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恋のライバル
藤堂さんの孫がアイツだなんて…
しおりを挟む「え!悪いよそんなぁ。」
「いいのいいの。A取ったお祝いだから。」
ニッコリと加奈子は太陽のように微笑んだ。
「ありがと加奈子~!私も今度奢るよ~。」
「うん、楽しみにしてるよっ。
じゃ、カウンター行って注文してくるね。何がイイ?」
「えーと‥‥じゃあ、キャラメルケーキ。」
「キャラメルね。分かった~!」
そう言うと加奈子はソファから立ち上がり、カウンターまで消えて行った。
「‥‥ふぅ。」
―ガサゴソ
私は細く息を漏らすと、バッグから成績表を取り出す。
A‥‥かぁ。
うん、どう見てもAだなぁ。
心なしかニヤニヤしながら紙を見つめてそう思う。
なんか、久しぶりに幸せに浸っているかも。
先月は最悪だった。
実習は何故か私1人だったし(普通なら2、3人が同じ施設で実習を行う)、主任は意地悪だし、気苦労が絶えなかった。
でも‥‥お年寄りは皆、イイ人ばかりだったなぁ。
私は藤堂さんの皺くちゃで優しい顔を再び思い浮かべた。
藤堂さんかぁ。
そういえば、あの藤堂さんの孫が‥‥
アイツなのよね。
和やかな回想の中に千鶴のヘラヘラした顔が浮かんだ瞬間、私は固まった。
そういや階段から突き落として以来、現れなくなったなぁ~。
メールでは『また明日』とか言ってたクセにね。
ふん、やっぱり軽い男だわ。
華やかな外見と奇想天外な行動にに惑わされてきたけど、男は男だ!
男なんか信用できない。
口先ばかりで、ヘソから下は子供と一緒。そう、ネクタイを締めた子供だわ。
雑誌やテレビでも言ってる‥‥男は浮気する生き物だって。例外は無いわ。
あの変態千鶴だって同じ男。
私のことを好きだ愛してると言いつつ、他に女いるわよ。いるわね。あの容姿でいないはずがないものね。
―フンッ
私はA評価の喜びはどこへやら、すっかり機嫌を悪くして鼻息を鳴らした。
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