お坊ちゃまはシャウトしたい ~歌声に魔力を乗せて無双する~

なつのさんち

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竜神様は帰りたい

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 ポーシェが外にいたメイドに問題ないと伝えてくれたようだ。
 面と向かって客人を叱れない分、その責任はメイド達に問われる事になる。
 が、部屋の主である俺が咎めなければそれほど叱られる事はないだろう。
 俺からもメイド長に後でそう伝えておこう。

『ミィチェを一度あの島に連れて帰らないといけないんだよねー』

 鈴の話によると、長く竜の島に戻っていなかった為、ミィチェの魔力が著しく減っているらしい。
 竜の身体は魔力の塊なので、いずれは底を付いて消滅してしまう可能性も考えられるそうだ。
 俺に話し掛けるこの声も、魔力を使って伝えているらしいので魔法と言えば魔法なのかな。
 そして、その分魔力を消耗する、と。

『アルティが生まれてからはちょっとずつ魔力を分けてもらってた。
 けど、それでも満タンになるにはすごく時間が掛かるしアルティに負担を掛けてしまう。
 島に戻って満充電になれば、また数百年程度持つと思う』

 竜って充電式なのか。
 島で寝ていれば勝手に充電される、と。
 それはとても便利で良さそうだが。

 昨夜の俺の歌により、かなり充電されたらしい。
 けれど、鈴を呼び込んでしまった事と、ミィチェが飛べるようになった効果を見た上で、両親が俺に待てを掛けて来るだろう。
 毎回あの規模の人員を連れて、草原のど真ん中で俺の単独ライブを開催するのは現実的じゃない。

『どれくらいの期間掛かりそうなんだ?
 一度の帰郷でどれくらいの魔力が蓄えられるんだ?
 戻って来るんだよな?
 帰って来なかったら許さんぞ』

『目が怖いよー』

『大丈夫、どれくらいで魔力が満タンになるか分からないけど、絶対に帰って来る』

 俺の腕の中、ミィチェが俺を見上げながら答えてくれる。
 ミィチェが元日本人の猫(竜)だと分かり、会話が出来る事を知った後でも俺にとって大事な家族である事に変わりはない。
 今さら竜の島で暮らすから、と言われても困る。寂しい。
 という俺の個人的感情とは別に、父上の実家的にはどうなのだろうか。
 うちで預かっている事になっているミィチェがいなくなると、リトゥアール家が騒ぐかもしれない。
 朝食の場で報告しなくてはならない。

『ミィチェには無理だと思うって言われたんだけどー、アルティちゃんも一緒に来ない?
 今夏休みなんでしょう?』

 うん、無理だと思うぞ。
 竜の出現時、あれだけ取り乱していた家族を見るに、鈴は信用出来るからちょっと行ってくるねって言っても許可してくれないだろう。

『そんなの聞いてみなきゃ分からないじゃんかー』
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