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恋の焼け跡③
老いはどんな人間にも平等に訪れる未来
しおりを挟む(問1)高齢者の疾病の特徴について記しなさい。
『老化による疾病の特徴として、まず肺活量などの本来身体機能が具有する予備力の低下があげられる。
次に、感覚機能の低下により反射神経が鈍ることがあげられる。それに伴い防衛力の低下が指摘できる。
第三に、疲労など回復力の低下があげられる。一晩の睡眠では著しい回復は難しい。
第四に、環境の変化による適応力の低下があげられる。若者以上に着衣による温度調節が求められる……』
(問2)高齢者にみられる生活習慣病とは。その病名と原因を述べなさい。
『高齢者にみられる生活習慣病は主に栄養状態、喫煙の有無、運動習慣の有無によりもたらされる。
その種類は癌、動脈硬化症、高血圧症などがあげられる。
また、味覚が鈍くなることによる食事の味付けにも影響される。
このように老化は、全身の臓器に及ぶことが分かる……』
これは私の学年末考査の答案用紙の一部。
考査は一応、パスしたようだ。
今や廃人も同然の私が、『疾病』だの『生活習慣病』だのを説明しているという矛盾に、胃がムカついた。
これは何の皮肉だろうか。
だけど私が白衣を着て、偉そうにそれらの病気を説明していないことは確かだ。
答案のほとんどは教科書の内容を暗記したもので、それをそのままテスト用紙に写しただけなのだから。
よっぽど的外れなことを書かない限り、ペケなんて撥ねない。
だから追試を受けるクラスメイトを不憫に思う。
テストが開始される何十分か前に教科書のアンダーラインを暗記すれば、その後数日間にも及ぶ無駄な時間から解放されるというのに。
だけどテストなんて、所詮は形式上のものだ。そんなもの実践ではさほど役には立たない。
……少なくとも、教科書の文章を数十ページ分も丸暗記しただけの私には。
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