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恋のライバル
ドMの変態
しおりを挟む「‥‥‥‥。」
「澪?」
葵くんに悪いことをしてしまったという罪悪感だけが頭の中をグルグルと巡り、この後どうするべきか考えながら千鶴の言葉を無視した。
「‥‥‥‥。」
「みーお。」
「‥‥‥‥。」
「澪ってば。」
「‥‥‥‥。」
「澪‥‥澪‥‥。
ああ、なんという美しい響きでしょうか。
貴女の名前の一音一音が、心地良く僕の鼓膜を揺さぶりますよ。」
「‥‥‥‥っ。」
「藤堂‥‥澪‥‥か。」
「‥‥‥‥~っ!」
「完璧ですね。
藤堂澪、トウドウミオ‥‥。
類を見ない完璧な名前です。
思わず平伏したくなるような‥‥ッ。」
―ガスッ、バキッ!
「名‥‥前‥‥ですよ、ね。」
「黙っていれば、ベラベラとうるさいのよ‥‥!
この、馬鹿!変態!馬鹿‥‥!
葵くん、まだ中学生なのよ!?」
私は千鶴のどてっ腹をしこたま殴った後、泣きそうになるのを堪えてそう叫んだ。
そして焦りながらそのまま靴を履く。
「澪、何処へ!
僕を置いて行かないで下さい!」
千鶴は殴られたショックで床に腹這いになりながら、必死に私を引き止めようと訴えてきた。
「う、うるさい!ついて来ないでよ!
あと私の名前は土屋澪だー!!」
私は自分の正しい名前を主張するなり、慌ててドアノブに手をやった。
だって、千鶴が墓から這い上がってきたゾンビのようにほふく前進しながらズルズルとこっちに近付いてくるんだもの!
恐いっつーの!さっきとは違う種類の焦りが出てきたわ!
「‥‥澪、ちょっと待って下さい。最期に言いたいことが‥‥。」
今、最期って言った?本当に最期になればいいのに‥‥。
そんな有り得ないことを願った自分がいた。
「何よ!急いでるんだから早くして!」
「‥‥さっき、『馬鹿』って2回言いました。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥どうでもいいんじゃー!!」
私は千鶴の心底どうでもいい最期の言葉にそう叫び返すと、足下にあったブーツを力任せに投げ付けた。
―バチン!!
ブーツは千鶴の顔面に張り付くように命中し、あまりの威力に弾けてその後壁に飛んでいった。
「痛ッ!?い、痛‥‥!み、澪!革は痛いですよ!
‥‥僕さすがにそんな趣味はまだ無いです。」
「るせー!ドMがッ!!」
私は吐き捨てるようにそう言い返し、立ち上がった。
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