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この世界は

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お肉の話は置いておいて、リアンディアが帰ってきたら栄養剤がいくらになるか聞いておいて貯金の予定を考えよう。帰る方法も探すべきだし、ずっとここに居られるわけでもないし。









「ただいま」

「おかえりなさい、リランディア」


帰ってきたリランディアと夕飯を食べる。その後私の作った栄養剤をリランディアが味見したところOKサインが出たので、出来上がったものを売ってくれるらしい。医薬部外品に近いものなので、領主様が一括で買い取り、そこから領民に配られるとのこと。


「栄養剤を作るのに慣れたらポーションの作り方を教えるね」

「ありがとう、あのね少しお金が貯まったら私ここを出ていこうかと思ってるんだけど…」

「出ていくの?」

「うん、ずっとリランディアの家に居候する訳にもいかないし」

「ふーん、じゃあ僕もついていこうかな」

「え?」

「ちょうど暇してたところだしね、暫くここに留まっていたけれどレミが出ていくのであれば付いていくの楽しそうじゃないか」

「仕事とか、この家どうするの?」

「仕事はどこでもできるし、家は元々保護魔法がかかってるから老朽化なんかは防げるさ。大体ここは別荘っていうか、まぁちゃんとした僕の家ではないんだよ。」

「私は自分の世界に帰るためにここを出ていくけど、リランディアには何の徳にもならないと思う」

「長命な一族だからね、基本的に生きる事は暇つぶしみたいなもんだよ。僕はこれでも500年は生きてる。それでもエルフっていう一族では若造だし、ヴァンパイアだって長命な一族で有名だよ。」

「そうなんだ、まだまだ知らないことばかりだなぁ」

「まあ、その辺はゆっくりと教えるさ」

「うん、ありがとう」


それから栄養剤作りから上級ポーションまで作れるようになった。リランディア曰く、料理がそれなりにできるのであれば上級ポーションまで作ることは難しくないらしい。この世界の料理が発展しないことも手先の器用な種族が少ないのと器用な種族は一つのことに特化してることが多く料理に特化してる種族がいない。まあ食べれればいいだろう精神が強いみたい。


















「レミ、今日はポーションを一緒に卸しに行かない?」

「行くー」


珍しくリランディアに誘われたのでそのままのってみた。一緒に行くと言ってもポーションはリランディアの鞄の中だし、ただ歩いて後を付いていくだけ。


「~♪~♫」

「レミ、歌に魔力が乗ってしまってるよ」

「え?」

「気分が良いのはわかるけれど、花はあまり咲かせないほうがいい。」


指差された辺りの花が沢山咲いていて、なんなら鼻歌歌いながら歩いてきた道は花が咲き誇ってた。元から咲いて…ないか…。


「今、レミが咲かせたんだよ」

「いやいや、流石にそれは」

「無意識?」

「うん、魔法使う意識すらない」

「あぁ、まじないだね…本当に珍しい。久しぶりに見た」

「まじない?ナニソレ」

「簡単に言えば魔法の基礎みたいなものさ」
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