184 / 399
恋はさざ波に似て
冗談……? さすがの僕も参りますね
しおりを挟む「そう……。
でも、1番はセイヤだから。
アンタは……3番目」
「3番目!?2番目は誰ですか!
セカンドポジションすら奪う気ですか!」
え、今の怒るポイント?何か1番目を剥奪された時より激昂してるし。
「もー、何番でもイイけどアンタなんか最初から好きでもなんでもないしー。
もう付きまとわないでくれるぅ?」
ヤバイ……吹き出してしまいそうだ。
「そう……。そう、ですか………
………………………澪が他の誰かを想うのなら、僕はそれを奪うことは出来ません」
「……え、なに……」
突然、悪ノリしすぎてしまったという罪悪感が背中から降り注ぐ。
もしかして私は……物凄く純粋な人間を傷付けている真っ最中なのかもしれない。
仮に、コイツに今の冗談が伝わっていないとすれば。
私は……
あの日、克哉にされたコトと同じコトを千鶴にしている。
で、でも!
だからって……
本当に付き合っているワケでもないし。
「月並みな言葉で申し訳ありませんが、僕は本当に……澪が幸せならそれで……いいです」
あ、ヤバイ。
即座にそう思った。
だって、さっき私が殴ったばかりの頬に涙が光ったから。
綺麗に頬を伝って、それは雨のように床を叩いた。
その音が響く前に、千鶴はくるりと私に背を向ける。
「ッハ……女々しいったら、ないですね。
無様な姿を晒してすみません。
それでは」
「……え、待ってよ。
冗談でしょー?」
慌てて去ろうとした千鶴の腕を掴んでしまった。
「冗談……?
さすがの僕も参りますね」
「いや、ゴメン。私が冗談言ったの!悪かった、前言撤回っ」
「冗談……?
さすがの僕も参りますね」
え……同じ抑揚で同じ台詞言ったんですけど。
「だ、だからゴメンーって。
アンタがあんまり面白いから、つい悪ノリしたの!」
ひ!首だけこっち向いた!
目ぇかっ開いて、めっちゃ睨んでる!
これじゃまるで蛇に睨まれた蛙だ……。
「い、い、今の、じょじょじょ
冗談だったのですか?」
――ガクガクブルブル
なんて効果音が実際に聞こえるほどに、千鶴は全身をワナワナと震えさせた。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる