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恋の焼け跡④
澪お姉様の事
しおりを挟む「ああ、泣かないでくださいっ、わたくしが泣かせてしまったのですか?」
視界が塞がれた。熱い熱い液体が、とめどなく溢れてくる。
私の断りも無く、遠慮無しに溢れてくる。
情けなくも、自分よりうんと年下の女の子の前で涙を流してしまった。
弥生ちゃんの手は、真っ白な陶器みたいなのにとても暖かい。
冷たいけど、暖かい。
漆黒の瞳は、涙で光っていた。
とても綺麗だ。
綺麗な、綺麗な、私の、漆黒。
ぐるぐると、螺旋が渦を巻く。
不安と恐れが血液に乗って循環する。
体が、悲鳴を上げる。
もう、会えない?
「お姉様、ごめんなさい、お姉様っ。わたくしのせいですね」
「いやいや、違うよ!
ごめん……ごめん、ただ、最近何だか具合悪くてさ。頭のね」
顔を床に向けたままの状態で必死に弁護する。
ほら見ろ、こんな小さな子に心配かけて。
「違いますの!わたくしが悪いんです!わたくしがさっきから、あの、その……ちょっと色々と、考えてしまっていて」
「?」
腫らした目で私は弥生ちゃんを見つめた。
「あの、わたくし、お姉様に会えたのがとても嬉しかったのです。
とても、とてもです!ちょっとじゃなくて、とってもなんです!
……だって、お姉様は……お母様によく似ているから」
「……お母さん、に?」
「はい……怒らないで聞いて下さいますか?」
「怒らないよ」
「澪お姉様のことは、ずっと前からお顔も知っていましたの。
盗撮したと思わしき写真が、千鶴お兄様のお部屋にたくさんありましたから」
ごめん、怒るかもしれない。
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