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ここは何処
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しおりを挟むリリーさんが持って来てくれたフルーツは朝とはまた違うフルーツで美味しかった。ご飯もそこそこに食後のお茶会になり、話はやっぱり私の素性についてである。
「レミ 、リリーから私の言伝を聞いていると思うが君について教えてもらえますか?」
「はい、出来る限り伝えようと思っています。ですが私自身もまだよく状況がわかっていないのです。」
「わかっていない?」
「はい、まず私はこの国の国民ではありません。日本という国の出身です。お二人は日本を知っていますか?」
「私は聞いたことがありませんね。」
「俺もないな。」
「そうですか…」
ダメ元で聞いてみたけどこれはやっぱり異世界っぽいなぁ。
「次に何故貴方はあのような格好で道端に寝ていたのか教えてもらえますか?」
「うーん、それに関しては私もわかりません。私は自分のベットで寝た記憶が最後でクラレンス様に起こされるまでの記憶がないですし、あの格好については私の寝る時の普通の格好です。」
ていうか道端に寝てた記憶すらない。
「正直この国?の名前も知りませんし、自分自身以外は何も分からないのが現状です。」
「心細くはないのですか?」
「…これからどうなるっていう不安はあります。ですが、このままクラレンス様のご厚意に甘えてはいられないので、働いてとりあえずは独り立ちしようと思っています。」
「見かけによらず強い女なんだな!」
アルフォード様が笑ってる。働いてひとり暮らしするくらい普通じゃないのか。
「いえ、私のいた世界ではそれが普通なのです。それに主に食生活に問題が発生しそうで…なるべく早く働けるようになろうと思ってます。」
「食生活に問題とはなんですか?」
「えっと、クラレンス様達が普通に、その食べてるお料理が口に合わなくて…でもその私に合わないだけかもしれないですし、お二人は美味しそうに食べていたのできっとこの世界ではそれが普通だと思うと自分で食べられるものを探したいな…って思いました。」
「では、この家での料理は食べれるものではないと?」
ものすごくドスの聞いた声で質問されたら、はいor YES しか答える方法がない。
「…………はい」
「リリーそれは本当か?」
「誠にございます。昨晩クラレンス様とお召し上がったお料理以外には果物しか食されておりません。」
側に控えていたリリーさんに真相を確かめている。食事が合わないって伝えたら不味かったかなぁ、親切にしているのに言われたら怒るのは仕方がない。でもここを出るまで嘘つきながら食事しない訳にはいかないし…。むしろ追い出されちゃうかもしれない。
「レミ」
「はい」
「何故教えていただけなかったのですか?」
「え?この世界ではそれが当たり前だと思ったので…」
「そうですか」
「今ここにいるだけで十分なんです!もしあのまま道端にそのままで目覚めていたら本当にどうなっていたかわからない…もしかしたら生きてすらいないのかもしれません。私を運んでいただいて寝る場所や洋服まで使わせて頂いて、本当に感謝しているんです!それなのに食事までわがままは言えませんので…クラレンス様が気にすることではないです。」
何故私はこんなに力説してるんだろう。
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