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恋の忘れ形見
コンビニのサンドイッチを食べながら
しおりを挟む「‥‥あ。」
そういえば、凪に何か食べさせてやらなきゃ。
私はそう思い付くと、煙草片手にキッチンへ向かった。
「何コレ‥‥。」
そこで私の視線を根こそぎ奪った物は、シンクに山のように置かれたモノだった。
恐らく、コンビニで大量に購入したであろうサンドイッチの山だ。
もしかして‥‥凪が言ってた
『白いヤツのアレで、緑のと黄色いのとピンクいの』って、この卵とレタスが挟まったハムサンドのことか?
煙を吐きながら溜め息をつくと、私はその大量のサンドイッチを両手で抱える。
そしてそれらをリビングに運んで行き、テーブルの上にドッサリと乗せた。
「良かったら食べる?てゆーか食べてもらえたら助かる。
私1人じゃこんなに食べられないし。」
「いいんですか?」
「ああ、お坊っちゃんのアンタの口には合わないか。」
私は千鶴にサンドイッチを1つ渡しながらそう言うと、自分もその内の1つの袋を開けた。
「いえ、高校の頃はよくコンビニで買い食いしてましたし。」
その後に『いただきます』と付け加えると、千鶴はニコニコしながら袋からハムサンドを取り出す。
「へぇ~、意外。
アンタもコンビニとか行くんだ?」
「はい。意外ですか?
よく立ち寄りますけどね。」
ふうん‥‥てっきり、毎日シェフが作った豪華な料理でも食べてるのかと思った。
私はそんなことをぼんやりと考えながらハムサンドを咀嚼した。
「‥‥澪、ちょっと質問してもいいですか?」
すると千鶴は手を止めて、真剣な顔を私に向けてきた。
「何?下らないことなら答えないわよ。」
‥‥まさか、スリーサイズとか聞いてくるんじゃないでしょうね。
そう思案すると、私は千鶴を睨んだ。
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