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06:魔王因子を取り込んだらとんでもない結果に!!
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私はこの子のパパになる。
この子は私の娘になる。
とはいえ、本物の父親ではないという事だけは、しっかりと認識をしておかせないと。
自身の存在を否定された私だからこそ、先代魔王の存在を否定するような事はしてはならない。
「マオリー、私は君のパパになるけど、本当のパパは勇者に倒されてしまったんだ」
「うん……、うん?
倒されて、ふっかつしたんじゃないの?」
「違うんだ、私は別の世界から来たんだ。君の新しいパパになる為に」
「新しい、パパ?」
「そう。君はパパがいなくなって、魔王になれって言われて、心細かっただろう?」
「うん、とっても怖かったの」
「そうだろう? その心の声が、私を呼び出したんだ。
私は君のパパになり、そして魔王の後見人になろう」
「こうけんにん……?」
「マオリーを守って、色んな事を教えて、マオリーが大きくなって自分一人で魔王のお仕事が出来るようになるまで、ずっとそばにいる人の事だよ」
「え~、パパが魔王になってくれればいいのに~」
「私はこの国の人間じゃないんだ。
それに、本当のパパは君が立派な魔王になったら、とっても嬉しいと思うんだ。
私はその手助けをする。どうだい?」
「う~ん……、分かった。マオ、頑張るね」
ギュッと抱き締めて、頬擦りして、よしよしする。
「一緒に頑張ろうね、パパも頑張るからね」
「うん!」
コンコンコン。
タイミングを計っていたかのようにノックの音が鳴る。
どうぞ、と声を掛けると、昨日の超絶美人メイドが入って来た。
昨日より肌ツヤが良く、血色も良さそう。美人に拍車が掛かっている。
クルクルと回りながら朝食を配膳を始める。
しっかりマオリーの分も用意されている。
「レヴェちゃん、今日は元気そうだね」
レヴェちゃん?
“メイドの愛称です。名はレヴェリー。サキュバスです”
え、あの人サキュバスなの……?
“あなたとの契約で、辛うじて生き長らえた娘です”
契約?
“昨夜はお楽しみでしたね”
あぁ、あれで契約した事になるのか……。
“生まれてから今まで契約者がいない状態で過ごしていたようです。
草花から魔力を分けてもらう事で何とかなっていたようですが、それも限界があるので。
身の回りの世話をする代わりに精を求める。それが彼女らサキュバスの生き方なのです”
こ、雇用契約のような事でいいんだな!?
愛人契約ではないんだな!?
“マスターの望むように”
さっきからめっちゃウインクして来るんだけど、まぁいいか。
私は妻を持つ身ではない。娘はいるが。
レヴェリーもマオリーには見えないように気を使っているようだし。
「「いただきます」」
朝食は何かの肉とパンっぽい何か。
レヴェリーがこちらの様子を窺って来るので、
「おいしいよ」
と伝えると、パァ~っと笑顔になる。うん、めちゃくちゃ美人だ。
異世界という事で私の口に合うかどうか不安だったが、問題なさそうだ。
“あなたの知識を元に調理法や食材など探させる事も可能ですが”
うん、いずれね。
朝食を終え、食後のティータイム。
昨日と同じ紅茶のような飲み物が出された。
「マオ、これあんまり好きじゃない~」
「そうなのか?
レヴェリー、何か甘い調味料はないか?」
“砂糖で通じます”
「砂糖を入れると飲みやすくなると思うんだけど」
パタパタと早足で退室し、すぐに戻って来た。
いや、そんな大きな袋で持って来なくても……。
スプーンで少し掬い、かき混ぜてからマオリーに勧める。
「あ、おいしい! すごくおいしくなったよ!」
そうか、良かったな。
マオリーもレヴェリーも羽をパタパタとして喜びを表現している。
レヴェリー、翼でちょっかいを出すのは止めなさい。
さて、朝食を頂いて一息付いた。
いつもこの時間、マオリーは何をしているんだろうか。
“執務の前に、やって頂きたい事がございます”
はいはい、何でしょうか。
“聖剣をお持ち下さい”
いや、マオリーの前では出すなとエリナさんに言われているんだけど。
“必要な事です”
ん~、はいはい。
「マオリー、今から勇者が持っていた聖剣を取り出す。
でも、決してマオリーが嫌がるような事はしないから安心してくれ。
お~け~?」
「うん、お~け~」
よし。
「異次元空間収納」
シュンッ、と右手に聖剣魔王殺しの剣を出す。
“聖剣の柄から、魔力を吸い上げるようイメージして下さい”
吸い上げるイメージ。
「魔力吸収」
うわぁ、禍々しい何かが体内に侵入して来る感覚……。
これって身体に入れてもいいモノなのか?
あっつぅぅぅ! 何コレ何コレ、ヤバくない?
全身から暗黒なる瘴気がゆらゆらと立ち上っている。
「パパ!?」
心配してか、マオリーが抱き着いて来た。
上目使いで心配そうな表情。
ポンポンと頭に手を乗せてやる。って何コレ!?
手の爪が真っ赤、肌の色も青白くなっている。
「パパの目、赤くなってるよ……?」
あぁ、頭も見てくれる? 多分角が生えてると思う。
あと背中がムズムズするし、お尻もソワソワするんだよね。
バリバリバリ! 服を破いて翼とシッポが出た。
“魔王因子取り込み完了。
歴代魔王達の力の根源をあなたの遺伝子情報とミックス、カスタム完了。
これで当代魔王の血縁となりました”
なりました、じゃなくてなる前に一言説明しようね。
「パパ、やっぱりパパだったんじゃない!」
興奮した様子で私の身体をペタペタと触って確認するマオリー。
残念ながら、パパはリアルな偽物です。
「いや、そうじゃないんだよ。
本当のパパが、マオリーを守る為の力をくれたんだ。
だから翼とか角とか生えて来たんだよ」
うん、あながち嘘とも言い切れない。
喋っていて気付いたけど、歯も長く鋭くなった。牙じゃん。
どうすんだコレ、慣れるまで口の中血だらけになるんじゃない?
“翼や牙などは出し入れ自由です”
え、そんな事出来るんですか?
あ、ホントだ。牙が短くなった。
角とかもしまっておこうと思ったが、興奮状態のマオリーの前でそんな事をしてしまうとショックを受けてしまうかも知れない。
これはまた落ち着いた時に説明するとして、今はこのままでいようか。
この子は私の娘になる。
とはいえ、本物の父親ではないという事だけは、しっかりと認識をしておかせないと。
自身の存在を否定された私だからこそ、先代魔王の存在を否定するような事はしてはならない。
「マオリー、私は君のパパになるけど、本当のパパは勇者に倒されてしまったんだ」
「うん……、うん?
倒されて、ふっかつしたんじゃないの?」
「違うんだ、私は別の世界から来たんだ。君の新しいパパになる為に」
「新しい、パパ?」
「そう。君はパパがいなくなって、魔王になれって言われて、心細かっただろう?」
「うん、とっても怖かったの」
「そうだろう? その心の声が、私を呼び出したんだ。
私は君のパパになり、そして魔王の後見人になろう」
「こうけんにん……?」
「マオリーを守って、色んな事を教えて、マオリーが大きくなって自分一人で魔王のお仕事が出来るようになるまで、ずっとそばにいる人の事だよ」
「え~、パパが魔王になってくれればいいのに~」
「私はこの国の人間じゃないんだ。
それに、本当のパパは君が立派な魔王になったら、とっても嬉しいと思うんだ。
私はその手助けをする。どうだい?」
「う~ん……、分かった。マオ、頑張るね」
ギュッと抱き締めて、頬擦りして、よしよしする。
「一緒に頑張ろうね、パパも頑張るからね」
「うん!」
コンコンコン。
タイミングを計っていたかのようにノックの音が鳴る。
どうぞ、と声を掛けると、昨日の超絶美人メイドが入って来た。
昨日より肌ツヤが良く、血色も良さそう。美人に拍車が掛かっている。
クルクルと回りながら朝食を配膳を始める。
しっかりマオリーの分も用意されている。
「レヴェちゃん、今日は元気そうだね」
レヴェちゃん?
“メイドの愛称です。名はレヴェリー。サキュバスです”
え、あの人サキュバスなの……?
“あなたとの契約で、辛うじて生き長らえた娘です”
契約?
“昨夜はお楽しみでしたね”
あぁ、あれで契約した事になるのか……。
“生まれてから今まで契約者がいない状態で過ごしていたようです。
草花から魔力を分けてもらう事で何とかなっていたようですが、それも限界があるので。
身の回りの世話をする代わりに精を求める。それが彼女らサキュバスの生き方なのです”
こ、雇用契約のような事でいいんだな!?
愛人契約ではないんだな!?
“マスターの望むように”
さっきからめっちゃウインクして来るんだけど、まぁいいか。
私は妻を持つ身ではない。娘はいるが。
レヴェリーもマオリーには見えないように気を使っているようだし。
「「いただきます」」
朝食は何かの肉とパンっぽい何か。
レヴェリーがこちらの様子を窺って来るので、
「おいしいよ」
と伝えると、パァ~っと笑顔になる。うん、めちゃくちゃ美人だ。
異世界という事で私の口に合うかどうか不安だったが、問題なさそうだ。
“あなたの知識を元に調理法や食材など探させる事も可能ですが”
うん、いずれね。
朝食を終え、食後のティータイム。
昨日と同じ紅茶のような飲み物が出された。
「マオ、これあんまり好きじゃない~」
「そうなのか?
レヴェリー、何か甘い調味料はないか?」
“砂糖で通じます”
「砂糖を入れると飲みやすくなると思うんだけど」
パタパタと早足で退室し、すぐに戻って来た。
いや、そんな大きな袋で持って来なくても……。
スプーンで少し掬い、かき混ぜてからマオリーに勧める。
「あ、おいしい! すごくおいしくなったよ!」
そうか、良かったな。
マオリーもレヴェリーも羽をパタパタとして喜びを表現している。
レヴェリー、翼でちょっかいを出すのは止めなさい。
さて、朝食を頂いて一息付いた。
いつもこの時間、マオリーは何をしているんだろうか。
“執務の前に、やって頂きたい事がございます”
はいはい、何でしょうか。
“聖剣をお持ち下さい”
いや、マオリーの前では出すなとエリナさんに言われているんだけど。
“必要な事です”
ん~、はいはい。
「マオリー、今から勇者が持っていた聖剣を取り出す。
でも、決してマオリーが嫌がるような事はしないから安心してくれ。
お~け~?」
「うん、お~け~」
よし。
「異次元空間収納」
シュンッ、と右手に聖剣魔王殺しの剣を出す。
“聖剣の柄から、魔力を吸い上げるようイメージして下さい”
吸い上げるイメージ。
「魔力吸収」
うわぁ、禍々しい何かが体内に侵入して来る感覚……。
これって身体に入れてもいいモノなのか?
あっつぅぅぅ! 何コレ何コレ、ヤバくない?
全身から暗黒なる瘴気がゆらゆらと立ち上っている。
「パパ!?」
心配してか、マオリーが抱き着いて来た。
上目使いで心配そうな表情。
ポンポンと頭に手を乗せてやる。って何コレ!?
手の爪が真っ赤、肌の色も青白くなっている。
「パパの目、赤くなってるよ……?」
あぁ、頭も見てくれる? 多分角が生えてると思う。
あと背中がムズムズするし、お尻もソワソワするんだよね。
バリバリバリ! 服を破いて翼とシッポが出た。
“魔王因子取り込み完了。
歴代魔王達の力の根源をあなたの遺伝子情報とミックス、カスタム完了。
これで当代魔王の血縁となりました”
なりました、じゃなくてなる前に一言説明しようね。
「パパ、やっぱりパパだったんじゃない!」
興奮した様子で私の身体をペタペタと触って確認するマオリー。
残念ながら、パパはリアルな偽物です。
「いや、そうじゃないんだよ。
本当のパパが、マオリーを守る為の力をくれたんだ。
だから翼とか角とか生えて来たんだよ」
うん、あながち嘘とも言い切れない。
喋っていて気付いたけど、歯も長く鋭くなった。牙じゃん。
どうすんだコレ、慣れるまで口の中血だらけになるんじゃない?
“翼や牙などは出し入れ自由です”
え、そんな事出来るんですか?
あ、ホントだ。牙が短くなった。
角とかもしまっておこうと思ったが、興奮状態のマオリーの前でそんな事をしてしまうとショックを受けてしまうかも知れない。
これはまた落ち着いた時に説明するとして、今はこのままでいようか。
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