【本編完結】十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、攻略キャラのひとりに溺愛されました! ~連載版!~

守屋海里

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拍手お礼SS とある〇〇の日記(2020/12/27)

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4月22日

 ――本日、新たな赤ん坊をコウノトリが運んできた。その赤ん坊は元気に泣いて、旦那さまと奥さまも元気な子だと穏やかに笑っていた。その子の名は、ルードリィフ・カイヤナイト・メルクーシンと名付けられた。祝福の名は、僭越ながら私がつけさせて頂いた。
 貴族には祝福の名がある。それは全て石の名で決められていたので、迷いに迷ったがこの石の名にした。――どうか、あなたに祝福あれ。





5月22日

 ルードリィフ坊ちゃんが生まれて一ヶ月が経った。時間の流れとは早いものだ……。しかし、ルードリィフ坊ちゃんの体調はあまり宜しくない。医者を呼んで調べてもらったところ、坊ちゃんの魔力がとても高いと聞いた。このままだと、魔力中毒で十歳にならないうちに亡くなるだろう、と……。旦那さまと奥さまはとても気落ちしていて、どう慰めたら良いものなのか……。





12月27日

 今日は雪が降った。ルードリィフ坊ちゃんは熱が出てしまい、泣くことも出来ずにただ「あ~、う~」と呻いていた。タオルを取り替えることしか出来ない私だが、こうして傍にいることは出来る。……しかし、なぜ旦那さまも、奥さまも……兄たちも来ないのだろうか。





4月22日

 今日はルードリィフ坊ちゃんの一歳の誕生日。だが……、とてもお祝いムードではない。むしろ悲壮感の漂う一歳の誕生日だった。一歳になったばかりだと言うのに、いつ亡くなるのだろうかと言う話をしていたのを聞いた。……この家ではこの子は祝福されない子になってしまったのだろうか……。




7月7日

 ……この世界に七夕があるのなら、織姫と彦星に願えばルードリィフ坊ちゃんは助かるのだろうか。そもそも坊ちゃんの魔力の高さは普通の設定だったはずだ。この世界は、私の知っている世界ではないのか……?





9月15日

 何度も体調を崩す坊ちゃんに、両親も兄たちも何もしない。どう接して良いのかわからない、とは言うが……。あなたたちの家族だろうに……。せめて、私だけはこの子の味方でいたい。





4月22日

 ……まさかフェンリルと契約を交わすとは思わなかった。だが、そのおかげで坊ちゃんの魔力はフェンリルに流れ、坊ちゃんの体調は良くなった。良かった、と言って良いのだろうか……。複雑な気持ちだ。





8月31日

 坊ちゃんが旦那さまと奥さまに甘える兄たちを見て羨ましそうにしていた。ので、私が精一杯甘やかした。やはり家族の愛情が欲しいのだろう。フェンリルと契約したことで、メルクーシン家での坊ちゃんはまるで……恐怖の対象だ。この子を恐れているのか、フェンリルを恐れているのか、半々というところか。……ここまで家庭愛がない設定ではないはずなのだが……。私の記憶が薄れているのだろうか。





10月23日

 坊ちゃんが王都に行くことが決まった。この家から離れたほうが、坊ちゃんのためになるとは思うが……。まだ十三歳の坊ちゃんを聖騎士団に……。いや、聖騎士団にはサディアスがいる。彼ならば、坊ちゃんを支えてくれるのでは……?





1月1日

 坊ちゃん、もう少し人に興味を持ってください……。まさか新年明けて早々に使用人が増えるとは思わなかった。割とピリピリしている屋敷の雰囲気だが……、坊ちゃんはずっと人に興味を持たずに生きていくのだろうか……。……いや、しかし行き場がないからと言う理由で屋敷に連れてきた坊ちゃんは優しい……いや、興味がないから……?





3月15日

 ……まさか坊ちゃんに愛し子が出来るとは。一体どんな人なのだろうか。ほんの少し、坊ちゃんの雰囲気が柔らかくなった気がする。





9月10日

 ――どう見ても日本人。しかし、坊ちゃんの反応を見るにこの子が愛し子だろう。あの子はあんなに優しく微笑むことが出来たのか。赤ん坊の頃から見ていたが、あんなに幸せそうな坊ちゃんは初めて見た。





 ――ぱたん、と日記を閉じた。口元には弧を描いていて、懐かしむように目元を細めている。
 式典が無事に終わった日が、とても懐かしく感じる。だが、昨日のことのようにも思い出せる。ヒビキの澄んだ歌声にそれに合わせた魔物と精霊のダンス、アデルのピアノの音……。この世界に奇跡を起こしてくれた、彼らを誇りに思う。
 結婚式ではひっそり涙を流してしまった。歳を取ると涙もろくなっていけない。そして、今日、さらに嬉しいことがあった。ふたりの元にコウノトリが赤ん坊を運んできたのだ。

『じ、じじ、じいやさんっ、赤ちゃん! 赤ちゃんがベッドの上に!』
『しかも双子だ……、な、泣き止まない……』

 今朝の慌てたようなふたりの様子を思い出して、くすりと笑う。
 よく泣き、よく笑い、よくミルクを飲む双子だ。――どうか、皆に愛されて、健やかに育って欲しいと……そう願う。
 きっと、彼らなら大丈夫だろう。そう、確信出来ていた。
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