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王国へ
18話:燃えさかる炎と聖女の力
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逃げ惑う魔物たちでごった返す中、城の皆はキールさんの指示の下で消火活動にあたっている。
その中には皆を誘導するハッピーやベティさんの姿もある。城に居た者は無事なようだ。
「おい、水が足りないぞ! 氷結魔法が使える者は援護してくれ!」
炎と煙は森だけでなく城下町にも到達している。
この森や城下町にはたくさん生き物や人々の生活があるのに、炎はそんなことお構いなしに、無慈悲に何もかも燃やして灰にしていく。
パチパチと木が燃える音をさせながら真っ赤な炎があっという間にどんどん拡大し、空には黒い煙が立ち昇り、周囲は焦げ臭い匂いで満ちていた。
酷い熱気で距離をとっていても体が焼かれているように感じる。
桶に汲んだ水で消火する者や氷結魔法を試みる者もいるが、いずれもたいした効果が無い。
逆に火を消し止めようとして煙を吸い込んだり、火傷を負った者も少なくない。
事態はどんどん悪い方向に向かっている。
パチ、パチッ……バキッ!
燃え上がった木が割れて飛び散った拍子に、破片がこちらにも飛んできた。
気づいたガルが、とっさに抱きしめるようにして私を庇ってくれたので火傷せずに済んだ。
「シエラ、大丈夫か?」
「えぇ、ガルは?」
「俺は大丈夫だ。しかし……このままでは……」
炎の勢いは凄まじく、このまますべてを燃やし尽くすまで消えないかもしれない。
どうすれば――
その時、私達の背後から巨大な滝のような水流が現れた。
水流はまるで意思を持っているかのように何本にも分かれて炎を覆い、すばやく消火していく。
振り返ると、そこには銀髪をたなびかせて立つ水の精霊の姿があった。
「アリスさん!」
「シエラ嬢、この私が来たからにはもう安心だよ」
「アリス! 遅いぞ!」
「ふむ、森の中に逃げ遅れた者が居るようだ。文句を言うヒマがあったら、さっさと救助に向かいたまえ!」
「なんだと⁉ ここは頼んだぞアリス!」
ガルは森の中に消えていった。
一時間後、火はすべて消し止められたが被害は散々なものだった。
焦げ臭い匂いが充満する中、火傷を負った魔物たちが力なく横たわっているのを見て、ガルは苦しそうに顔をゆがめる。
その中にはよく見知った姿があった。
キールさんが小さな翼の生えた少女を抱きかかえて、何度もその名を呼んでいる。
少女の顔は煤で汚れ、逃げた時に怪我を負ったのだろう。白い翼が血で染まっていた。
「ルビィ! ルビィ、しっかりしろ!」
「…………お兄ちゃん。森に薬草を摘みに行ったら、火が……うっ……ぐすっ……ぐすっ」
「くそ……王国軍め……」
「ルビィちゃん……」
私は祈るように両手を組んだ。
――神様、何の罪も無い彼らが、どうしてこんな目に遭わなければいけないのですか。
人間はどうして彼らを異形というだけで迫害するのですか。
私は何もできなかった。
もし私が本当に聖女なら、皆を守れる力があればよかったのに。
――その想いに呼応したのだろうか。
指輪が輝いて、組んでいた両手から暖かな光が広がっていく。
その光は、傷ついたルビィちゃんや倒れていた皆の体をゆっくりと包み込んだ。
「……痛みがきえた!」
「どういうことだ……怪我が消えた……!」
傷が癒えて横たわっていた者たちが、立ち上がってお互いの顔を見合わせて不思議がっている。
ルビィちゃんの傷も何も無かったかのように治っていく。
血で染まっていた翼も元の白さを取り戻していた。
「お兄ちゃん……」
「ルビィ……よかった!」
魔王を封印するだけだと思っていた指輪に、まさかこんな力があったなんて。
皆は驚きの声をあげ、傷が治ったことを喜び合った。
「シエラ! 皆を助けてくれてありがとう! シエラはすごいな!」
ガルが感極まった様子で抱きついてきた。
「きゃっ!」
「シエラ……俺、火を放った王国軍のやつらは許せないけど、それでもシエラがいるから人間を嫌いにならないでいられるよ。だからずっと俺と――」
「――んっ。ガル様、今はそのようなことをしている場合ではございません。ただちに焼け出された者たちの生活を検討する会議を開きますので」
「あっ、すまない」
いつもの調子を取り戻したキールさんが軽く咳払いしながら進言すると、ガルは慌てて私から離れた。
「だが、その件は皆に任せる。俺は今から国王に会いに王宮へ行こうと思う」
「は……? 人間どものところへですか?」
「あぁ。こんなことになったのは、王国側に動きがないからと静観していた俺の落ち度だ。俺が国王と決着をつける」
ガルの表情は真剣そのものだった。
彼が何をするつもりなのかわからないが、彼をひとりで行かせるわけにはいかない。
「ガル! 本当に王宮に行くの?」
「止めるな、シエラ。俺は本気だ」
「そんなのわかってるわよ。私も連れて行って!」
「えっ⁉」
私だって、森に火を放って皆を酷い目に遭わせた王国軍を絶対に許せない。
もともとエドワード王子に婚約破棄された上に殺されそうになった時点で、張り手のひとつでもお見舞いして思いっきり股間を蹴り飛ばしてやろうと思っていたのだ。
ガルが王国にふっかけられたケンカを買うつもりなら、私も共に行きたい。
「森に火をつけるなんて最低だわ! 誰の命令か知らないけど、引っ叩いてやらないと気が済まないのよ!」
「……フフッ、アッハッハッハ! おっかねぇ! それでこそシエラだ! よし、一緒に行こう」
私の言葉にガルは一瞬、あっけにとられた顔をしたが、すぐに大笑いして承諾した。
「ならば、私も共に参りましょう。お二人だけで行かせるわけにはまいりませんので」
キールさんもすかさず、同行の意思を表明する。そして私の方を見て、呆れた表情で付け加えた。
「その前に……聖女殿は、お着替えになられた方がよろしいかと」
そういえば私、ネグリジェに上着を羽織っただけだった……!
しょうがないでしょ、非常事態だったんだから。
こうして、私たちは飛竜に乗って王宮へと向かうことになったのだった。
その中には皆を誘導するハッピーやベティさんの姿もある。城に居た者は無事なようだ。
「おい、水が足りないぞ! 氷結魔法が使える者は援護してくれ!」
炎と煙は森だけでなく城下町にも到達している。
この森や城下町にはたくさん生き物や人々の生活があるのに、炎はそんなことお構いなしに、無慈悲に何もかも燃やして灰にしていく。
パチパチと木が燃える音をさせながら真っ赤な炎があっという間にどんどん拡大し、空には黒い煙が立ち昇り、周囲は焦げ臭い匂いで満ちていた。
酷い熱気で距離をとっていても体が焼かれているように感じる。
桶に汲んだ水で消火する者や氷結魔法を試みる者もいるが、いずれもたいした効果が無い。
逆に火を消し止めようとして煙を吸い込んだり、火傷を負った者も少なくない。
事態はどんどん悪い方向に向かっている。
パチ、パチッ……バキッ!
燃え上がった木が割れて飛び散った拍子に、破片がこちらにも飛んできた。
気づいたガルが、とっさに抱きしめるようにして私を庇ってくれたので火傷せずに済んだ。
「シエラ、大丈夫か?」
「えぇ、ガルは?」
「俺は大丈夫だ。しかし……このままでは……」
炎の勢いは凄まじく、このまますべてを燃やし尽くすまで消えないかもしれない。
どうすれば――
その時、私達の背後から巨大な滝のような水流が現れた。
水流はまるで意思を持っているかのように何本にも分かれて炎を覆い、すばやく消火していく。
振り返ると、そこには銀髪をたなびかせて立つ水の精霊の姿があった。
「アリスさん!」
「シエラ嬢、この私が来たからにはもう安心だよ」
「アリス! 遅いぞ!」
「ふむ、森の中に逃げ遅れた者が居るようだ。文句を言うヒマがあったら、さっさと救助に向かいたまえ!」
「なんだと⁉ ここは頼んだぞアリス!」
ガルは森の中に消えていった。
一時間後、火はすべて消し止められたが被害は散々なものだった。
焦げ臭い匂いが充満する中、火傷を負った魔物たちが力なく横たわっているのを見て、ガルは苦しそうに顔をゆがめる。
その中にはよく見知った姿があった。
キールさんが小さな翼の生えた少女を抱きかかえて、何度もその名を呼んでいる。
少女の顔は煤で汚れ、逃げた時に怪我を負ったのだろう。白い翼が血で染まっていた。
「ルビィ! ルビィ、しっかりしろ!」
「…………お兄ちゃん。森に薬草を摘みに行ったら、火が……うっ……ぐすっ……ぐすっ」
「くそ……王国軍め……」
「ルビィちゃん……」
私は祈るように両手を組んだ。
――神様、何の罪も無い彼らが、どうしてこんな目に遭わなければいけないのですか。
人間はどうして彼らを異形というだけで迫害するのですか。
私は何もできなかった。
もし私が本当に聖女なら、皆を守れる力があればよかったのに。
――その想いに呼応したのだろうか。
指輪が輝いて、組んでいた両手から暖かな光が広がっていく。
その光は、傷ついたルビィちゃんや倒れていた皆の体をゆっくりと包み込んだ。
「……痛みがきえた!」
「どういうことだ……怪我が消えた……!」
傷が癒えて横たわっていた者たちが、立ち上がってお互いの顔を見合わせて不思議がっている。
ルビィちゃんの傷も何も無かったかのように治っていく。
血で染まっていた翼も元の白さを取り戻していた。
「お兄ちゃん……」
「ルビィ……よかった!」
魔王を封印するだけだと思っていた指輪に、まさかこんな力があったなんて。
皆は驚きの声をあげ、傷が治ったことを喜び合った。
「シエラ! 皆を助けてくれてありがとう! シエラはすごいな!」
ガルが感極まった様子で抱きついてきた。
「きゃっ!」
「シエラ……俺、火を放った王国軍のやつらは許せないけど、それでもシエラがいるから人間を嫌いにならないでいられるよ。だからずっと俺と――」
「――んっ。ガル様、今はそのようなことをしている場合ではございません。ただちに焼け出された者たちの生活を検討する会議を開きますので」
「あっ、すまない」
いつもの調子を取り戻したキールさんが軽く咳払いしながら進言すると、ガルは慌てて私から離れた。
「だが、その件は皆に任せる。俺は今から国王に会いに王宮へ行こうと思う」
「は……? 人間どものところへですか?」
「あぁ。こんなことになったのは、王国側に動きがないからと静観していた俺の落ち度だ。俺が国王と決着をつける」
ガルの表情は真剣そのものだった。
彼が何をするつもりなのかわからないが、彼をひとりで行かせるわけにはいかない。
「ガル! 本当に王宮に行くの?」
「止めるな、シエラ。俺は本気だ」
「そんなのわかってるわよ。私も連れて行って!」
「えっ⁉」
私だって、森に火を放って皆を酷い目に遭わせた王国軍を絶対に許せない。
もともとエドワード王子に婚約破棄された上に殺されそうになった時点で、張り手のひとつでもお見舞いして思いっきり股間を蹴り飛ばしてやろうと思っていたのだ。
ガルが王国にふっかけられたケンカを買うつもりなら、私も共に行きたい。
「森に火をつけるなんて最低だわ! 誰の命令か知らないけど、引っ叩いてやらないと気が済まないのよ!」
「……フフッ、アッハッハッハ! おっかねぇ! それでこそシエラだ! よし、一緒に行こう」
私の言葉にガルは一瞬、あっけにとられた顔をしたが、すぐに大笑いして承諾した。
「ならば、私も共に参りましょう。お二人だけで行かせるわけにはまいりませんので」
キールさんもすかさず、同行の意思を表明する。そして私の方を見て、呆れた表情で付け加えた。
「その前に……聖女殿は、お着替えになられた方がよろしいかと」
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