ラブコメ好きな俺は妹悪魔の下僕ですか?

一条 誠

文字の大きさ
2 / 2

妹悪魔と幼なじみ

しおりを挟む
 「起きろ~~!」
 妹悪魔は朝からついていけないぐらいテンションが高かった。
 それもその筈、今日は俺が、高校への初めての登校日だからだ。
 言い忘れていたが、俺は始業式にも入学式にも、出席したことは一度もない。新しい学年になった瞬間に、ぼっちが確定するのである。なぜなら学校に大した関係者がいないからだ。
 何はともあれ、俺は今日から学校に行く。そう、行くんだが。
 「やった、やった、お兄ちゃんが学校に行くぞーー!。イエーイ!。」
 イエーイじゃねえよ。あと、正直ここまで喜ばれると、お兄ちゃん逆に悲しくなるよ。というか、近所に聞こえるからマジでやめて。
 妹悪魔は嬉しいせいなのか、鼻歌を歌いながら制服に着替え始めた。
 妹とは不思議なものだ。絶対に異性として見ることも無ければ、体が当たってドキドキすることもない。たぶん、いっしょに寝ることになってもなんとも思わない。
 もしそれが俺の彼女だったなら、触れた瞬間にあの世に行ってしまうと思う。それで死ぬとか、俺どんだけメンタル弱いんだよ。というか、悲しいことに彼女いねぇんだよ。
 妹のことから自分の悲しい部分に話がズレ始めた俺に、妹悪魔は制服姿で話しかけてきた。「ねぇねぇお兄ちゃん?聞きづらいんだけどさぁ、お兄ちゃんって学校の友達っているんですか?。」
 聞きづらいなら聞くなよ。てか、何で敬語なんだよ。気ーつかってるならやめろ、余計傷付く。
 「俺に高校の友達何ているわけないだろ?だって、高校に行ったことねぇし。」
 なんとも素っ気ない返事を返すと、妹悪魔は「ああ・・・、うん、そだね。」と、若干引きながら適当に答えてきた。
 やめて、そんな哀れみの目で俺を見ないで。マジで消えたくなるから。
 朝の支度を終わらせ家を出ると、変に飾られたポストの中に一枚の封筒が入っていた。
 「お兄ちゃん、それ誰から?」
 「さぁ。」
 見た感じどこにでもありそうな封筒だったが、裏にあったマークですぐに分かった。
 学校に行く途中、妹悪魔は自転車を漕いでいる俺につかまりながら話かけてきた。
 「ねぇねぇ知ってる?もうすぐみことちゃんがここに引っ越してくるんだよ!。イヤー楽しみだなぁ~。」
 お前はいちいち思ったことを話さないと、気がすまないのか。危ないから静かにしてろ。
「ねぇねぇ、みことちゃんってお兄ちゃんと同い年だよね?」
「ああ、そうだけど。」
「良かったじゃんお兄ちゃん!!知り合いがいるって、お兄ちゃんにとってはまさに奇跡だよ!!いやー、これで安心できるよ。」
 お前俺の評価低すぎるだろ。
 友達以前に知り合いがいるだけで奇跡って、俺、そこら辺の石ころといっしょじゃねえか。というか、それで何でお前が安心してんだ。
 雪白 未琴。俺と同い年で、四年前にオーストラリアに留学しては、なんと二ヶ月に一回は、自分が楽しんでいる写真と手紙を俺当てに出してくる面倒なやつだ。もうすぐ日本に帰ってくるらしく、仲の良い妹悪魔はとても楽しみにしている。
 そもそもみことは、昔いっしょによく遊んだぐらいの中で、比較的誰にでもいる幼なじみというやつだ。アニメとかだと、その幼なじみが自分に片思いしていたりするものだが、現実は甘くない。ただただ、親近感が周りよりも強いだけであって、恋愛対象として見ることはないと思う。なぜか本物のリア充どもはそのままゴールインしていたりするが、そんなのどこが良いのか検討もつかん。だって子どもの時からずっと隣にいるって、守護霊かなんかと一緒じゃん。絶対鬱陶しいじゃん。でも、個人的にはなんか憧れるじゃん。やっぱ良いなあ~。
 俺が自分の世界で噛み合わない議論を勝手にしていると、初めて見た感じがしてならない学校の校舎が見えてきた。
 俺の通っている(と言えたらすごい)この学校は学力は普通でもスポーツ特待などの制度があり、個人の長所を尊重する学校である。ちなみに俺は、ゲームが得意と言えば学校で絶対絡まれると思ったので、プログラミング技術にものすごく特化しているという設定で入学を希望した。そしたら、なぜか合格通知が届いていたという自分でもよくわからん結果になっていた。行き先をテキトーに決めた学校に、ゲームを極めて入るってどうなんだ?そして、俺の評価決めたやつ誰だよ。はっきり言ってアホだろ!悲しいことに自分の長所を尊重してずっと引きこもってましたよ!。
    学校に入ると、やはり初めて見た人感がすごいらしく、一気に注目の的になってしまった。そう、嫌な意味で。 そして妹悪魔がなぜかものすごく赤い顔で、俺の背中に隠れるようにして座ってるのはなぜだ?どっかに好きなやつでもいるのか?なら、お兄ちゃんそいつに十時間ぐらい説教してやろう。二度と家の妹に近づくな!ってな。校門の横にある駐輪場に自転車を停めていると、妹悪魔が何か言いたげな顔をしながら俺の背中をどついてきた。
 「イテーーな、なんなんだよ。」
 「お兄ちゃんに一つ約束して欲しいことがあります!私とお兄ちゃんが兄妹だってことを絶対秘密にして下さい!」
 「は?」
 「さっき校門通った時友達がいてさ、スッゴい恥ずかしかったんだ。だからできるだけ離れといてくれた方がありがたいんだけど。いい?」
  ああなるほど、さっきこいつがトマトみたいな赤面になってたのはこういうことか。良かった~。お兄ちゃん怒りが爆発するかもしれなかったよ。ん?待て待て。
 「おいコラ、回りくどく俺と一緒にいたらダメみたいに言うんじゃねえよ。あと、それを言おうとする友達と言えるやつがここにはいねぇよ。」
 「自分で分かってるくせに
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妹の仇 兄の復讐

MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。 僕、孝之は高校三年生、十七歳。妹の茜は十五歳、高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。 その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

処理中です...