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恋はさざ波に似て③
いい気になっては駄目でしょうか
しおりを挟む「……人が二日酔いだからって、イイ気にならないでヘンタイ」
「いい気になっては駄目でしょうか」
はぁ、だなんて悩ましげな溜め息を、私の髪の中で吐かれたもんだから、ズキズキと病む頭中が暖かくってもどかしい。
「こっち、向いて下さい」
「死~ん~で~も~、イヤ!!」
「では、今穿いている下着を脱いで、それを僕に下さい」
「ねぇちょっとそこの窓から顔突き出して野生のカラスに肉ついばまれて死んできて」
「昨日みたく、照れ隠しに平手打ちされた方が良いですね。
鳥類はあまり好きではありませんから」
「はぁ~っ、サイアク。
照れ隠しとかじゃなくて、本気で嫌だから叩いたんじゃん。
分かれよそれくらい。
ホントの照れ隠しってのは、
『キャー!イヤー!』とか言いながら、本気の抵抗をする気の無い無駄な抵抗をするもんよ」
「昔、鴉に似ていると言われた事があるのですが……どういう意味だと解釈しますか?
狡猾?いや、この僕の漆黒の髪が鴉の羽毛を彷彿とさせたのでしょうね」
「あの、ダイナミックな無視をしないで下さいませんか」
「はいはい何でしょう、お姫様」
「だから、無視すんなって。
『はいはい』って、絶対バカにしてんじゃん」
「フッ、すっかり機嫌を損ねましたね。そんなに僕に構って欲しいのですか、そうですか」
背中に千鶴の頭がスリスリと擦り付けられる。
私はオマエのペットかよ。
そんなんでご機嫌取れると思うなよ。
「あ~の~ねぇ……とりあえず、薬ちょうだい」
ああ、観念してやるさ。
だって今は背後に取り憑く変態よりも、頭蓋骨を揺るがす頭痛の方が強敵のようだから。
「はい、薬はここに。
しかし、何か口にしてから服用した方が……」
「いいの。早くちょうだい」
枕のすぐ脇に、黒いトレーに乗せられた透明のグラスがあった。
グラスの中には無色透明の水と、その隣には頭痛薬が。
窓から注がれる陽の光を受けて、グラスはキラキラと光を反射させていた。
私はゆるゆると起き上がると、
千鶴の忠告を無視して頭痛薬の入った箱を乱暴に開ける。
髪は爆発したみたいにボサボサ、
服なんかも昨日から着ていたモノだからすっかり皺くちゃで。
しかしそんな身だしなみは構わずに、とりあえず白い粒を水で喉に流し込んだ。
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