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父上は様子を窺っている
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ポーシェへ捨て台詞を残し、急いで馬で屋敷へ帰って来た。
何で俺が雑魚キャラみたいな事をせねばならんのか。
鬱々とした気持ちのまま門を通り抜け、玄関で待機していたメイドへ馬を預ける。
「ご当主様とお館様がお待ちです」
「分かった」
同じく玄関で待機していた執事に連れられ、母上の執務室へ通される。
そこには母上と父上だけでなく義兄上、そしてエティーの姿もあった。
家族勢揃いかと思いきや、姉上の姿だけがない。
そして、書状らしき書類がテーブルに広げられている。
二通、いやあのクシャクシャになっているのを含めると三通か。
「呼び戻してすまなかった、その……」
父上が何か言いにくそうにしている。
あれか? 良い雰囲気になっていたら邪魔してしまった訳だから謝りたいけど、直接的な言い方をすれば余計に怒らせてしまうかもしれないからどうしたもんかと考えているのだろうか。
「いえ、何の問題もございません」
「しかし……」
「本当に問題ないのでお気になさらず」
いや、ポーシェを残して来たので問題がこれから発生するかもしれないけど、父上が思っているような事はない。
二人の仲が引き裂かれたとか何かの途中だったとか、本当にそんな事はないから。
「それなら良いのだが……」
時間がないと聞いて急いで帰って来たのに、いっこうに話が始まらないじゃないか。
そっちの方が余程気に障るが、しかし不機嫌そうな顔をすれば「ほらやっぱり怒ってる!」なんて思われかねないのでいつも通り澄ました表情で、務めて冷静に。
「もしアルティが望むならばこの埋め合わせは必ずするから、後でこっそり私に言いに来なさい」
「本当に!
大丈夫ですので!!」
しつこいぞ、全く。
後でこっそり来いと皆の前で言った時点でもうこっそりなんて出来ないでしょうに。
それと俺が気を悪くしていないか様子を窺うあまり、父上はずっとエティーに睨み付けられているのに気付いていない。
それくらいにしておいてくれないと、エティーが父上に何をしでかすか分かったもんじゃない。
年頃の娘を持つ父親としてちゃんと自覚してほしい。
まぁ、何かあっても自業自得だけど。
「とりあえずお帰りなさい、アルティ。
急ぎ戻らせたのは、エテピシェ伯爵からの新たな特使が三通の書状を持って来たからです。
特使については先に遣わされた者と共に、この地を離れました」
この地を離れた?
こちらの返事を待たず、ユニオーヌ連合へ帰っていったのか。
という事は、つまり。
「エテピシェ伯爵からの書状は宣戦布告でしょうか?」
何で俺が雑魚キャラみたいな事をせねばならんのか。
鬱々とした気持ちのまま門を通り抜け、玄関で待機していたメイドへ馬を預ける。
「ご当主様とお館様がお待ちです」
「分かった」
同じく玄関で待機していた執事に連れられ、母上の執務室へ通される。
そこには母上と父上だけでなく義兄上、そしてエティーの姿もあった。
家族勢揃いかと思いきや、姉上の姿だけがない。
そして、書状らしき書類がテーブルに広げられている。
二通、いやあのクシャクシャになっているのを含めると三通か。
「呼び戻してすまなかった、その……」
父上が何か言いにくそうにしている。
あれか? 良い雰囲気になっていたら邪魔してしまった訳だから謝りたいけど、直接的な言い方をすれば余計に怒らせてしまうかもしれないからどうしたもんかと考えているのだろうか。
「いえ、何の問題もございません」
「しかし……」
「本当に問題ないのでお気になさらず」
いや、ポーシェを残して来たので問題がこれから発生するかもしれないけど、父上が思っているような事はない。
二人の仲が引き裂かれたとか何かの途中だったとか、本当にそんな事はないから。
「それなら良いのだが……」
時間がないと聞いて急いで帰って来たのに、いっこうに話が始まらないじゃないか。
そっちの方が余程気に障るが、しかし不機嫌そうな顔をすれば「ほらやっぱり怒ってる!」なんて思われかねないのでいつも通り澄ました表情で、務めて冷静に。
「もしアルティが望むならばこの埋め合わせは必ずするから、後でこっそり私に言いに来なさい」
「本当に!
大丈夫ですので!!」
しつこいぞ、全く。
後でこっそり来いと皆の前で言った時点でもうこっそりなんて出来ないでしょうに。
それと俺が気を悪くしていないか様子を窺うあまり、父上はずっとエティーに睨み付けられているのに気付いていない。
それくらいにしておいてくれないと、エティーが父上に何をしでかすか分かったもんじゃない。
年頃の娘を持つ父親としてちゃんと自覚してほしい。
まぁ、何かあっても自業自得だけど。
「とりあえずお帰りなさい、アルティ。
急ぎ戻らせたのは、エテピシェ伯爵からの新たな特使が三通の書状を持って来たからです。
特使については先に遣わされた者と共に、この地を離れました」
この地を離れた?
こちらの返事を待たず、ユニオーヌ連合へ帰っていったのか。
という事は、つまり。
「エテピシェ伯爵からの書状は宣戦布告でしょうか?」
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