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恋のライバル
その少女、毒舌。
しおりを挟むいつのまにか、私はその子を凝視していた。
それと同時に、何故か無性にイライラしてしまった。
こんな人形みたいな可憐な子が煙草を吸うという光景が異様だったからなのか、とても見ていられなかったのだ。
「ちょっと。」
気が付けばその子に、無意識に声をかけていた。
女の子は声に気付き少し俯いていた頭を上げ、その深い泉のような瞳に私を映した。
‥‥うわっ、近くで見るとすごい可愛いなぁ。
なのに。
「‥‥あの、こんな所だと近所の人もうるさいし‥‥っていうか間違ってたら謝りますけど、どう見ても中学生くらいよね?煙草‥‥。」
こんな儚げな子が煙草を吸うなんて!
私は一応大人として勇気を振り絞り、声を出した。
「‥‥止めなよ。」
い、言っちゃった。知らない子供に注意しちゃったよ、私。
どれだけお節介なの?
少々腰を引きながらも、女の子の顔を見つめる。
すると、その子の薄紅色の唇が開いた。
「‥‥うるさいなぁ。」
こぼれそうな大きな目を少し細め、眉間に皺を寄せながら、その子は可憐な顔に似合わない発言をした。
妖精みたいな外見とは裏腹に声が低い。
ていうか可愛い顔して口悪いなぁ~と苦笑いしながら思った。
「うるさいって‥‥何その態度。
体に悪いから止めろって言ってるのに。」
ムカついたので少しキツめに注意した。
何となく、ここで怯んだら負けだと思ったからだ。
「‥‥ッハ、余計なお世話なんだよ。」
まるでフランス人形が悪態を付いているみたいだ。
女の子は吐き捨てるように喋った。
「いや、余計なお世話かもしれないけどアナタのために言ってんのよ。せっかく可愛いのに‥‥。
そんなに若い内から吸ってたら、肌とかボロボロになるよ?」
私は鞄を持ち直しながらベラベラと説教をした。
こんなつもりじゃなかったのになぁ~。注意とか初めてだし。
‥‥勢いって恐い。
そう考えていると女の子は煙草を床に捨て、グリグリと足で踏み付けると私を睨んだ。
そして、再び面倒臭そうに口を開く。
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