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Main story
ビデオチャット越しの勉強会
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何とか美紀を思い留まらせる事に成功。
何を言ったのが有効だったのかは分からないが、今はビデオチャットをしつつお互いの部屋でそれぞれ勉強をしている。
作業チャットと言うらしい。スマホ画面にはノートに何かを書き込む美紀の姿が。
これって何か効果があるのか……?
先ほどまでは羽那子のスマホだったが、俺と美紀が作業チャットを始めたのを見て奪い取られた。
今は三者間でビデオチャットを繋いでいる状況。
わざわざ窓から自室に戻り、今は自分の学習机にスマホを置いてテスト勉強をしている。
『イチロー、英語の教科書48ページのとこなんだけど……』
「あぁ、それはな」
という具合に必要に応じで会話を挟み、必要がなければ無言で自分の作業に集中する。
これはこれでありだな。同じ部屋にいるとどうしても気が散るが、スマホ越しならばそう気にはならないものだと分かった。
ただ、これが四人五人と同時接続者が増えればまた落ち着かないんだろうけれど。
「なぁ、明日も別にこの形で良くないか?」
『ごめん、電波のじょーきょーが悪くて良く聞こえなかったー』
羽那子が見え見えの嘘をつく。美紀は答えない。
こういうところも作業チャットであればスルーしやすく一つ一つ相手にしなくても済む利点と言えなくもない。
しかしそうはさせん。
俺はわざわざ文字チャットを通じで改めて『明日わざわざ俺の部屋に来なくても、作業チャットで勉強会すればいいんじゃないか?』と二人にメッセージを送る。
送信と共に二人の視線がスマホに送られるが、すぐに目を逸らしてカリカリとシャーペンを動かしている。
おい、見えてるよな? 読めてるよな?
そんなこんなであっと言う間に時間が経ち、母さんが階下から夕食の時間だと教えてくれる。
「晩飯らしいので俺は離れるぞ」
『あっ! 夕飯の支度するの忘れてた!』
そう言えば羽那子も俺と一緒に勉強してたんだったな。
母さんが声を掛けて来た以上、母さん一人で用意したのだろう。
『うちはまだみたいやしもうちょっとやっとくわ』
「はいよ、俺も晩飯終わったらまた続きやるわ」
『そっか、じゃあまた後でね』
いや、また作業チャットするとは言ってないが。まぁいいか。別に邪魔になるもんでもない。
「はいはい」
夕食後。ちゃっちゃと片付けていく。
母さんはリビングで休憩。羽那子は自分の家へ帰って行った。
今日はまた遅くなるという父さんの分をラップして冷蔵庫へイン。
伊千香にはシャワーを浴びた際に浴槽を洗っておいた事を伝え、その分食器を洗うのを手伝ってもらう。
「明日美紀さんがお泊りに来るんだって?」
「夜にうちで勉強するんだってよ。泊まるのは羽那子の部屋。
母さんが明日、うちの来客用敷布団を羽那子の家に置いておくって言ってた」
「そうなんだ。まぁさすがに幼馴染以外の女の子と同じ部屋で寝るなんてしないよね」
「……俺にとっては羽那子と同じ部屋で寝るのも考えられないよ」
「……そうだったね」
おい妹、微妙な空気を敏感に感じ取るな。適当に流してくれればいいんだよ。
洗い物が終わって自室へ。
すぐに勉強の続きをする気にはならず、ベッドに横になりながらスマホをいじる。
しばらくすると美紀からビデオチャットの招待が届いた。
「おつー」
『お疲れ。はなちゃんが出ないね』
「そうなのか? 家に帰ってるから風呂じゃないか?」
『……今日は一緒に入らないんだね』
「おい勘弁してくれよ、昨日は本当に奇襲かけられたから結果的に一緒に入る形になっただけで、俺が望んだ訳じゃないからな!?」
『はははっ、分かってるってや。
イチローははなちゃんの記憶がないんやもんね。はなちゃんも今のイチローとの向き合い方が分からんのかもしれんな。
だからうちとイチローを引っ付けるように見える行動をしたりするんとちゃうやろか』
今の俺との向き合い方、か。正直それほど悩んでいるようには見えないんだけどな。
『イチローにはまた会えたらええなって思ってた。けど好きで付き合いたいかって聞かれたら、正直はっきりとは分からんねん。
はなちゃんに乗せられてる気もするし、でもこれも運命やって思ったりしてるのもホンマやし……』
おいおい、それ俺に聞かせていい内容の話か? どんな顔して聞けばいいんだよ……。
『幼馴染に忘れられて、どうしていいか分からんからみんな巻き込んで仲良くしていこうって思ってるんやったらええんや。
けど、付き合うとか、恋人になりたいとか、恋愛が絡んだら三人でも五人でも、このままの状態で仲良くやっていけるとは思えへん』
それは俺もそう思う。逆に、誰も選ばなければずっと仲の良いままの三人でいられるかと問われると……。
とてもそうは思えない。いつかどこかのタイミングで、破綻する気がする。
『はなちゃんの気持ちには寄り添ってあげたいと思うんやけど……。どうしたらええんかなぁ』
「とりあえず、好きかどうかも分からん相手の目の前で服を脱ごうとするな」
『あ、あれは乗せられただけでぇ~!!』
何を言ったのが有効だったのかは分からないが、今はビデオチャットをしつつお互いの部屋でそれぞれ勉強をしている。
作業チャットと言うらしい。スマホ画面にはノートに何かを書き込む美紀の姿が。
これって何か効果があるのか……?
先ほどまでは羽那子のスマホだったが、俺と美紀が作業チャットを始めたのを見て奪い取られた。
今は三者間でビデオチャットを繋いでいる状況。
わざわざ窓から自室に戻り、今は自分の学習机にスマホを置いてテスト勉強をしている。
『イチロー、英語の教科書48ページのとこなんだけど……』
「あぁ、それはな」
という具合に必要に応じで会話を挟み、必要がなければ無言で自分の作業に集中する。
これはこれでありだな。同じ部屋にいるとどうしても気が散るが、スマホ越しならばそう気にはならないものだと分かった。
ただ、これが四人五人と同時接続者が増えればまた落ち着かないんだろうけれど。
「なぁ、明日も別にこの形で良くないか?」
『ごめん、電波のじょーきょーが悪くて良く聞こえなかったー』
羽那子が見え見えの嘘をつく。美紀は答えない。
こういうところも作業チャットであればスルーしやすく一つ一つ相手にしなくても済む利点と言えなくもない。
しかしそうはさせん。
俺はわざわざ文字チャットを通じで改めて『明日わざわざ俺の部屋に来なくても、作業チャットで勉強会すればいいんじゃないか?』と二人にメッセージを送る。
送信と共に二人の視線がスマホに送られるが、すぐに目を逸らしてカリカリとシャーペンを動かしている。
おい、見えてるよな? 読めてるよな?
そんなこんなであっと言う間に時間が経ち、母さんが階下から夕食の時間だと教えてくれる。
「晩飯らしいので俺は離れるぞ」
『あっ! 夕飯の支度するの忘れてた!』
そう言えば羽那子も俺と一緒に勉強してたんだったな。
母さんが声を掛けて来た以上、母さん一人で用意したのだろう。
『うちはまだみたいやしもうちょっとやっとくわ』
「はいよ、俺も晩飯終わったらまた続きやるわ」
『そっか、じゃあまた後でね』
いや、また作業チャットするとは言ってないが。まぁいいか。別に邪魔になるもんでもない。
「はいはい」
夕食後。ちゃっちゃと片付けていく。
母さんはリビングで休憩。羽那子は自分の家へ帰って行った。
今日はまた遅くなるという父さんの分をラップして冷蔵庫へイン。
伊千香にはシャワーを浴びた際に浴槽を洗っておいた事を伝え、その分食器を洗うのを手伝ってもらう。
「明日美紀さんがお泊りに来るんだって?」
「夜にうちで勉強するんだってよ。泊まるのは羽那子の部屋。
母さんが明日、うちの来客用敷布団を羽那子の家に置いておくって言ってた」
「そうなんだ。まぁさすがに幼馴染以外の女の子と同じ部屋で寝るなんてしないよね」
「……俺にとっては羽那子と同じ部屋で寝るのも考えられないよ」
「……そうだったね」
おい妹、微妙な空気を敏感に感じ取るな。適当に流してくれればいいんだよ。
洗い物が終わって自室へ。
すぐに勉強の続きをする気にはならず、ベッドに横になりながらスマホをいじる。
しばらくすると美紀からビデオチャットの招待が届いた。
「おつー」
『お疲れ。はなちゃんが出ないね』
「そうなのか? 家に帰ってるから風呂じゃないか?」
『……今日は一緒に入らないんだね』
「おい勘弁してくれよ、昨日は本当に奇襲かけられたから結果的に一緒に入る形になっただけで、俺が望んだ訳じゃないからな!?」
『はははっ、分かってるってや。
イチローははなちゃんの記憶がないんやもんね。はなちゃんも今のイチローとの向き合い方が分からんのかもしれんな。
だからうちとイチローを引っ付けるように見える行動をしたりするんとちゃうやろか』
今の俺との向き合い方、か。正直それほど悩んでいるようには見えないんだけどな。
『イチローにはまた会えたらええなって思ってた。けど好きで付き合いたいかって聞かれたら、正直はっきりとは分からんねん。
はなちゃんに乗せられてる気もするし、でもこれも運命やって思ったりしてるのもホンマやし……』
おいおい、それ俺に聞かせていい内容の話か? どんな顔して聞けばいいんだよ……。
『幼馴染に忘れられて、どうしていいか分からんからみんな巻き込んで仲良くしていこうって思ってるんやったらええんや。
けど、付き合うとか、恋人になりたいとか、恋愛が絡んだら三人でも五人でも、このままの状態で仲良くやっていけるとは思えへん』
それは俺もそう思う。逆に、誰も選ばなければずっと仲の良いままの三人でいられるかと問われると……。
とてもそうは思えない。いつかどこかのタイミングで、破綻する気がする。
『はなちゃんの気持ちには寄り添ってあげたいと思うんやけど……。どうしたらええんかなぁ』
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