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第十一話
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俺はその後夕方まで鬼の形相の浩然に追い立てられながら、何とか一日分の仕事を終わらせた。
「死ぬ……もう文字を読みたくない」
目の疲れが酷く、文章を読もうとすると目が滑って内容が頭に入ってこない。
「早く陛下の寝所に行かないと間に合いませんよ。噂によると、ここ数日で陛下が瑞寧様を寝所に召す時間が早まっているらしいですよ」
「えっ?!嘘でしょ!!」
それが本当ならまた寝所に気まずくて入れなくなってしまう。
(同じ過ちを繰り返さない、が俺の座右の銘だからね!)
俺は慌てて外に飛び出すと、全力で皇帝の寝所へと向かっていった。
寝所の前には既に蕭将軍がいた。俺たち二人は顔を見合わせて頷くと、蕭将軍が寝所の戸を叩いた。
「…..入れ」
皇帝の静かな声がし、俺たちはそろそろと部屋に入っていた。
「陛下、どうしてもお話したいことがあり、ご無礼を承知で参りました」
蕭将軍の言葉に合わせて、俺も深々と頭を下げた。
「面を上げよ」
皇帝の言葉に顔を上げ口を開こうとした時、皇帝の隣に寄り添うようにして座っている瑞寧の姿が目に入ってきた。
瑞寧は俺たちには興味がなさそうな顔で、皇帝の手の甲を撫でていた。
彼は肌が透けてしまいそうなほど薄い衣を纏っていて、すでにその瞳は甘く蕩けるような光を宿していた。
(まだ夕方なんだけどな。ちょっとそう言う雰囲気になるのには早い時間な気がするけど)
俺が余計なことを考えているうちに、蕭将軍は和平を進めること、後宮の規模を縮小することを淡々と話していっていた。
皇帝は和平については了承してくれそうであったが、後宮の縮小について話し出した時、彼の眉がぴくりと動いたのを俺は見逃さなかった。
(何やら嫌な予感がするぞ)
漠然とした予感であったが、蕭将軍の話が終わり皇帝が口を開いた時、それは確信へと変わった。
「和平の話はいいだろう。朕もそろそろ戦には飽きた。しかし後宮に関しては、受け入れることはできない」
その言葉に俺も蕭将軍も絶句した。これほど国の財政を圧迫しているにもかかわらず、そんな発言をしてしまうのか。
(宰相が糸を引いているのかと思ったが、どうやら違うようだ)
蕭将軍は明らかに皇帝の発言に引いていて、信じられないようなものを見た顔をしている。
「それは……何故でしょうか」
「何故か?そんなの分かるだろう。瑞寧はもうそろそろ後宮入りする。そこで後宮の規模を収縮し、費用を削減すれば彼に不自由な思いをさせてしまう」
(国民はもっと不自由な思いをしているんですけど!!)
思わずそうツッコミそうになったが、蕭将軍に目で制された為、口には出さなかった。
「承知いたしました。私共はこれにて失礼します」
さすがは判断が早い将軍だ。これ以上話を続けても無駄だと分かると、さっさと退出して行った。
俺は足早に出ていく蕭将軍に何とか追いつき、彼の衣の袖を掴んだ。
「一つだけ言ってもいいですか?」
皇宮の門へと向かいながら俺は息を整え、蕭将軍に話しかけた。
「何だ?」
「陛下ってもしかして暗君……..」
俺が最後まで言う前に蕭将軍に口を塞がれた。
「言うな」
「でも蕭将軍も同じこと思っているでしょ?」
「………」
彼は気まずそうに目を逸らし、黙りこくっていた。
「死ぬ……もう文字を読みたくない」
目の疲れが酷く、文章を読もうとすると目が滑って内容が頭に入ってこない。
「早く陛下の寝所に行かないと間に合いませんよ。噂によると、ここ数日で陛下が瑞寧様を寝所に召す時間が早まっているらしいですよ」
「えっ?!嘘でしょ!!」
それが本当ならまた寝所に気まずくて入れなくなってしまう。
(同じ過ちを繰り返さない、が俺の座右の銘だからね!)
俺は慌てて外に飛び出すと、全力で皇帝の寝所へと向かっていった。
寝所の前には既に蕭将軍がいた。俺たち二人は顔を見合わせて頷くと、蕭将軍が寝所の戸を叩いた。
「…..入れ」
皇帝の静かな声がし、俺たちはそろそろと部屋に入っていた。
「陛下、どうしてもお話したいことがあり、ご無礼を承知で参りました」
蕭将軍の言葉に合わせて、俺も深々と頭を下げた。
「面を上げよ」
皇帝の言葉に顔を上げ口を開こうとした時、皇帝の隣に寄り添うようにして座っている瑞寧の姿が目に入ってきた。
瑞寧は俺たちには興味がなさそうな顔で、皇帝の手の甲を撫でていた。
彼は肌が透けてしまいそうなほど薄い衣を纏っていて、すでにその瞳は甘く蕩けるような光を宿していた。
(まだ夕方なんだけどな。ちょっとそう言う雰囲気になるのには早い時間な気がするけど)
俺が余計なことを考えているうちに、蕭将軍は和平を進めること、後宮の規模を縮小することを淡々と話していっていた。
皇帝は和平については了承してくれそうであったが、後宮の縮小について話し出した時、彼の眉がぴくりと動いたのを俺は見逃さなかった。
(何やら嫌な予感がするぞ)
漠然とした予感であったが、蕭将軍の話が終わり皇帝が口を開いた時、それは確信へと変わった。
「和平の話はいいだろう。朕もそろそろ戦には飽きた。しかし後宮に関しては、受け入れることはできない」
その言葉に俺も蕭将軍も絶句した。これほど国の財政を圧迫しているにもかかわらず、そんな発言をしてしまうのか。
(宰相が糸を引いているのかと思ったが、どうやら違うようだ)
蕭将軍は明らかに皇帝の発言に引いていて、信じられないようなものを見た顔をしている。
「それは……何故でしょうか」
「何故か?そんなの分かるだろう。瑞寧はもうそろそろ後宮入りする。そこで後宮の規模を収縮し、費用を削減すれば彼に不自由な思いをさせてしまう」
(国民はもっと不自由な思いをしているんですけど!!)
思わずそうツッコミそうになったが、蕭将軍に目で制された為、口には出さなかった。
「承知いたしました。私共はこれにて失礼します」
さすがは判断が早い将軍だ。これ以上話を続けても無駄だと分かると、さっさと退出して行った。
俺は足早に出ていく蕭将軍に何とか追いつき、彼の衣の袖を掴んだ。
「一つだけ言ってもいいですか?」
皇宮の門へと向かいながら俺は息を整え、蕭将軍に話しかけた。
「何だ?」
「陛下ってもしかして暗君……..」
俺が最後まで言う前に蕭将軍に口を塞がれた。
「言うな」
「でも蕭将軍も同じこと思っているでしょ?」
「………」
彼は気まずそうに目を逸らし、黙りこくっていた。
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