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試着室
しおりを挟む「ランジェリーショップ『試着室』へようこそ! 当店のシステムはご存じですか?」
天使のような笑みで男性客を出迎えた少女。
真っ白のブラウスに赤いリボンを着け、紺のプリーツスカートを履いている。
高校の制服のような格好のその上にはピンク色のシンプルなエプロン。
背中まで伸ばされたストレートの黒髪。
スカートは膝丈で、白いオーバーニーのソックスを履いている。
靴もローファーと、現役の女子高生を思わせる格好。
男性客は少女に会員証を見せ、常連客である事を伝える。
少女は会員証を受け取り、確認した後に男性客に返す。
「お待ちしておりました。
私、純にご予約・ご指名頂きましてありがとうございます!
本日はご自身のお嬢様へのプレゼントと伺っておりましたが、お間違いないですか?」
男性客が純の問い掛けに頷く。
純が畏まりました! と一礼し、店内へと案内する。
「お探しのランジェリーはございますか?」
男性客が希望するランジェリーを伝える。
上下セットで、フリル付きの清楚な雰囲気の下着。
色はライトグリーン。
「畏まりました、こちらへどうぞっ」
ランジェリーを着せられたマネキンをいくつか通り過ぎ、清楚な雰囲気の下着が陳列されているコーナーへ向かう。
途中、大人っぽいセクシーな下着や子供っぽい縞々の下着があるコーナーを通り抜ける。
男性客がベビードールと呼ばれる、レースで透け透けの生地、下着のさらに上に着るような下着の前で立ち止まる。
「何かお気に召した物がございましたら、ご一緒にいかがしょうか?」
男性客は少し考え、編み目の細かい、しかし完全に透けて見える白いベビードールを手に取った。
純は男性客からそれを両手で受け取る。
「こちらの一点でよろしいですか?」
頷いた男性客に一礼し、案内を続ける純。
「こちらのコーナーにご希望の物に近いランジェリーがあると思います。
よろしければ私が数点見繕ってご用意致しますが、ご自分でお選びになりますか?」
男性客は純に選んでもらう事にした。
純は男性客の許可を得て、3点のランジェリーを用意して男性客に見せる。
「どれも清楚で清潔感があり、まだ幼さの残る可愛らしいランジェリーだと思います。
色合いはそれぞれ若干違いますが、お客様のお好みの物はございますでしょうか?」
男性客は3点を手に取り、眺め、チラチラと純の顔を盗み見ながら考える。
しばらくして、1点を純に返し、2点に絞った。
返されたランジェリーを棚へ戻し、純は先ほど受け取ったベビードールをエプロンの上から合わせて男性客に見せる。
「この2点とこのベビードール、試着した所を確認なさいますか?」
男性客が答え、2人は店内の奥にある試着室へと向かった。
空室の表示になっているプレートを使用中へと変え、小さな個室へと入る純。
男性客もそれに続いた。
個室の中には1人掛け用のソファーと、その向かい側にはカーテンで仕切られた試着室がある。
「それではこちらへお掛け下さい。まずはこちらのランジェリーの試着でよろしいでしょうか?」
男性客に確認した後、カーテンを開けて試着室へと入る純。
「ソックスは脱いだ方がよろしいでしょうか?
それとも、履いたままの方がよろしいでしょうか?」
男性客は一切悩む事なく履いたままでと返事をした。
「畏まりました。
試着が終わりましたらご確認頂きますので、しばらくお待ち下さいませ」
一礼した後、純がカーテンを閉めて男性客が選んだランジェリーを棚へ置く。
背中で結ばれた結び目を解き、エプロンを外す。
先にスカートをストンと脱ぎ、リボンを外してからブラウスを脱ぐ。
床に置かれたカゴの中へそれらを畳んで入れる。
純が元々着けていたブラジャーは白地に花柄。ホックを外してブラウスの上に置いた。
試着室のカーテンは床から20センチほど浮いており、男性客はソファーから身を起こして前屈みになり、試着室の中の様子を窺っている。
ソファーと試着室は2メートルほど距離がある為、中を覗き込む事は出来ない。
そんな男性客の行動を知ってか知らずか、着替え終わった純が外へと声を掛ける。
「お客様、試着が終わりましたのでご確認をお願い致します」
慌てて男性客がソファーに座り直すと、純が中からカーテンを開けた。
「いかがでしょうか?」
純は両手を背中の後ろで組み、胸が強調されるポーズを取った。
白いフリルがあしらわれたライトグリーンのブラジャーが張り詰め、ぷるんと純の胸が弾む。
同じくライトグリーンのショーツはぴったりと純の身体を包み込んでおり、ぷっくりとした股間の形が透けているように見てとれる。
セクシーな、男性の性へと訴えるようなシルエット。
オーバーニーのソックスを履いたままなので、セクシーさの中に少女らしい愛らしさが残されており、そのギャップに心を打たれる男性も多いだろう。
男性客が後ろも見たいと伝えると、純はゆっくりとその場で後ろを向く。
フルバックのショーツから、肉感の良いお尻が少しはみ出している。
再び前に向き直り、純は棚に置いていたベビードールからハンガーから抜いて、男性客の目を見ながら着用する。
ベビードールを着た純を見て、男性客が大きく頷く。
「もう1着の方も試着致しますので、もうしばらくお待ち下さい」
そう言ってからベビードールをゆっくりと脱ぎ、そして再びカーテンを閉める純。
すかさず前屈みになってソファーから身を乗り出す男性客。
床とカーテンの隙間に、純の脚からライトグリーンのショーツが抜かれるのが見え、ニヤニヤとした笑みを浮かべている。
「いかがでしょうか?
先ほどのランジェリーよりも少し大人しめの雰囲気となっております」
先ほどの下着よりも大人しめ、もっと言うと子供っぽい雰囲気。
可愛いという意味ではこちらの下着の方が、より女子高生らしさがある。
オーバーニーのソックスはその女子高生らしさをさらに引き立てるアクセントとなっている。
男性客に言われる前に後ろを向いて見せる純。
ゆっくりと振り返った後、再びベビードールを着用する。
食い入るように男性客は純の下着姿に見入り、ソファーから若干腰が浮いてしまう。
「お客様、申し訳ございませんがご着席下さいませ」
男性客は本当に申し訳なさそうな表情の純に注意され、慌てて腰掛けた。
一礼し、純は試着室のカーテンを閉めた。
「試着した2着のランジェリーと、ベビードールはお気に召しましたでしょうか?」
ブラウスとプリーツスカートを着直し試着室から出て来た純の問い掛けに対し、男性客は迷いながらも純が2回目に試着したランジェリーを指さした。
ベビードールについては今回は見合わせるらしい。
「畏まりました、ではレジへご案内致しますのでこちらへお願い致します」
純の案内に従い、レジへと進む男性客。
レジには中年の男性店長が立っており、純からカゴを受け取る。
純は男性客に一礼し、ベビードールともう1着のランジェリーを棚へと戻しに行った。
「試着代2回分とランジェリー上下セット、合わせてこちらになります」
レジに表示された金額を確認した後、ふと思い出したように男性客が店長へと問い掛ける。
店長は男性客への返事に代えて、レジへと戻って来た純へ声を掛ける。
「お客様が君の履いているソックスもお気に召されたそうだ」
「そうですか、ではご用意致します」
純がレジ前の椅子へ腰掛け、ローファーを脱いで椅子に右脚を乗せる。
角度的に男性客からはスカートの中は見えない。
しかし、男性客は熱の籠もった視線を向け、目が離せないでいる。
そんな男性客の目の前でするするとソックスを脱ぐ純。
右脚に続き左脚からもソックスを抜いて、丁寧に畳んでから店長へ手渡す。
「オーバーニーソックスを合わせまして、改めてこちらがお支払いとなります」
男性客はサイフから札を数枚抜き、会員証と共に店長に手渡す。
「毎度ありがとうございます。
会員ランクが上がりましたので、次回よりソファーから立ち上がっての試着鑑賞オプションがご利用頂けます。
またのご利用、お待ちしております」
店長は密閉出来るジッパー式の袋にランジェリーとオーバーニーのソックスを入れ、さらに黒いビニール袋に詰めた。
純が店長からそのビニール袋を受け取る。
「お見送りさせて頂きますね、こちらへどうぞっ」
純に付き添われ、男性客が出口へと向かう。
出口へと着き、純は両手でビニール袋を男性客へと手渡した。
「またのご来店、お待ちしております」
深々と一礼し、純は男性客を見送った。
男性客は手渡されたビニール袋を大事そうに鞄に仕舞い、早足で店を後にした。
応援ありがとうございます!
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