7 / 30
第六話:炎河の向こうへ
しおりを挟む
真宵と立羽は、森を抜けた小高い丘から荒野を眺めた。黒と褐色の礫に覆われた乾地。ところどころ、柱のように屹立する玄武岩が、風に磨かれて鈍い艶を帯びている。
そのさらに奥、地平を横切って炎河が流れていた。赤橙の熔流が幾条もの帯を編み、表皮を張っては破り、ぼこりと泡を吐いてはまた次の皮膜を作る。河上に立ち上る熱波が、遠景を波打つように歪めていた。
「あれが、炎河……」
「はい。赤国と橙国の天然の境界です」
燃える川の手前には、橙国の国境詰所が間隔を置いて点在した。低い石積みの物見台と、庇のある小さな石小屋。屋根の上には深い橙地に鮮やかな蜜柑色の五弁花が描かれた旗がはためく。
兵たちは暑気用の軽装で、上半身を露わにし、水袋を腰に下げて交替で見張りに立っているようだった。各々、弓と矢筒を背負っている。見つかったが最後、四方八方から矢雨を浴びることだろう。
真宵は緊張にごくりと喉を鳴らし、蝶の姿の立羽に問うた。
「そういえば、どうやってこの炎河を超えるのか、答えを聞いている途中にさっきの斑猫が来たんでしたね」
赤い蝶は同じ位置で羽ばたきながら、くるりと真宵を振り返る。
「飛び越えるのが最短ではありますが、熱波を避けるためには相当の上空を飛ばねばなりません。しかし、そうなれば橙の国境警備兵に見つかり、撃ち落とされる危険が高い。ですから、先ほど言いかけましたとおり、橙国側の把握していない溶岩洞を使うのです」
「ヨウガンドウって?」
「熔流の外側だけが冷えて壁と天井になり、あとから中身が流れ去ってできた長い空洞のことをいいます。炎河の地下にはそうした空洞がいくつも走っていて、中には赤国と橙国とを繋ぐものもあるのです。そして、これから向かう一本は、まだ橙国には知られていないそれなのです」
赤い蝶に導かれて真宵は丘を下っていく。
いつしか日は傾き、荒野に長い影が伸び始めていた。
「黄昏時とは『誰ぞ彼』、顔が判然としづらくなる刻です。隠れ進むには最適でしょう」
立羽が囁く。真宵は身を低くして、岩陰から長草の中を通り次の岩陰へと渡り歩く。
炎河に近づくにつれ、周囲の温度が上がっていく。息を吸うたびに、硫黄の匂いが乾いた喉の奥でヒリつく。
「夜華君、もうひと息です。間もなく溶岩洞の口が見えてまいります」
立羽のその言葉に、真宵の緊張がホッと緩んだ時だった。
遠くで声がした。警備兵たちの会話ではない。荒野に響き渡る野太い男の声と、それに呼応する甲高い少年の声。
立羽が真宵の頭に飛びつく。
「岩陰に伏せてください。そう、低く」
言われるまま地に腹をつけた真宵の、肩に留まった蝶が言う。
「あの声は……橙王・柑陽。気性の荒いお方です。見つかれば非常に厄介。供の橙蟲間・角兜臣も同様。あれは心が幼いせいか、抑えが効きません」
真宵は恐怖心もあったが、橙王というものに興味を引かれて、岩陰から片目を覗かせた。自分を覆う長草越しに、ぎょっとするような光景を見る。
色素の薄い杏色の髪、相対的な褐色の肌。両肩を露出した筋骨隆々の男が、全長一.六間(約三メートル)はある橙色の兜蟲の背に立ち、手綱を握っている。
兜蟲は力強い六脚で礫を蹴り、炎河の方角へ疾走していく。その巨大蟲の動きが不意に止まった。
「待てよ柑陽、なんか匂う」
朗らかな少年の声が、剛力な兜蟲から発せられている事実に真宵は戸惑った。
硬い甲の上に仁王立ちした橙王が、面倒そうに顔を顰める。
「ああん? 炎河が硫黄臭いのはいつものことだろうが」
「ちがうって、そういうんじゃねーの」
王も蟲も揃って声が大きい。耳にビリビリくる声量に真宵は眉根を寄せるが、立ち番の兵士たちは慣れているのか、顔色ひとつ変えない。
「硫黄じゃねぇなら何だよ」
「うーん何だろうなぁ……」
「夜華君、羽衣を深くお被りください。橙蟲間に気づかれます」
耳元で声がして、真宵は慌てて羽衣を引っ張り、地面に端を付けてドームのように全身を覆った。
「ここは風下です。御身の芳香は届きません。しばらくこのままで」
告げる蝶に目でわかったと合図をして、息を殺す。
布越しに少年と男の声が聞こえてくる。
「あれ、匂いがしなくなった」
「何だよ、メンドクセェ」
「気のせいだったのかなぁ……いや、確かに何か感じて――」
「オイ! 余計なことはいいから、さっさと走れクソガキ」
「……あ、臭いの原因わかったかも。柑陽昨日、湯浴みサボったァ?」
「……テメェ、言うに事欠いて俺がクセェってのか」
「事欠いてというか、いつか言おうと思ってたんだけど」
「ぶっ殺すぞ角兜臣ィィ」
言い合いが始まる。さすがに不味いと思ったのか、止めに入る兵士たちの声が混じる。
「今です、参りましょう」
立羽の合図で真宵は立ち上がり、低い姿勢で前進していく。橙王と橙蟲間が騒がしいせいで、誰も真宵には気づかない。
岩の段の陰に、下方へ続く黒い口があった。近づいてみると、縁は火で舐めたように滑らかで、内側からは地上の炎河に熱せられた温風がふうと立ち上っている。
立羽は蝶の姿から女の姿へと戻った。
「溶岩洞の中は恐らく、熱に耐性のある蟲たちの住処になっていることでしょう。夜華君、どうか私のそばをお離れなさいますな」
彼女は左手を差し伸ばして、真宵の右手を取った。そして固く握る。
気恥ずかしさを感じつつも、真宵はその手を振り払わなかった。
そのさらに奥、地平を横切って炎河が流れていた。赤橙の熔流が幾条もの帯を編み、表皮を張っては破り、ぼこりと泡を吐いてはまた次の皮膜を作る。河上に立ち上る熱波が、遠景を波打つように歪めていた。
「あれが、炎河……」
「はい。赤国と橙国の天然の境界です」
燃える川の手前には、橙国の国境詰所が間隔を置いて点在した。低い石積みの物見台と、庇のある小さな石小屋。屋根の上には深い橙地に鮮やかな蜜柑色の五弁花が描かれた旗がはためく。
兵たちは暑気用の軽装で、上半身を露わにし、水袋を腰に下げて交替で見張りに立っているようだった。各々、弓と矢筒を背負っている。見つかったが最後、四方八方から矢雨を浴びることだろう。
真宵は緊張にごくりと喉を鳴らし、蝶の姿の立羽に問うた。
「そういえば、どうやってこの炎河を超えるのか、答えを聞いている途中にさっきの斑猫が来たんでしたね」
赤い蝶は同じ位置で羽ばたきながら、くるりと真宵を振り返る。
「飛び越えるのが最短ではありますが、熱波を避けるためには相当の上空を飛ばねばなりません。しかし、そうなれば橙の国境警備兵に見つかり、撃ち落とされる危険が高い。ですから、先ほど言いかけましたとおり、橙国側の把握していない溶岩洞を使うのです」
「ヨウガンドウって?」
「熔流の外側だけが冷えて壁と天井になり、あとから中身が流れ去ってできた長い空洞のことをいいます。炎河の地下にはそうした空洞がいくつも走っていて、中には赤国と橙国とを繋ぐものもあるのです。そして、これから向かう一本は、まだ橙国には知られていないそれなのです」
赤い蝶に導かれて真宵は丘を下っていく。
いつしか日は傾き、荒野に長い影が伸び始めていた。
「黄昏時とは『誰ぞ彼』、顔が判然としづらくなる刻です。隠れ進むには最適でしょう」
立羽が囁く。真宵は身を低くして、岩陰から長草の中を通り次の岩陰へと渡り歩く。
炎河に近づくにつれ、周囲の温度が上がっていく。息を吸うたびに、硫黄の匂いが乾いた喉の奥でヒリつく。
「夜華君、もうひと息です。間もなく溶岩洞の口が見えてまいります」
立羽のその言葉に、真宵の緊張がホッと緩んだ時だった。
遠くで声がした。警備兵たちの会話ではない。荒野に響き渡る野太い男の声と、それに呼応する甲高い少年の声。
立羽が真宵の頭に飛びつく。
「岩陰に伏せてください。そう、低く」
言われるまま地に腹をつけた真宵の、肩に留まった蝶が言う。
「あの声は……橙王・柑陽。気性の荒いお方です。見つかれば非常に厄介。供の橙蟲間・角兜臣も同様。あれは心が幼いせいか、抑えが効きません」
真宵は恐怖心もあったが、橙王というものに興味を引かれて、岩陰から片目を覗かせた。自分を覆う長草越しに、ぎょっとするような光景を見る。
色素の薄い杏色の髪、相対的な褐色の肌。両肩を露出した筋骨隆々の男が、全長一.六間(約三メートル)はある橙色の兜蟲の背に立ち、手綱を握っている。
兜蟲は力強い六脚で礫を蹴り、炎河の方角へ疾走していく。その巨大蟲の動きが不意に止まった。
「待てよ柑陽、なんか匂う」
朗らかな少年の声が、剛力な兜蟲から発せられている事実に真宵は戸惑った。
硬い甲の上に仁王立ちした橙王が、面倒そうに顔を顰める。
「ああん? 炎河が硫黄臭いのはいつものことだろうが」
「ちがうって、そういうんじゃねーの」
王も蟲も揃って声が大きい。耳にビリビリくる声量に真宵は眉根を寄せるが、立ち番の兵士たちは慣れているのか、顔色ひとつ変えない。
「硫黄じゃねぇなら何だよ」
「うーん何だろうなぁ……」
「夜華君、羽衣を深くお被りください。橙蟲間に気づかれます」
耳元で声がして、真宵は慌てて羽衣を引っ張り、地面に端を付けてドームのように全身を覆った。
「ここは風下です。御身の芳香は届きません。しばらくこのままで」
告げる蝶に目でわかったと合図をして、息を殺す。
布越しに少年と男の声が聞こえてくる。
「あれ、匂いがしなくなった」
「何だよ、メンドクセェ」
「気のせいだったのかなぁ……いや、確かに何か感じて――」
「オイ! 余計なことはいいから、さっさと走れクソガキ」
「……あ、臭いの原因わかったかも。柑陽昨日、湯浴みサボったァ?」
「……テメェ、言うに事欠いて俺がクセェってのか」
「事欠いてというか、いつか言おうと思ってたんだけど」
「ぶっ殺すぞ角兜臣ィィ」
言い合いが始まる。さすがに不味いと思ったのか、止めに入る兵士たちの声が混じる。
「今です、参りましょう」
立羽の合図で真宵は立ち上がり、低い姿勢で前進していく。橙王と橙蟲間が騒がしいせいで、誰も真宵には気づかない。
岩の段の陰に、下方へ続く黒い口があった。近づいてみると、縁は火で舐めたように滑らかで、内側からは地上の炎河に熱せられた温風がふうと立ち上っている。
立羽は蝶の姿から女の姿へと戻った。
「溶岩洞の中は恐らく、熱に耐性のある蟲たちの住処になっていることでしょう。夜華君、どうか私のそばをお離れなさいますな」
彼女は左手を差し伸ばして、真宵の右手を取った。そして固く握る。
気恥ずかしさを感じつつも、真宵はその手を振り払わなかった。
0
あなたにおすすめの小説
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる