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恋のライバル
謎の美少女
しおりを挟むこのクソ寒いのによく外で集まって世間話ができるなぁと私は思いながら、その集団をノロノロと横切る。
その時、派手なメッシュを入れた、いかにも成金ぽいおばちゃんが声を高くして言った言葉が偶然耳に入った。
「ちょっと‥‥アレ見てよ。いやぁ~ね、人に見られてないと思ってるのかしら。
堂々と煙草なんか吸って!」
‥‥?
煙草?不良かな。
私はそれを聞き、ふとおばちゃん達の視線を辿った。
するとマンションの2階の柵の前で、若い女の子が煙草を吹かしている光景が目に入る。
「嫌よね。カッコイイとでも思ってるのかしら‥‥ねぇ!」
メッシュのおばちゃんは笑いながら言った。
ていうか、そんな風に輪を作って噂するくらいなら堂々と注意しろよ。
私は至って冷静に構え、おばちゃん集団に呆れを込めた失笑をするとマンションの階段を上がった。
‥‥まぁ私にも関係ないんだけどさ。
知らない子を注意するほどの正義感の持ち主でもないし。
そう思いながら、私もあのおばちゃん軍団の仲間入りだなと自嘲した。
―ギシ、ギシ‥‥
固い雪で覆われた階段をゆっくり上ると、煙草を吸う女の子が間近に見えた。
あれ?ウチの隣じゃん。
その女の子は私と凪の部屋の、隣の部屋のドアの前で柵にもたれかかりながら、気だるそうに立っていた。
あんな派手な子が隣に住んでいたのかぁと少しだけ興味を持ちながら、私は数歩踏み出しその子に近付く。
ていうか、近付かないと自分の家にも入れないしね。
徐々にその女の子に接近していくと、次第にその容貌に息を飲むことになった。
うわぁ‥‥ハーフかなぁ?
とんでもなく可愛い子だと思った。
煙草を吸うその子は明らかに中学生くらいで、まるでフランス人形みたいだった。
瞬きの音とかこの距離で聞こえてきそうなくらいに大きな瞳。
その繊細な顔立ちを強調するように切り揃えられたショートヘアは褐色で、金や茶が混ざった色素の薄い髪だ。
その子は真冬の太陽の日差しを反射して、異様に目立っている。
というか‥‥輝いている。
いるんだなぁ、こんなモデルみたいに可愛い子。
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