下半身に手を伸ばして緩く勃ち上がったモノを撫でると、いとも簡単に脱がせてしまう。全裸になったおれに対して、ルードは服を着たままだ。おれがルードも脱いで、と強請ると彼は小さくうなずいてから服を脱いだ。
「そんなに見つめて、どうしたんだい?」
「格好いいなぁと思って……」
惚れ惚れするほどの肉体だと思う。鍛えているからか腹筋は割れているし、傷もあるけれど……それはルードが戦ってきた証だ。おれの言葉に面食らったように瞬きをするルード、それから少しだけ顔を赤くして、それを隠すように手で覆う。
「ルード?」
「ヒビキはいきなりそういうことを言うから……」
いや、それルードにも同じこと言えると思う。ちょっと照れたようなルードが可愛いな、なんて心の中で呟いて彼の肌に触れた。それが合図のように、顔を覆っていた手をどけておれの躰へと這うように手を滑らせた。それだけの刺激に、びくっと躰が反応する。
――どんどん敏感になっているような気がするのは気のせい?
「ぁっ!」
首筋を撫でられて甘い声が出た。それに気を良くしたようにルードが手を下へと移動させて乳輪をくるくると人差し指でなぞる。徐々に上を向く乳首をきゅっと摘まんでくりくりと捏ね回し、もう片方は舌で舐められる。
快感が躰に広がっていって、ぎゅっとルードの躰にしがみつくように抱き着けば、彼は「ふふ」と笑ってさらにおれの乳首を責める。押しつぶすように指で、もう片方は甘噛みされておれの口から甘い声が上がった。
「……おっと、これを使ってみるんだった」
「あ、ちょ、待って……!」
そう言えばそんな話だった! ピンクローターのことを思い出してルードの行動を止めようとしたけど、すでにローターはルードの手の中にあるし……! あれ、でもリモコンみたいなのないぞ? どうやって動かすんだ?
おれの困惑をよそに、ルードはナイトテーブルから小瓶を取り出して蓋を開けると手に取り出し、温めるように両手を擦ってからおれの躰へと塗り付ける。しっかりとローターにも塗っていたけど、あれ濡らして大丈夫なものなの?
「覚悟は出来たいかい、ヒビキ?」
「出来ていませんッ」
「まぁ、使うけどね」
心底楽しそうにそう言うもんだから、おれは呆気に取られてしまった。小さなローターをもって、先端をおれの乳首に当てる。ひやりとしておれはルードへと視線を向ける――のと同時に、どういう仕組みかわからないけれど弱く振動をし始めた!
「ァっ、んんッ……!」
「初めてだからね、このくらいの刺激から始めようか」
優しく、非常に優しくルードがそう言うけど、始めようかってことはどんどん刺激が強くなっていくってこと!? ちょっと待って、と口を開くけれど、おれの口からは喘ぎ声しか出なくて……。さらには振動で乳首を刺激されて甘い快感が躰を巡っていくこともあり、考えがまとまらなくなってきた。
「ぁ、ぁあっ、や、ダメ……!」
「とても気持ち良さそうに見えるけど……?」
「きもちいい、から、ダメ……!」
頭の芯が痺れていくような、そんな感覚。なにを口走っているのかすら、もうあやふやだ。ただルードがとても愛しそうにおれを見るから……。
「なら、今夜たっぷりこれでヒビキを可愛がってあげる。でも、今は――……」
ルードが乳首に与えていた振動をやめて、代わりに下半身に手を伸ばして自分の昂ぶりとおれのをまとめて扱く。乳首に与えられていた快感と、急激に与えられた刺激であっという間におれは果ててしまったけれど、ルードがまだイっていない。それなら、と躰を起こしてルードの昂ぶりに触れた。
「ヒビキ? なにを――……ッ!?」
両手を添えて大きなソレの先端にちゅっとキスをした。口を開けてソレを咥えると昨日ルードにされたことを思い出しながら舐める。丁寧に、丹念に、人のモノを咥えたことなんてないし、多分すごく下手だろうけど……。それでもルードの息が荒くなっていくのを感じてもっともっとと舌を這わせる。
口の中いっぱいにルードのを咥えて、入りきらない部分を手で擦る。やっぱりでかい……。ちらりとルードを見ると、感じてくれているのがわかった。目を閉じて、快感に耐えているようなそんな表情。
「……ッ、く……」
咥えていたおれの顔を遠ざけるように、ルードがおれの肩に手を置いて引き離す。と、同時に顔に彼の放ったものが掛かった。それがたらりと流れたので、指で触れて掬い取ってみる。そして、それをぺろりと舐めてみた。……うまいもんじゃないな。
「ヒビキ、あまり扇情的なことをしないでくれ……」
「?」
無意識か、とルードが呟く。
「お風呂、入ろうか」
「そうですね……べたべたします」
だろうね、とルードは困ったように笑って、着替えと脱いだ服を持ち、おれの手を握って風呂場へと向かう。お風呂を温めなおして、髪と躰を洗ってすっきりしてから湯船に浸かりしっかりと躰を温めてからお風呂を出て、生活魔法を使って全身を乾かし服に着替える。
「夕食に丁度良い時間帯になったね」
「はい。今、準備しますね!」
料理を温めなおして(これも生活魔法で出来るから便利)、テーブルに並べる。最後にカップに水を注いでルードと向かい合う形で座った。
「これがヒビキの故郷の料理?」
「そうです。えっと、食べてみてダメそうなら無理しないでくださいね」
「美味しそうだよ。じゃあ、頂きます」
「どうぞ、召し上がれ」
……このセリフ、姉が良く言っていたなぁ。ほかほかと湯気の立つ肉じゃがに味噌汁、ほうれん草のお浸しにご飯。ルードが肉じゃがを食べるのを、ドキドキしながら見つめた。
38
あなたにおすすめの小説
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
魔王に転生したら幼馴染が勇者になって僕を倒しに来ました。
なつか
BL
ある日、目を開けると魔王になっていた。
この世界の魔王は必ずいつか勇者に倒されるらしい。でも、争いごとは嫌いだし、平和に暮らしたい!
そう思って魔界作りをがんばっていたのに、突然やってきた勇者にあっさりと敗北。
死ぬ直前に過去を思い出して、勇者が大好きだった幼馴染だったことに気が付いたけど、もうどうしようもない。
次、生まれ変わるとしたらもう魔王は嫌だな、と思いながら再び目を覚ますと、なぜかベッドにつながれていた――。
6話完結の短編です。前半は受けの魔王視点。後半は攻めの勇者視点。
性描写は最終話のみに入ります。
※注意
・攻めは過去に女性と関係を持っていますが、詳細な描写はありません。
・多少の流血表現があるため、「残酷な描写あり」タグを保険としてつけています。
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた
k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。
言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。
小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。
しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。
湊の生活は以前のような日に戻った。
一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。
ただ、明らかに成長スピードが早い。
どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。
弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。
お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。
あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。
後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。
気づけば少年の住む異世界に来ていた。
二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。
序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。
分厚いメガネ令息の非日常
餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」
「シノ様……素敵!」
おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!!
その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。
「ジュリーが一番素敵だよ」
「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」
「……うん。ジュリーの方が…素敵」
ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい
「先輩、私もおかしいと思います」
「だよな!」
これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる