Shadow★Man~変態イケメン御曹司に溺愛(ストーカー)されました~

美保馨

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恋の忘れ形見②

雨宮先生と喫煙所で

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教室から大分離れた1階の喫煙所のドアを開けると、私は適当な席に座り煙草に火を点けた。


バッグの中には凪が書いたレポートが入っている。

凪は相変わらず床に伏せていて、熱は下がったものの大事を取って安静にしているのだ。


それで、このレポートを雨宮先生に届けてって頼まれたんだけど‥‥

雨宮先生の研究所ってどこよ?

フゥーッと細く煙を吹き出すと、私以外誰もいない喫煙所でレポートに視線を落とした。


雨宮先生ねぇ‥‥何だか会うの緊張するなぁ。

この前の凪の学科の講義の様子を思い出しながら、美人な雨宮先生の顔を頭に浮かべた。

何かキツそうな人だったなぁ~。



―ギィ‥‥


その時誰かが喫煙所のドアを開けて入ってきたので、回想を強制終了させた。

何故ならドアを開けた人物が、今しがた脳内で思い浮かべていたその人だったからだ。



「あら、土屋さん。」


ハーフの顔立ちをした綺麗な女性は私の名字を呼ぶと、無表情で隣に腰掛けてきた。


「‥‥こ、こんにちは。」


突然の出来事に心臓をバクバクさせながら、私は上ずった声で挨拶をした。

まさか‥‥本人が目の前に現れるとは、夢にも思っていなかったから。

雨宮先生はポーチから煙草を取り出すと、長い髪を掻き分けながらライターをカチカチと鳴らした。


すごい‥‥。近くで見ると、息を飲むほど綺麗だ。
てゆーか煙草、吸うんだなぁ。

そう思いながら雨宮先生の横顔を見つめていると、先生はいきなりチッと舌打ちをした。

私はそれを聞いて、思わずビクリと反応してしまった。



「‥‥ねぇ、悪いんだけどライター貸してくれる?」


すると雨宮先生はこちらを振り向き、平然としながら私にそう尋ねてきた。


「あ、はい‥‥どうぞ。」


100円の安いライターを差し出すと、先生は『ありがとう』と一言呟いて、煙草に火を点けた。

私の煙と先生の煙が交じり、頭上でクルクルと渦を巻く。




「ねぇ。」


「はい‥‥?」



先生は私の手の平にライターを返すと、また口を開いた。
ジーッと、薄い色の瞳で私の顔を見つめてくる。

な、何だろう‥‥?
 
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