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「何か欲しいものがあるのですか?」
と聞いてみるものの、普通に考えたら伯爵家の私が用意できるようなもの、公爵家の方が質もいいものを早く用意できるであろう。
と、なると、…うちの領土のの特産品とか?
でもそれこそ家同士の付き合いなのだから、セオドア様のご褒美でなくてもお渡しするだろうし。
考えたところで正解にたどり着ける気がしなかったので、大人しく答えを待つ。
「あぁ。と言っても、明確にこれといって欲しいモノがある訳ではないのだが。」
…なんだかなぞなぞのようになってきた。
思わず首を傾げてしまう。
セオドア様は何かを伝えようとして口を開きかけ、躊躇うかのように1度口を閉じ、視線を逸らす。
そんなに言いづらい事なのだろうか。
ムクムクと湧き上がる不安感に思わず胸をおさえる。
私にとってマイナスなことなのか…?
「君と、共に学園にいる今の思い出をもっと増やしたいんだ…その、本当になんでもいいんだ。ものでも、共にいる時間…何なら君の生活に少し邪魔させて貰うような形でも…」
少しだけ気まずげに伏せられた目元が紅く染まっている。
珍しく、もごもごと言葉が繋げられていくのは自分でも上手く伝えたい事がまとまらないからなのか。
紡がれた言葉を咀嚼するのに少しばかり時間がかかる。
ご褒美は私との思い出?
これがもし、婚約破棄前の最後の思い出作りならとんでもなく残酷な言葉だけれど。
単純に、私との繋がりを求めて貰えていると思うと…胸の奥の方が熱くなってくる。
「…た、例えばランチをご一緒したり、どこかへお出かけしたりとか、そういった事をお願いしても宜しいのでしょうか?」
学生の御付き合いと言えば、こういうものだろうか?
これではセオドア様のご褒美と言うより私へのご褒美だが。
「ああ!その約束を貰えるのであれば、いくらでも頑張れそうだ。…でも、そうだな、君が望んでくれるのであれば何時でも言って欲しい。直ぐに叶えるから。」
「!!それでは私のご褒美でございます。セオドア様のご褒美はまた別のものを考えましょう。」
視線を上げたセオドア様と目が合う。
不思議な透明感のある多色ブルーの瞳が優しく細められる。
ほんの少しだけ上げられた口角に、私でも分かるほどの"嬉しさ"が滲むのが見えた。
「本当に、共にいる時間が増えるだけで十分なのだが。…そうだな、今後何かしたい事があったら俺に言うようにして欲しい。それをご褒美にしてくれないか?」
「したい事…?」
「食べたいもの、行きたいところ、欲しいもの、見たいもの。なんでもいいから望みを教えて欲しい。教えてくれたらいくらでも叶えて上げられるから。」
「…それは、やはり私のご褒美では??」
君を甘やかす権利を貰えるのは、十分私の褒美なのだよ、と優しく微笑みながら告げられた言葉に
顔を赤くして固まってしまったのはしかたがない事だと思う。
と聞いてみるものの、普通に考えたら伯爵家の私が用意できるようなもの、公爵家の方が質もいいものを早く用意できるであろう。
と、なると、…うちの領土のの特産品とか?
でもそれこそ家同士の付き合いなのだから、セオドア様のご褒美でなくてもお渡しするだろうし。
考えたところで正解にたどり着ける気がしなかったので、大人しく答えを待つ。
「あぁ。と言っても、明確にこれといって欲しいモノがある訳ではないのだが。」
…なんだかなぞなぞのようになってきた。
思わず首を傾げてしまう。
セオドア様は何かを伝えようとして口を開きかけ、躊躇うかのように1度口を閉じ、視線を逸らす。
そんなに言いづらい事なのだろうか。
ムクムクと湧き上がる不安感に思わず胸をおさえる。
私にとってマイナスなことなのか…?
「君と、共に学園にいる今の思い出をもっと増やしたいんだ…その、本当になんでもいいんだ。ものでも、共にいる時間…何なら君の生活に少し邪魔させて貰うような形でも…」
少しだけ気まずげに伏せられた目元が紅く染まっている。
珍しく、もごもごと言葉が繋げられていくのは自分でも上手く伝えたい事がまとまらないからなのか。
紡がれた言葉を咀嚼するのに少しばかり時間がかかる。
ご褒美は私との思い出?
これがもし、婚約破棄前の最後の思い出作りならとんでもなく残酷な言葉だけれど。
単純に、私との繋がりを求めて貰えていると思うと…胸の奥の方が熱くなってくる。
「…た、例えばランチをご一緒したり、どこかへお出かけしたりとか、そういった事をお願いしても宜しいのでしょうか?」
学生の御付き合いと言えば、こういうものだろうか?
これではセオドア様のご褒美と言うより私へのご褒美だが。
「ああ!その約束を貰えるのであれば、いくらでも頑張れそうだ。…でも、そうだな、君が望んでくれるのであれば何時でも言って欲しい。直ぐに叶えるから。」
「!!それでは私のご褒美でございます。セオドア様のご褒美はまた別のものを考えましょう。」
視線を上げたセオドア様と目が合う。
不思議な透明感のある多色ブルーの瞳が優しく細められる。
ほんの少しだけ上げられた口角に、私でも分かるほどの"嬉しさ"が滲むのが見えた。
「本当に、共にいる時間が増えるだけで十分なのだが。…そうだな、今後何かしたい事があったら俺に言うようにして欲しい。それをご褒美にしてくれないか?」
「したい事…?」
「食べたいもの、行きたいところ、欲しいもの、見たいもの。なんでもいいから望みを教えて欲しい。教えてくれたらいくらでも叶えて上げられるから。」
「…それは、やはり私のご褒美では??」
君を甘やかす権利を貰えるのは、十分私の褒美なのだよ、と優しく微笑みながら告げられた言葉に
顔を赤くして固まってしまったのはしかたがない事だと思う。
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