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恋のライバル
新学期の講議
しおりを挟む―キーンコーン‥‥
1講目のチャイムと同時に私は介護実習室に駆け込んだ。
「はぁ~間に合った‥‥。」
実習着のトレーナーの裾を握り締めながら息を荒げ、自分の席であるベッドに着いた。
この介護技術の講義では、ベッドがたくさん並んだ実習室にて勉強する。デモンストレーションなどを行いながら実際の介護を体験するためだ。
「おはよ澪ちゃん!」
「あ、おはよ~!久しぶり~!」
「久しぶりだね~!今日、実習の成績出るんだよぉ。」
ショートヘアで優しい目をした、いかにも介護士の卵らしいこの彼女は加奈子と言って、私の数少ない友達である。
「あれぇ?そうだっけ!ヤバイ私絶対Dだよ評価~。」
「あはは、それはナイよぉ!
だってDだったら留年じゃん。」
そう、私達の学校では成績をABCDの4段階に分け、Dはすなわち留年を意味するのだ。
「うん、だからシャレにならないのよ!
てゆーか聞いて!私が行った実習先の主任がさぁ、これが鬼ババァみたいなヤツで‥‥。」
―ガラガラ
実習室のドアが勢い良く開けられ、私は青木主任の愚痴を中断せざるをえなくなった。
「はい!皆さんお喋りは終わりですよッ!
もういい加減、正月ボケを直して下さーい。
成績表配りますから呼ばれた人は前に出てー!」
この太った中年の女性は畑野先生と言って、私達の介護技術指導の担当教諭だ。
「嘘ー!今配るんですかぁー!?」
「成績とか普通ゼミでやらな~い?」
「どーしよーD取ったらぁ!」
ガヤガヤと女生徒の文句で室内が一気に騒がしくなった。
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