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無口な大学生
全部覚えてる
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「そっか、誕生日は5月だって言ってたもんね」
「っス」
「大学受験が終わってから買ってもらったんだー。ホントはどんな車が良かったの?」
「この車の現行車が良かったんですけど、親父が買ってやるから中古で慣れろと」
「なるほど、どうせ傷付けちゃうんだから最初は中古の方が良いって言うもんね」
「形も内装もフルチェンジしてるので、やっぱり新しい方が良かったと思ってます。あと、カーナビが古くて」
「あー、カーナビはあっと言う間に進化するもんね。でもいまいち使い方が分かってないのよね。
地点登録? ってのをしてしまって、でもどうやったら消せるのか分からないから諦めたよ。ただの国道のど真ん中なのにね」
「あー……」
目的地であるショッピングモールまで約30分ほどかかる。車内に2人きり。何か喋らないと間が持たない真智子は洋太を質問攻めにする。
洋太の返事に対して若干の違和感を覚えるが、次の質問を考えるのに忙しくて何がおかしいのかには気付けない。
「この車が良かったんだー。あれか、オートキャンプしたりスノボーに行ったりするのに便利だからか」
「いえ、家族が増えても8人までなら乗れるので」
(ん……?)
あまりに大学生らしからぬ返答に、さすがの真智子も言葉に詰まってしまう。
「真智子さんが言ってました。自分は一人っ子だから、子供はたくさん欲しいって」
「あー、そんな事言ったなー。たしか……」
口にしかけた瞬間、真智子の心臓がドクンと大きく弾んだ。
その話をしていた時の状況を鮮明に思い出したからだ。
『いつか洋太もここから赤ちゃんの種を出すようになるんだよ』
『赤ちゃんの種?』
『そう。でね、その種を……』
(……ヤバい。洋太は全部覚えてる!? 私がしたあんな事やこんな事を、少なくとも起きている時の事は全部覚えてる!!)
「っス」
「大学受験が終わってから買ってもらったんだー。ホントはどんな車が良かったの?」
「この車の現行車が良かったんですけど、親父が買ってやるから中古で慣れろと」
「なるほど、どうせ傷付けちゃうんだから最初は中古の方が良いって言うもんね」
「形も内装もフルチェンジしてるので、やっぱり新しい方が良かったと思ってます。あと、カーナビが古くて」
「あー、カーナビはあっと言う間に進化するもんね。でもいまいち使い方が分かってないのよね。
地点登録? ってのをしてしまって、でもどうやったら消せるのか分からないから諦めたよ。ただの国道のど真ん中なのにね」
「あー……」
目的地であるショッピングモールまで約30分ほどかかる。車内に2人きり。何か喋らないと間が持たない真智子は洋太を質問攻めにする。
洋太の返事に対して若干の違和感を覚えるが、次の質問を考えるのに忙しくて何がおかしいのかには気付けない。
「この車が良かったんだー。あれか、オートキャンプしたりスノボーに行ったりするのに便利だからか」
「いえ、家族が増えても8人までなら乗れるので」
(ん……?)
あまりに大学生らしからぬ返答に、さすがの真智子も言葉に詰まってしまう。
「真智子さんが言ってました。自分は一人っ子だから、子供はたくさん欲しいって」
「あー、そんな事言ったなー。たしか……」
口にしかけた瞬間、真智子の心臓がドクンと大きく弾んだ。
その話をしていた時の状況を鮮明に思い出したからだ。
『いつか洋太もここから赤ちゃんの種を出すようになるんだよ』
『赤ちゃんの種?』
『そう。でね、その種を……』
(……ヤバい。洋太は全部覚えてる!? 私がしたあんな事やこんな事を、少なくとも起きている時の事は全部覚えてる!!)
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