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season1
37話:アレク風邪をひく
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ある日の朝、ワタクシがリビングのドアを開けると床に空っぽの酒瓶が転がっていました。
「もう、こんなところに危ないなぁ……」
酒瓶を手にとって、食べかけのおつまみの袋で散らかっているテーブルに瓶を置くと、床には脱ぎ散らかされた服が散乱しているのが視界に入ります。
「あぁ、またですか――」
さらに視線を移すと、そこには全裸で冷たいフローリングの床に転がって眠っている兄のアレクサンドルの姿がありました。
「はぁ……何度見ても情けない。アレク、アレク。起きなさい、こんなところで寝てたら風邪ひきますよ?」
ワタクシは彼の肩を軽くゆすって起こそうとしましたがなかなか起きてくれません。
「アレク! アレク!」
「うーん……あぁ、またジェルが鼻からうどんを――」
「何言ってるんですか! アレク! 起きてくださいってば!」
しつこく何度かゆすると、彼は軽く呻いてやっと目を覚ましました。
「ううっ、ん……? おぅ、おはようジェル」
「おはようじゃないでしょう⁉ なんですかこの状況は‼」
「いやぁ……やっぱり家だと安心してつい飲みすぎちまうんだよなぁ……へへ」
昔からアレクには、酔っ払うと服を脱いで寝てしまう悪癖があるのです。
ワタクシが寝た後で飲み始めると止める人も居ないもんですから、気が付けば泥酔して朝方にこんな風に床で寝転がっていることもしばしばでした。
「へへ、じゃないでしょう⁉ こんなに散らかして!」
「……ごめん」
ワタクシが怒っているのを察したアレクは、慌てて全裸のまま床に正座しました。
「まったく。本当に他所でそんなことやってたりしないでしょうね?」
「してねぇよ。俺、旅行中の酒はセーブしてるもん」
「家でもそうならありがたいんですけどねぇ……ホントにもう。毎回アレクの裸を見る羽目になるこちらの身にもなっていただきたいものです」
「いいじゃん兄弟なんだし……」
「よくないですよ!」
そんなことを言っていると、突然アレクがくしゃみをして額に手を当て、首をかしげます。
「へっくしょん! ん……なんか頭いてぇな……二日酔いかぁ~?」
「そんな格好してるからですよ、さっさと服を着なさい!」
「そうだな……ん、あれ? なんか立ちくらみが――」
アレクは脱ぎ散らかしてあった服を手にして立ち上がったのですが、よろよろと倒れそうになりました。
「ちょっと、大丈夫ですか?」
軽くアレクの肩に手をやって支えて彼の顔を覗き込むと、気のせいか顔が赤くて眼が充血しているように見えます。
「――アレク。あなたもしかして、熱があるんじゃありませんか?」
「ん……そうなのか?」
彼の額に手を当ててみると、やけに熱いじゃありませんか。
「へへ、ジェルの手、冷たくて気持ちいい~」
「アレク、やっぱり熱がありますよ!」
体温計で計ってみたら38℃の高熱だったので、慌ててパジャマを持ってきて着替えさせ、水を飲ませて彼の部屋に連れて行き、ベッドに寝かせました。
「たぶん風邪だとは思うのですが……ワタクシは薬を煎じてきますから良い子にして寝ててくださいね」
「うん……」
「もう、こんなところに危ないなぁ……」
酒瓶を手にとって、食べかけのおつまみの袋で散らかっているテーブルに瓶を置くと、床には脱ぎ散らかされた服が散乱しているのが視界に入ります。
「あぁ、またですか――」
さらに視線を移すと、そこには全裸で冷たいフローリングの床に転がって眠っている兄のアレクサンドルの姿がありました。
「はぁ……何度見ても情けない。アレク、アレク。起きなさい、こんなところで寝てたら風邪ひきますよ?」
ワタクシは彼の肩を軽くゆすって起こそうとしましたがなかなか起きてくれません。
「アレク! アレク!」
「うーん……あぁ、またジェルが鼻からうどんを――」
「何言ってるんですか! アレク! 起きてくださいってば!」
しつこく何度かゆすると、彼は軽く呻いてやっと目を覚ましました。
「ううっ、ん……? おぅ、おはようジェル」
「おはようじゃないでしょう⁉ なんですかこの状況は‼」
「いやぁ……やっぱり家だと安心してつい飲みすぎちまうんだよなぁ……へへ」
昔からアレクには、酔っ払うと服を脱いで寝てしまう悪癖があるのです。
ワタクシが寝た後で飲み始めると止める人も居ないもんですから、気が付けば泥酔して朝方にこんな風に床で寝転がっていることもしばしばでした。
「へへ、じゃないでしょう⁉ こんなに散らかして!」
「……ごめん」
ワタクシが怒っているのを察したアレクは、慌てて全裸のまま床に正座しました。
「まったく。本当に他所でそんなことやってたりしないでしょうね?」
「してねぇよ。俺、旅行中の酒はセーブしてるもん」
「家でもそうならありがたいんですけどねぇ……ホントにもう。毎回アレクの裸を見る羽目になるこちらの身にもなっていただきたいものです」
「いいじゃん兄弟なんだし……」
「よくないですよ!」
そんなことを言っていると、突然アレクがくしゃみをして額に手を当て、首をかしげます。
「へっくしょん! ん……なんか頭いてぇな……二日酔いかぁ~?」
「そんな格好してるからですよ、さっさと服を着なさい!」
「そうだな……ん、あれ? なんか立ちくらみが――」
アレクは脱ぎ散らかしてあった服を手にして立ち上がったのですが、よろよろと倒れそうになりました。
「ちょっと、大丈夫ですか?」
軽くアレクの肩に手をやって支えて彼の顔を覗き込むと、気のせいか顔が赤くて眼が充血しているように見えます。
「――アレク。あなたもしかして、熱があるんじゃありませんか?」
「ん……そうなのか?」
彼の額に手を当ててみると、やけに熱いじゃありませんか。
「へへ、ジェルの手、冷たくて気持ちいい~」
「アレク、やっぱり熱がありますよ!」
体温計で計ってみたら38℃の高熱だったので、慌ててパジャマを持ってきて着替えさせ、水を飲ませて彼の部屋に連れて行き、ベッドに寝かせました。
「たぶん風邪だとは思うのですが……ワタクシは薬を煎じてきますから良い子にして寝ててくださいね」
「うん……」
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