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三話 新たな風と問題だらけの優等生
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倉里が転校して来てからもうすぐで二ヶ月が経とうとしている。
八月。僕は相変わらず倉里につきまとわれている。
休み時間も、体育の合同授業の時も。あまりにも彼女が付きまとうもんだから校内ではあちらこちらで変な噂が立っていた。
「倉里と白神は付き合っている。」
「白神が何か倉里に失礼なことをしたのではないのか。」
「倉里は白神のストーカーだ。」
みたいな内容がほとんどだ。さらに酷いのは彼女がそれを否定しないことだ。新聞部の取材が来たこともあったがその時に倉里が「ご想像にお任せします。」なんて言うもんだから生徒達はあたかもそれが全て真実のように思っている。そのせいで僕は勉強に集中できないんだからいい迷惑だ。
頼みの綱の紫村も最近は部活が忙しいらしくご飯を食べたらさっさと寝てしまう。そして朝起きたら自主練に向かっている、そのため僕は相談できる相手がいなかった。
今日もクラスメイトにもみくちゃにされてとても疲弊していた。
唯一リラックスできるのは自分の部屋だ。正確には紫村との相部屋だが今は紫村がいないので実質この部屋は僕のものだ。
鍵をかけてベッドに横になり、スマホを起動する。西上からオススメされたまま放っておいたアニメを観るためだ。よくあるバトル物ながらなかなか面白いストーリーが評判らしい。イヤホンをつけてアニメを見始める。
すると、第一話の戦闘シーンが始まるかぐらいでドアがノックされた。
「は~い。」
ドアを開ける。この子は…確か鴨川とか言っただろうか。昨日も紫村たちと一緒にゲームをしていた子だ。鴨川が口を開く。
「話題の転校生の人がお前を呼んでるぜ。この灼熱地獄の中外に立たせとくのも悪いから共有リビングに入れといた。」
……まじか。僕のリラックスルームにまで彼女は進撃してくるのか…。
「悪いけどさ、帰るように言ってくんない?」
半分苛立ちながら鴨川に伝言を頼む。
「いやいや、折角来てくれたんだぜ?」
「だとしてもさ、事前にアポは取ってほしいものだよね。それにわざわざ来たって、徒歩30秒の隣の寮から出てきただけでしょ。」
頭を掻き回す。
「なんだよ喧嘩でもしたのか?それのお詫びに来たとか?」
「いや、そういうわけじゃないけどさ…面倒なんだよね。」
「あいつの対応?」
「そう。」
ポンポンと会話のキャッチボールを続けていると足音が聞こえてきた。
「ちょっと聞こえたんだけどさ面倒って誰が?」
声の主は一人しかいない、倉里だ。心なしかキレてるように見える。だがキレているのはコチラも同じだ。
「内容聞こえてたならわかるよね?倉里、君の事だよ。」
その言葉に倉里はさらに気分を悪くしたようだ。眉がかすかにピクピクとした動きを繰り返している。
「何よ、耳寄りな話を持ってきてあげたっていうのに。客人をろくに話も聞かずに追い返そうとしてさ。」
拗ねた気分を隠しきれていない。こいつは感情の抑制が苦手なのだろうか。その証拠に目からは敵意が剥き出しだ。もしもこれが漫画の世界なら彼女の目からは槍のようなものが出て僕の胸に突き刺さっていることだろう。それほど今の彼女は普段とは違う。
「それとも何?君は私の今この瞬間において何よりも価値のある情報を仕入れないわけ?それは控えめに言って馬鹿だと思うけど。」
彼女が安い挑発を仕掛けてくる。面倒だ、今すぐにでも部屋に戻ってアニメを観てしまいたい。
しかし、そんなことをしようものなら彼女は部屋の前で暴れ散らかすか学校でこのことを騒ぎ立てるなりなんなりするだろう。流石にそっちのほうがよっぽど面倒なので彼女の挑発に乗ることにした。
「君の情報なんて部活の話か僕の時間を奪うだけの情報でしょいらないよ。」
軽い挑発をかけてみる。
予想通り倉里が挑発に乗った。今にも暴れだしそうな表情だ。
「へー、そうなんだ。君は内申点何かどうでもいいんだね。よくわかったよ。」
かなり頭にきたらしい。煽りが単調になっている。
これ以上は時間の無駄なので部屋に戻り、アニメを見ることにした。
倉里の言っていた内申点のことも気になるが、今はとりあえずアニメだ。高校は夏休みに入っているので基本的に暇なのだ。清掃部の活動も夏祭りシーズンにならなければ無いに等しい。
まだ倉里はドアの外で何かを喋っている。
そんなに伝えたいことがあるのか、はたまたただの挑発行為なのか。
たが今はそんなことを考えるのも鬱陶しいほど、僕はアニメと向き合っていた。
同刻 倉里
「ねぇ!!ちょっと!!白神君!!白神天!!おーい!」
話をしようとする所で彼には逃げられた。群一が所持する寮には全部屋鍵が付いているため強引に開けることができないのが残念だ。声を張り上げても全く返答がない。
彼のプライベートにズカズカと入った私も悪いが人の話を聞かないのはいかがなものか。
扉をドンドン叩いていると。私を寮に招き入れてくれた男子が口を開いた。
「倉里さんさぁ…今日はもう諦めたら?明日には学校で自由参加の夏期補習もあるし、あいつ多分行くよ。そん時に話せばいいんじゃない?」
「でも、今話さないと行けないくらいの重要な話なの。」
咄嗟に嘘に近い事を彼に話す。暑さで血が昇っているせいなのか。
「そうなの?なら、伝言伝えておくから。俺に言ってよ。」
最もだ。それが一番最適だ。
でも人間というのは興奮するとまともな判断ができないらしい。子供の様に彼に反論をしていた。具体性も全くない支離滅裂な内容だが。
そこからは五分ほどの不毛な言い争いが続いた。争いと言うにはあまりにも一方的な暴論だが。
しかし、そんな事にも終わりは来るもので。
「何してんだ?お前ら。」
彼のルームメイトである紫村が青リンゴの香りをばら撒きながら帰ってきた事により話は一旦途切れることになった。
一緒に居た男子が状況を説明してくれた。どうやら彼の名前は鴨川司と言うらしい。
一通りの説明を終えた鴨川が私に向き直る。
「どうする?緊急の用って言うなら紫村この部屋にあけてもらうけど。」
さっき彼に八つ当たりに近いことをしたというのに彼はとても冷静だ。
「もちろん、開けてもらえる?紫村……君。」
「いいけどさ、面倒なことだけは勘弁だからな。アニメ見る約束してんだよ。あいつと。」
気怠げに答え、ドアの鍵を開ける。私、倉里由奈は白神天のプライベートに侵入することに成功した。
「白神君!!勘弁して私の話を聞きなさい。」
彼が「おかえり」と言う前に思わず叫んでいた。はたから見たら相当のクレイジーガールだ
「はぁ!?」と彼が叫ぶ。よっぽど衝撃だったのかつけていたイヤホンを強引にむしり取った。
「なんでこんなの部屋に入れたんだよ紫村。」
彼がこちらに指をさして紫村君に詰め寄る。ご丁寧に中指だ。
「いやなんか、あいつが『部屋に入れてほしい、緊急の用なんだ』ってほざくからさ。」
「だとしても、部屋の前でわーわー騒いでる奴入れないだろ!伝言を預かる程度にしておいてよ!」
「それで帰ったらそれはもう倉里ではない。倉里の皮をかぶった化け物だ。俺は中学が同じだからわかる。あいつは可能ならライバルを殺してでも、地面をダイナマイトで爆破してでも勇者の剣を手に入れる正真正銘の成績がいいだけの馬鹿なサイコパスだぞ。」
「わけわからん理論を展開するな!とにかく、帰らせようこいつ。」
「あ、紫村と倉里さんって中学同じなんだへー。」
最後に鴨川君が野次を入れたことを除けば白神君と紫村の言い合いだった。
その隙に白神君の勉強机の椅子に座る。
白神が文句を言ってくるが用を伝えるまでは、そしてそれを彼が承諾するまでは帰らないと決意した。
今はまだ午後の四時だ。ここから門限まで六時間の耐久戦をすることが可能だ。
八月。僕は相変わらず倉里につきまとわれている。
休み時間も、体育の合同授業の時も。あまりにも彼女が付きまとうもんだから校内ではあちらこちらで変な噂が立っていた。
「倉里と白神は付き合っている。」
「白神が何か倉里に失礼なことをしたのではないのか。」
「倉里は白神のストーカーだ。」
みたいな内容がほとんどだ。さらに酷いのは彼女がそれを否定しないことだ。新聞部の取材が来たこともあったがその時に倉里が「ご想像にお任せします。」なんて言うもんだから生徒達はあたかもそれが全て真実のように思っている。そのせいで僕は勉強に集中できないんだからいい迷惑だ。
頼みの綱の紫村も最近は部活が忙しいらしくご飯を食べたらさっさと寝てしまう。そして朝起きたら自主練に向かっている、そのため僕は相談できる相手がいなかった。
今日もクラスメイトにもみくちゃにされてとても疲弊していた。
唯一リラックスできるのは自分の部屋だ。正確には紫村との相部屋だが今は紫村がいないので実質この部屋は僕のものだ。
鍵をかけてベッドに横になり、スマホを起動する。西上からオススメされたまま放っておいたアニメを観るためだ。よくあるバトル物ながらなかなか面白いストーリーが評判らしい。イヤホンをつけてアニメを見始める。
すると、第一話の戦闘シーンが始まるかぐらいでドアがノックされた。
「は~い。」
ドアを開ける。この子は…確か鴨川とか言っただろうか。昨日も紫村たちと一緒にゲームをしていた子だ。鴨川が口を開く。
「話題の転校生の人がお前を呼んでるぜ。この灼熱地獄の中外に立たせとくのも悪いから共有リビングに入れといた。」
……まじか。僕のリラックスルームにまで彼女は進撃してくるのか…。
「悪いけどさ、帰るように言ってくんない?」
半分苛立ちながら鴨川に伝言を頼む。
「いやいや、折角来てくれたんだぜ?」
「だとしてもさ、事前にアポは取ってほしいものだよね。それにわざわざ来たって、徒歩30秒の隣の寮から出てきただけでしょ。」
頭を掻き回す。
「なんだよ喧嘩でもしたのか?それのお詫びに来たとか?」
「いや、そういうわけじゃないけどさ…面倒なんだよね。」
「あいつの対応?」
「そう。」
ポンポンと会話のキャッチボールを続けていると足音が聞こえてきた。
「ちょっと聞こえたんだけどさ面倒って誰が?」
声の主は一人しかいない、倉里だ。心なしかキレてるように見える。だがキレているのはコチラも同じだ。
「内容聞こえてたならわかるよね?倉里、君の事だよ。」
その言葉に倉里はさらに気分を悪くしたようだ。眉がかすかにピクピクとした動きを繰り返している。
「何よ、耳寄りな話を持ってきてあげたっていうのに。客人をろくに話も聞かずに追い返そうとしてさ。」
拗ねた気分を隠しきれていない。こいつは感情の抑制が苦手なのだろうか。その証拠に目からは敵意が剥き出しだ。もしもこれが漫画の世界なら彼女の目からは槍のようなものが出て僕の胸に突き刺さっていることだろう。それほど今の彼女は普段とは違う。
「それとも何?君は私の今この瞬間において何よりも価値のある情報を仕入れないわけ?それは控えめに言って馬鹿だと思うけど。」
彼女が安い挑発を仕掛けてくる。面倒だ、今すぐにでも部屋に戻ってアニメを観てしまいたい。
しかし、そんなことをしようものなら彼女は部屋の前で暴れ散らかすか学校でこのことを騒ぎ立てるなりなんなりするだろう。流石にそっちのほうがよっぽど面倒なので彼女の挑発に乗ることにした。
「君の情報なんて部活の話か僕の時間を奪うだけの情報でしょいらないよ。」
軽い挑発をかけてみる。
予想通り倉里が挑発に乗った。今にも暴れだしそうな表情だ。
「へー、そうなんだ。君は内申点何かどうでもいいんだね。よくわかったよ。」
かなり頭にきたらしい。煽りが単調になっている。
これ以上は時間の無駄なので部屋に戻り、アニメを見ることにした。
倉里の言っていた内申点のことも気になるが、今はとりあえずアニメだ。高校は夏休みに入っているので基本的に暇なのだ。清掃部の活動も夏祭りシーズンにならなければ無いに等しい。
まだ倉里はドアの外で何かを喋っている。
そんなに伝えたいことがあるのか、はたまたただの挑発行為なのか。
たが今はそんなことを考えるのも鬱陶しいほど、僕はアニメと向き合っていた。
同刻 倉里
「ねぇ!!ちょっと!!白神君!!白神天!!おーい!」
話をしようとする所で彼には逃げられた。群一が所持する寮には全部屋鍵が付いているため強引に開けることができないのが残念だ。声を張り上げても全く返答がない。
彼のプライベートにズカズカと入った私も悪いが人の話を聞かないのはいかがなものか。
扉をドンドン叩いていると。私を寮に招き入れてくれた男子が口を開いた。
「倉里さんさぁ…今日はもう諦めたら?明日には学校で自由参加の夏期補習もあるし、あいつ多分行くよ。そん時に話せばいいんじゃない?」
「でも、今話さないと行けないくらいの重要な話なの。」
咄嗟に嘘に近い事を彼に話す。暑さで血が昇っているせいなのか。
「そうなの?なら、伝言伝えておくから。俺に言ってよ。」
最もだ。それが一番最適だ。
でも人間というのは興奮するとまともな判断ができないらしい。子供の様に彼に反論をしていた。具体性も全くない支離滅裂な内容だが。
そこからは五分ほどの不毛な言い争いが続いた。争いと言うにはあまりにも一方的な暴論だが。
しかし、そんな事にも終わりは来るもので。
「何してんだ?お前ら。」
彼のルームメイトである紫村が青リンゴの香りをばら撒きながら帰ってきた事により話は一旦途切れることになった。
一緒に居た男子が状況を説明してくれた。どうやら彼の名前は鴨川司と言うらしい。
一通りの説明を終えた鴨川が私に向き直る。
「どうする?緊急の用って言うなら紫村この部屋にあけてもらうけど。」
さっき彼に八つ当たりに近いことをしたというのに彼はとても冷静だ。
「もちろん、開けてもらえる?紫村……君。」
「いいけどさ、面倒なことだけは勘弁だからな。アニメ見る約束してんだよ。あいつと。」
気怠げに答え、ドアの鍵を開ける。私、倉里由奈は白神天のプライベートに侵入することに成功した。
「白神君!!勘弁して私の話を聞きなさい。」
彼が「おかえり」と言う前に思わず叫んでいた。はたから見たら相当のクレイジーガールだ
「はぁ!?」と彼が叫ぶ。よっぽど衝撃だったのかつけていたイヤホンを強引にむしり取った。
「なんでこんなの部屋に入れたんだよ紫村。」
彼がこちらに指をさして紫村君に詰め寄る。ご丁寧に中指だ。
「いやなんか、あいつが『部屋に入れてほしい、緊急の用なんだ』ってほざくからさ。」
「だとしても、部屋の前でわーわー騒いでる奴入れないだろ!伝言を預かる程度にしておいてよ!」
「それで帰ったらそれはもう倉里ではない。倉里の皮をかぶった化け物だ。俺は中学が同じだからわかる。あいつは可能ならライバルを殺してでも、地面をダイナマイトで爆破してでも勇者の剣を手に入れる正真正銘の成績がいいだけの馬鹿なサイコパスだぞ。」
「わけわからん理論を展開するな!とにかく、帰らせようこいつ。」
「あ、紫村と倉里さんって中学同じなんだへー。」
最後に鴨川君が野次を入れたことを除けば白神君と紫村の言い合いだった。
その隙に白神君の勉強机の椅子に座る。
白神が文句を言ってくるが用を伝えるまでは、そしてそれを彼が承諾するまでは帰らないと決意した。
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